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日記:おふくろの味と量

久しぶりに実家へ帰った。それまでどこにいたかというと、うつ病と診断され、地元へ帰ってきた際に、自分の部屋がなかったので、実家の近くのアパートを借りてもらいそこに約1年半住んでいる。甘えさせてもらっている。
帰ってきていつも通り「ただいま」と音を発する。
手を洗う時、水がお湯になるまで待つのは図々しいかなと思い、お湯に変わりましたみたいな間で手を洗った。
最初にしゃべり始めたのは、父だった。
「家に(某人材派遣会社)の人が来てたぞ。ヤマトの制服を返してないってどういうことだ。そういうとこもちゃんとできないで、本当に芸人になりたいのかよ。」
返してない制服はヤマトのじゃない。
ヤマトは期間限定のアルバイトで、穏便に契約満了でやめたのだ。
返していないのは、3日前クビになった工場のバイトだよ。
そこからは腹が減って気が立っているのか、アルコールを摂取して気が大きくなっているのか、借金したことについて、自分の計画性のなさ、大事なことを話さない性格、とめどなく溢れてくるわたくし次男への不満を浴び続けた。母がしゃべっていないと思っているかもしれないが、ずっとしゃべっている。両親の自分への不満の共通項は、失望だった。

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