私の夏の定番曲① クリスタルキング『蜃気楼』
私はいつもズレてしまっていて、夏に観たい映画も結局オールシーズンで観てしまっていますし、「#夏の定番曲」だと思える曲も年明け頃から聴き始め、二月の寒い盛りにヘビロテしたりしています。
そして毎年夏真っ盛りには、ちょっと食傷気味になってしまったりしているのです。
でも八月に“冬の定番曲”をヘビロテすることはありませんから、どちらかといえば冬より夏のほうが好きなんでしょうね。たとえばオフコースの『さよなら』(1979)をいまガンガンかけたりはしていません。でもいまいろいろ検索していて、沢田研二の『LOVE(抱きしめたい)』(1978)はちょっとかけたくなってしまいました。
そんな感じで私の趣味は未だ 70 年代、80 年代で留まってしまっているわけなんですが、とはいえニュー・ミュージックなどといわれたそれらの曲たちは、陰で“リズム演歌”だなどと揶揄されたりなどしていて、当時でも実はダサい曲たちだったのです。などといっては作詞作曲の方々やパフォーマーの方々に怒られてしまうかもしれませんが、もう YMO なんかもでてきていましたし、いつの時代にも邦楽をバカにする洋楽ファンというのは必ずウジャウジャいまして、ましてや、私が当時一番聴いてたのが“ダサい歌謡曲”どころかアニメの主題歌などでしたから、そりゃぁ本当に大袈裟でなく、それを理由にイジメられたりもしました。
でも私、“演歌ギター”、好きなんですよね。和田アキ子の『抱擁』とか、『愛の光』とか──。
もう“リズム演歌”で何が悪ィ! なんて思っています。
ということでそんな私の「#夏の定番曲」なんですが、いま「夏の連続投稿チャレンジ」にチャレンジしている最中ですので、このお題で二曲、書いてしまおうかなと思っています。しかしもうちょっと時間切れですね……。
けれど予定していたものは時間切れでも書いてしまおうと思っていますので、「#夏の定番曲」二本、「#夏に観たい映画」一本、遅刻ではありますが書かせていただきたいんです。
どうも済みません。
それで私の「#夏の定番曲」一曲目なんですが、これはもう今年二月にもガンガンかけ捲くっていた、クリスタルキングの『蜃気楼』(1980)! ですね。
クリスタルキングといえば再デビュー第一曲目の『大都会』(1979)があまりに有名で、加えてテレビアニメ化された『北斗の拳』の主題歌『愛をとりもどせ!!』(1984)がやはりそちらのほうでの定番曲ですので、この曲はそれらの曲たちのあいだで霞んでしまっているような印象があります。
でもイイんですよ! 演歌ギターが! オープニングからエンディングまでギンギンですからね!
ハッキリいって暑苦しい曲です(クリスタルキング、ゴメンナサイ!)。夏真っ盛りの海の家で横の皿のスイカをチラ見しながら、敢えて片栗粉いっぱいの安カレー掻っ込んでる感じ? ですかね? 間違ってもイケてるカブリオレから流れてくるタイプの曲じゃありません。
とはいえそんなイケてる曲の一つだったはずのシャカタクの『ナイト・バーズ』(1982)だって、90 年代には深夜放送・矢村貴子の『Ride on music!』(1998-2002)で笑いものにされたりしていましたからね。まったく音楽的に尖ってる奴らってのは……。鷲田清一は『折々のことば』で「本当におしゃれな人は、人のことダサイとか言わない」なんて言葉を紹介してましたが、だとしたら私、「本当におしゃれな人」になんて、いままで一度も逢ったことありませんね。
このシャカタクってのはイギリスのフュージョンバンドで、そういえば当時文学のほうで定番だった田中康夫『なんとなく、クリスタル』(1980)の主人公・由利の恋人・淳一なんかも、フュージョンバンドのツアーにでてたりしたんですよね。だからフュージョンバンドってのは、クセ者なんですよ。
と、これは“シャカタクなんて始めっからダサダサだったよ”って意見への牽制なんですが、その『なんクリ』とかってヤツも文学である時点でもうムリって御意見なら、それはそれで頼もしいかぎりです。
尖った皆さんも本当に尖ってるなら、“ハルキストごときがビートルズ語ってんじゃねえよ”ぐらいのこと、いってくれないもんですかねぇ? でも弱い者イジメばっかでしょ? 長いモンには巻かれちゃうんでしょ?
とにかく私はこれからもダサく、演歌ギターのエアギター、ガンガン鳴らし続けていきますよ。
それでは!