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恐怖のタールマン



幼稚園に通う6歳くらいの頃でしょうか

自宅にて、おともだちのAちゃんと遊んでいた時の短い話です


私「映画のビデオ一緒にみようよ、何がいい?」

Aちゃん「怖いのがいい」

私「バタリアンとキョンシーあるけどやめた方がいいよ」

Aちゃん「大丈夫!こわくない、バタリアンを見たい!」

私「真っ黒いドロドロのバケモノ(タールマン)が気持ち悪いよ!!ホントにやめた方がいいよ!!」

Aちゃん「いいよ!!いいよ!!!」

しつこくこのやり取りを数回繰り返した後、

こちらが制止すればするほど見たくなるのが人の心理というものでしょうか、、、

結局Aちゃんの言う通り、2人でバタリアンを鑑賞することとなった

30分か、40分が経った頃でしょうか

いざ黒塗れのタールマンが登場!!!!!

ベトベトと得体の知れないヘドロだかタールだかに全身まみれ溶けた様なバケモノで、眼球もまん丸飛び出して、歯もむき出し白く光っている

1度見たら最後、兎に角インパクトが強烈である

やけに動きがゆっくりしている所もなんだか不気味だ

当時私自身もトラウマになっていたキャラクターでもある

すると、初めから若干もじもじと様子のおかしかったAちゃんが、すくっと突然勢いよく立ち上がった

Aちゃん「、、、」


私「??(オシッコかな)」


Aちゃん「、、、ゥウヴヴァァァァァァアアアアアアアアアアッッッアア!!!!!!!!!!!」


私「!!!、。!!???、、???!!、?」


Aちゃん「コワわあイイィィよおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!うわぁあああああああああぁぁぁんんん!!!!、!」


漫画のように突然泣き出したAちゃんは、
そのまま勢いよく家を飛び出して帰ってしまった

彼女の声がまだこだまする部屋に1人私
Aちゃんの家が目と鼻の先で本当によかった
(その後無事帰宅したか確認)

何度も引き止めたとはいえ、すごく申し訳ない気持ちになってしまった上に、ただただ戸惑ってしまった

私はどうすればよかったのだろう??

タールマンは私もAちゃんと同じように本当に恐ろしい存在だったはずなのに、彼女が大泣きする姿を目にして、ほんのちょっぴり怖くなくなったみたいだった

そしてタールマンが若干気の毒になってしまった

幼心に、人間の好奇心に蓋をする事の難しさを感じた出来事だった


自作・タールマンのイラスト













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