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振付師のゆる~い振り返り(Jin-Zo)

 『かぎろい』にて振付を担当したJin-Zoです。今回の振付は、演劇とダンスのグラデーションをどうするかってことに苦戦しました。コレオグラファーとして僕がいつものようにダンスの振付をするのとは違います。今回は演劇×ダンスというわけではなく、あくまで演劇。ダンスの色が強すぎると浮いてしまうので、ダンス的な良さを残しつつ、全体の中に置いたときに孤立してないよう調整していかなければならない。この塩梅がとても難しかったです。幸いなことに、稽古場の方々は身体表現において鋭い感性を持っていて、僕が助言を頂くなんてこともありました。とても心強かったです。

 今回目指した振付は、綺麗さを纏いつつ、その中に人間の動物性や、ただ存在するものとしての身体性、これらに引き出される不気味さが垣間見えるようなものでした。コンテと舞踏とかそっちのテイストをベースにしました。サアメの儀式シーンは特にそうですね。このシーンでは、一人一人が同じ空気感を共有しながらも個別の動きをすることが求められました。一人一人の動きを全て決めるわけにもいかなく、まずニュアンスをシェアするというのが難しかった。全員でサアメの動きを真似して己の中にサアメを宿し、無心で踊ることで憑依させるという練習がかなり有効でした。20分くらいひたすら踊って一切の邪念を消し、音と身体とサアメの精神だけがある状態で踊ってから役者みんなの空気感が揃い始めました。完全なフリースタイルを同調させていくのめっちゃ楽しかったです。ほんとに異教の祝祭って感じ。

 最後、特に締まるような言葉が思いつかないので打ち上げ楽しみってだけ言っておきます!

(役者・振付 / Jin-Zo)

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