昨年より一回りも二回りも大きな会場で開演されるのは、かのシェイクスピアが書いた戯曲、「お気に召すまま」だ。「親守り子守り唄」ですっかりS22のファンになった僕は、今年も彼らの世界を覗こうと大学の端っこまでやってきた。この日から気温は大きく下がっていて、ニュースでは師走並みの寒さだと報じられていた。 前回の2ndの公演と違う点がすぐにあった。開演前の影ナレを、登場人物の一人、ル・ボーがやってくれたことだ。僕はああいうのが大好きだから、本編の演出も楽しみになった。幕が上がって
久しぶりに、忘れたくないことに出会った。人生の何気ない、でもどこか光を反射したようなキラキラがある瞬間だった。今日のはなんだろう。 11月になって、自転車のルールが厳しくなった。これまではなんとなくしていたことも、本当にダメなことに含まれてしまったから、僕のバイト帰りの楽しみの1つ、自転車タイムはちょっとつまらなくなった。そう思っていた。 寒くなって、空気は澄んで、でも乾燥していて唇が痛い。そんな季節。僕はこの時期、よく星を見る。帰り道の途中にある上り坂はしんどくて、
ほんとに突然のことです。寂しさがやってきました。生き始めて20年強経ちましたが、こいつとの上手い付き合い方はまだ分からないままです。でも僕は知っています。こういう時はね、結局書いてみるのが一番いいのです。さあ、一体何がどうなって僕はベッドの上ですんすんしてしまったのでしょうか。寒くなったからですかね。思えば秋が終わる気配がした頃は、いつもこんな感じだったような気もしてきました。そうだっけ。 なんだかんだ上手く生きているよ僕は。一昨日の木曜日は久しぶりにお休みを作ってしまい
小学生以来の乗った飛行機は、文字通り夜空を飛んでいる。轟音と少し心地良い揺れが、小さい頃に乗った車のそれと似ている。 時刻は九時前、家族で近くにある回転寿司を食べた帰りだった。満腹になった腹を出し、どれだけ膨らんだかを両親に見せつけながら歩いた。兄は助手席に座りたいらしく、小走りで車に駆け出していた。 車に乗り込んだ僕は後部座席に寝転がり、空しか見えないのに窓の外をじっと眺めていた。頭は母の膝の上だ。走り出した車は、街灯を次々と追い抜いていく。目に入っては流れていく冷た
自転車に乗っていると、季節が変わったことを感じやすい。ペダルを一漕ぎすれば、季節の風が私を吹き抜けていく。そういう時は決まって、少し涙が出そうになる。 指先が凍りそうなほど寒い中、買ってもらったカプチーノを包むように握る。中身が減りすぎないように、ゆっくりと飲んでいた。小学校低学年の僕には少し苦かったけれど、温かい飲み物が手元にあることが有難かった。 パーク内の照明が一斉に落ち、煌びやかな音楽とともに、キラキラのイルミネーションに彩られたエルモのフロートがゆっくりとこち
久しぶりに、疲れちゃいましたー。結構身体的に眠くて、最近ヘニャヘニャです。人多い大学にも疲れてきたところです。流石にちょっと休みたいなってところですが、行きたい授業多くて中々そんなタイミングもなくって感じです。 あ、違う。身体的にじゃなく精神的にかもしれない。だから体も疲れてるんだろう。結構ショックなことがあったのでそれですね。「あらー、そうですかぁ」って落ち込みながら、運動してなんとか持ち堪えました。でもそれの余波が大きくて、まだ元気にはなりきれてないっぽいです。ほん
夜のパソコンの光ってなんでこんな眩しいんだ。続編は大抵面白くないってよく聞きますが、日記だけはなんぼ続いてもいいと思います。これは決して、眠れないからとnoteを書き始めてしまう事の言い訳ではありません。はい。決して。 まあ先述の通り、眠れないので書き始めてしまいました。こんばんはみなさん。まだ3時過ぎで油断してますが、この時期は4時前には明るくなるので怖いものです。前回、つまり「もはや日記」で何を書いたか全く覚えていませんので、今夜も適当に。僕の両手の指が赴くままに言葉
ヒーローが好きだった。まさしく男の子をしていたから、毎週日曜日は仮面ライダーが始まる時間の8時半ちょっと前に起きて、リアルタイムで見ていた。めちゃくちゃ熱心に見ていた。そんな僕はある日、父からヒーローショーを見に行こうと提案された。 「え?仮面ライダーに会えるの?」 大感動である。握手してほしい。 そんなこんなで、僕はどこかのショッピングモールで開催されたヒーローショーで生ヒーローデビューをしたのだ。当時放送していた『仮面ライダーディケイド』が主役だった。司会のお姉さ
