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手術をする上での心のあり方

執刀医のメンタルがパフォーマンスに与える影響について考えてみたいと思う。

手術はあくまでも患者さんを治療する上での手段!
あくまでも手段ではあるが、その手段をきちんと遂行するためには、乗り越えなけばならない壁がたくさんある。その壁を乗り越えていない状態で手術に臨めば、必ずしっぺ返しがくる。治すはずの手術が、合併症を残してしまうことで逆に患者さんの不利益に繋がってしまうのだ。


パフォーマンスを考慮する上での大原則として・・・

二つのパラメーターがある

  • 謙虚さ

  • 勉強不足か

謙虚さには心の問題が関与してくる
勉強が十分な人でも、心が整っていないと謙虚さがなくなり、手術において勉強不足な人と同等なパフォーマンスになってしまうこともある。

4タイプの執刀医のパターン

心の問題とは、心の余裕があるかどうか
その際で、いろいろと考えなくてはいけない人間の心の余裕 

余裕がない状態

  1. 時間的な余裕がない・・・次に予定が迫っている。これからプライベートの予定があるなど

  2. 自分を取り巻く環境における心の余裕がない・・・家庭環境が悪い。恋愛問題を抱えている。友人関係、職場関係など。

  3. 体調が悪い・・・風邪など少しの体調の悪さもミリ単位を調整する執刀医には弊害になる

  4. 一緒に手術をする医師・スタッフとの関係性・・・手術する上でのプレッシャーになり余裕をもてない

  5. 手術デバイスの問題・・・いつもやっている手術デバイスがなく、心理的に余裕がなくなる

勉強不足な状態

  1. 手術のやり方を熟知していない(器械の動かし方)

  2. 解剖の把握が甘い

  3. その症例における解剖・病態を勉強していない(みんな同じと考えて手術にのぞむ)


つまり執刀医として、最大のパフォーマンスを出せるためには上記の状態が万全になっていることが必要になる。

手術において最大のパフォーマンスが得られるチェックリストを作成してみた

勉強不足関連


□ 手術解剖が把握できている
□手術の器械の名称と使い方を正確に理解できている
□患者さん特有の解剖を把握できている
□患者さんの病態(病気のメカニズム)を把握できている


謙虚さ関連(心の余裕関連)

体調

□ 前日に飲酒していない
□ 前日に睡眠が十分にとれている(7時間程度)
□ 前日に過度な運動などをしていない
□ 前日夜の食事は油物を大量に食べていない 辛いものなども
□ 病気でないこと
□ 起床時に全身をモニタリングして、異常や気になる箇所がないか?

時間

□ 手術の準備にしっかり時間をさけた
□ 無理ない手術スケジュールを組めた(1日にキャパシティー的に無理な手術スケジュールになっていない)
□ 手術の後に大切な予定が入っていない(会議やデート、子供の行事など)
□ 手術中もだいたいの時間的な感覚を持つ(何分でここまで終わらせるなど)

環境

□ 家族・パートナーとトラブルがない
□ 職場人間関係(先輩後輩ともに)でトラブルがない
□ 職場において医師ー患者トラブルがない
□ 金銭的トラブルがない(家計なども)
□ 将来の不安がない
□ 手術の道具や手術室の空き具合などが準備できている

挙げだしたらキリがない・・・
しかし、ここに書いてあることを全てとは言わなくとも80%くらいチェックがつく状態で手術に臨むことができることが理想だろう。

手術を受ける患者さんはこれらを医師全てが当たり前に対応していると思って手術を受けている。体調不良などは仕方ないこととして、できるだけ上のチェックリストは埋まるようにして手術にのぞみたいと思う。

さあ今日も頑張ろう!!!!!

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