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ベンジャミンバトン

見終わった後の最初の感想は、普通だなぁ、これで終わりなの?という感想だった。

タイトル通り数奇な生まれから始まったベンジャミンの人生も、そんな彼を愛してデイジーの人生も、あっけなく幕を閉じていった。

ただ、むしろ人生というものはそういうものなのだろう。
人生において年齢や外見、生まれなんかは関係ないということ。
人生は感動と驚きや愛、そしてままならない様々な障害で作られていること。
これらが、ベンジャミン・バトンのごく普通の人生をのぞいて私が感じたことである。

人生に、素晴らしいもくそもないはずだ。
結局、人は下の世話をしてもらいながら育ち、老いて再び下の世話をしてもらいながら死んでいく。この決まりから逃れられるものは誰もいない。

それでも、なんとかしてよりより人生にしたいと思ってしまうのも、人間が持って生まれた感情の一つなんだろう。

では、ベンジャミンはどうしたらもっと幸せを享受できたのか。
これもまた、とても平凡な答えになるが自分に正直に生きること、これが鍵となるような気がした。

この世を去って行こうとする人に向けて人生においてなにをもっとも後悔したのか質問した結果、もっと自分に正直に生きればよかった。という答えが最も多かったそうだ。

もしもあの時、ベンジャミンが家を出て行こうとした際にデイジーが彼を止めていたら。もしもベンジャミンがデイジーとキャロラインに再会した時、もう一度一緒に暮らそうということができたら。

こんなことを妄想することは野暮なのだろうが、もし私が彼らのような人生を経てこの世をさる時が来たら、ああいった後悔を嫌でも考えてしまうと思う。

後悔もあるがいい人生だった。
なんて言い訳を使わず、悔いのない人生だ、と胸を張って逝けるような人生を歩んでいきたい。


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