眠れない日はこうしてパソコンの前で、オフィスチェアに胡座をかく。背もたれがちょっとギシギシいうのが良い。そして、文章を書き始める。あぐらと文章は別にかけてないよ。たまたまだよ。むしろこっちのかけてないの方がかけてる。書き始めでこのクオリティ、今日も絶好調である。 色々あってから、日記の気持ちでnoteを書こうかなって思ったけど、夢中になれることが多くて、全然日記どころじゃなかった。最近は、こんな感じのこと書こうかなって決まったものを書いていたから、何も考えずに書き始める
今寝れない人、涙が止まらない人、とにかく辛い人、なんとなく不安がある人。分かるよ、なーんとなく胸に違和感があるよね。分かんないのに焦ったり怖くなったりしちゃうよね。思えばそんなあなたを助けたくて、文芸学科に入ったのでした。僕も今似たような状態です。だから、書こうと思ったんです。せっかく一緒のところにいるんだから。 上で散々メソメソしたので、今からはちょっとだけかっこつけますね。僕は感情の整理とかコントロールとかメンタル管理系が結構上手い方だと思います。特に日中は心にめち
今日はとてもいい日だった。久しぶりにぐっすり眠れて、起きたのは昼前。そこから一時間ほどベッドでゴロゴロして、やらなきゃいけなかったことの一つであるパスポート申請を市役所でしてきた。市役所でそんなことできるようになったんだね。十年前は、わざわざ谷町まで行って手続きをしなきゃならなかった。 家に帰ってご飯も食べた。それからふうと一息ついても、太陽はまだ高く、今日を終えるには早すぎる時間だった。僕はまだまだ現役で着れる高校時代の体操服を着て、家の前の公園に駆け出した。とにか
エレベーターの扉が開くと同時に、ポップコーンのキャラメルの匂いが鼻から肺までを一気に満たした。映画館に来たのは半年ぶりくらい、やっぱこれだなって思った。暗さも、途端に静かに感じるロビーも、床の絨毯を踏み締める感覚も最高だった。 前章後章に分かれた映画を観ることにしたのは初めてかもしれない。今日観たのは前章のみだ。突然東京の上空に未確認飛行物体が現れ、世界がやばいことになる話だ。「ドラえもん」にめちゃくちゃ似せたオマージュキャラもいて、かなりヘンテコな物語だったけど、とて
不規則な時計の秒針のように、雨が地面を叩く音がする。横になった自分に打ち付けられているような感じがして心地いい。眠れない夜に雨は不可欠だ。静かな雨は寄り添ってくれるし、うるさい雨は何もかもを掻き消してくれる。今まで何本か雨のお話を書いてきたけど、それでも飽きないくらい雨を書くのが好きなのだ。 僕は色んな人に愛されている実感を持って生きている。これを読んでくれているあなたもきっと、僕に幾らかの愛をくれているだろう。とても助けられる毎日である。ありがとうだ。こちらこそ愛してる
夜は本当にダメだ。勝手に悩み過ぎてしまう。いろんなことに後悔したり葛藤したりして、そこから逃げるようにスマホに手を伸ばす。こうなると大変だ。眠れないフィーバータイムの始まりだ。SNSを見ていれば外は明るくなっている。しかもこういう時に見るSNSの内容は決まって○○の名言とか、○○相談とか、そういうものだ。感傷的になってしまう。センチメンタルな気分だ。 しかし今夜、ついにSNSのフィーバータイムに突入せずに済んだ。こうやって文章に昇華しようとしている。えらいぞ文芸学科生。今
久しぶりに文字を書こうと思って今、お風呂にお湯が溜まるまでの時間をひたすら文章に使おうとしています。タイピングってこんなに難しかったっけ。 そういえば最近、御堂筋線でポロポロ泣いたことがありました。あんまり理由ってものはなくて、ただ自然の摂理のように。人間の体とはそういうもので時々泣いてしまうものだと思うのです。積もり積もった雪がある日突然落ちるみたいに、咲き終わった花が散るように、そういうものだと思います。 こぼれかけていた何かがやっと目に見える形で出た。自分がちゃん
駅から降りた通学路にある葬儀場、毎朝その側を歩く高校生活だった。時々霊柩車と親族用のバスが停まっていて、そんな日は気のせいか、微かに線香の匂いがした。 丁寧に手紙で案内が届いて、行くか行かないか迷いに迷った高校の同窓会。残っていた数少ないLINEグループの一つに「みんな行く?」と尋ねると、案外みんな参加に前向きだった。 同級生がどんな変化をしているのかの楽しみと、誰も自分を歓迎してくれなかったらどうしようという不安の半々で迎えた当日。いつもよりヘッドホンの音量を二つ