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光る押ボタンくん
【2024/01/21】
思い出したようにごくたまに行くゲームセンターにはガチャガチャのコーナーがあって、そこにはたくさんのガチャガチャの機械が並んでいる。
ユーホーキャッチャーは取れないと悔しいし、その他のゲームはやらないので、おおきくてどこかで見たことのあるサルのぬいぐるみたちがガラスケースの中にきちっと整列して首元と足元を固定された状態で空を見つめている少し異様な光景に気を取られながらも、さくさくと歩いてガチャガチャのコーナーへ行く。
ゆっくりと眺めながら、一周し、また戻り。
サンリオのキャラクターが多い印象だった。
いや、わたしが注目してしまっているからかもしれない。
普段特別好きなサンリオのキャラクターがいるわけではないけれど、ガチャガチャのコーナーで見るサンリオのキャラクターたちはみんなで大集合してコロコロと横に並んで写っているせいか、とても愛らしく見える。
そんな中で、ふと押ボタンくん光るVer.というガチャガチャを発見した。
はじめましてだから、そもそも光らないVer.を知らないのだけど、
光るのか。
ガチャの見本の表示には暗闇の中で光っている押ボタンくんたちがこちらを見ている。
5体の押ボタンくんたちは、よく見るとそれぞれに少し違うらしい。
電光掲示板には、
「おまちください」
「おかしください」
「おはしください」
「ほめてください」
「やめてください」
とそれぞれ書かれている。
ふ〜ん。どの子が出たら嬉しいだろうか?
どこに付けたら、どこに飾ったらかわいいだろうか?
そんな事を考えながらしばらく辺りをうろうろ歩いていたけれど、
結局決意して五百円玉を入れていた。
というか、入れようとしていた。
100円しか入らないらしい。
しょうがないから店の両替機に五百円玉を入れた。
が、戻ってきてしまう。
何度かやってもコロンと落ちてきてしまうので硬貨をしげしげと見てみると、その五百円玉はやけにぴかぴかとおもちゃのよう輝いていて、令和5年と書かれていた。
諦めて店の外に出た。
また町中で出会ったら押させてもらうぜ。