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中国に行ったらもう一度食べたい(料理じゃない)食べ物

先週の記事はたくさんの方に読んでいただき、多くの「スキ」をいただくこともできて驚いています。記事のご縁に感謝しています。

この記事の中でご紹介した『中華満腹大航海』を読みながら「私にも同じような料理はないものか」と考えるようになりました。
が、残念ながら私のささやかな中国旅行の中では思いつきませんでした。
中華料理は美味しかったけれど、それは一緒に旅をした人たちの笑顔とセットで覚えているもので、味ではないんです。

でも、考えてみたらちょっとだけあったのです!
ただし、料理ではありませんが。「もし、またその土地に行ったら必ず食べたいもの」がありました! 
というわけで、「中国でもう一度食べたい、料理じゃない食べ物」をご紹介します。
すべて同じ旅行の話です。

青海の金色の蜂蜜の話

夏になったら青海や敦煌に行こう、というツアーのお誘いを受けたのは数十年前のことだ。幸運なことに、その夏は仕事がちょっと少なかった。こんな旅には二度と行かれまい。お誘いを受けて旅をした。

バスで青海省の省都西寧を出発し、青海湖をめざす。いつのまにか一面の菜の花畑になった。うちのまわりにも菜の花畑はあるけれど、規模がぜーんぜん違う。バスがずっと走っていくけれど、その間ずーっと菜の花畑。見惚れた。
当時の写真は残っていないけれど、青海省の素敵なサイトを見つけたので貼っておく。こんな感じ。

道沿いに、現地の人たちが菜の花の蜂蜜を売っていた。バスを止め、蜂蜜を買った。旅の大事な目的の1つだ。皆が日本からペットボトルを持参していた。菜の花のような薄い金色の蜂蜜で、日本で買うものよりもさらさらしていた。

ツアーの共同会計で小さなペットボトル1本分の蜂蜜を購入した。朝飯の時に使いませんか、ということで。
さっそく翌朝、マントウにはちみつをつけて食べた。美味しかったなあ。

山で食べた白蘭瓜の話

ある日、「今日のお昼はお弁当です」と言われた。それまでは移動中もどこかの食堂に寄っていた。この日は山を越えていく日で、昼頃の通過地には何もないらしい。
山道の途中で遠足のように食べた素朴なお弁当は美味しかった。
ただし、お弁当は蒸しただけの野菜がメインの素朴なものだった。景色や空気が素晴らしかったから美味しく感じたんだろう。
ガイドさんは素朴すぎるお弁当の後に素敵なデザートを用意していた。
出かける前に市場で買っておいた白蘭瓜である。日本では見たことがない大きな黄色っぽい瓜である。日本で見かけるメロンよりもずっと大きい。ガイドさんはこれを肩に担いで持ってきて、バスに乗せておいてくれた。

このツアーに誘ってくれた職場のおじさんは「中国って西に行けば行くほど瓜が美味しくなるんだよなあ」と言っていたけれど、その瓜が出てきた。
新聞紙をひいてその上に瓜を置き、小さなナイフをプスリプスリと刺して切り分ける。切った途端に甘い上品な香りが広がった。
美味しかった。みずみずしい。口にいれると甘いことよりも香りが素晴らしい。確かに中国の瓜は美味しい。

張掖の杏皮水(杏皮茶)が懐かしかった話

張掖という街に寄った。賑やかな街で驚いた。
街の中を歩いてみるとあちこちに「杏皮茶」という張り紙があった。日本でいえば、「かき氷」とか「冷やし中華始めました」みたいな張り紙だ。飲んでみたいと頼むとガイドさんが専門店!に連れて行ってくれた。

ちょっと薄暗い店に入る。湯呑み茶碗のような器が用意され、店の人がやかんに入った「杏皮水」を注いでくれた。なんだか面白い。
湯飲み茶碗に入っているけれど、けっこう冷たい。お茶ではなく、ジュースに分類できる味だ。甘ったるくなく、酸っぱい。あっさりしている。
子どもの頃、夏になると祖母が作ってくれた「梅ジュース」みたいな味だった。(祖母は梅肉エキスを自分で作り、これを溶かして砂糖を入れたジュースを用意してくれていた。)
なつかしい。ジュースよりもあっさりしていて飲みやすい。
「ホテルの朝食なんかに用意されていたらいいのに」と言ったら「そういう飲み物ではない」と言われてしまった。

西寧でヤクのヨーグルトを食べた話

旅の終盤、再び西寧に寄った。
いい旅行だったなあと満足感に浸りながら、残りの旅を楽しんでいた。
バスでの旅だった。車窓から見える風景の中に、ヤクという家畜がよく見えた。山の上の方に黒いポツポツしたものが見えて、なんだろうと思っているとヤクだった。黒い大きな牛みたいな動物だ。

このヤクの乳で作ったヨーグルトが美味しいらしい。近くに有名な店があると聞いて、これは行くべし!ということになった。
ただし、この時の旅行では体調を崩す人も多かった。スパイシーな料理が続き、長旅だった。お腹の調子が悪い人もいて、「残念だけど無理だなあ。無念!」という人もいた。
私は幸いなことに、体調が回復していた頃だった。元気な人たち数人で、このお店に食べに行った。

店に入ってみると、「ヨーグルト」という名称で想像していたものとはちょっと違った。どんぶりになみなみと「ヨーグルト」が入っている。これが平たいアルミトレーに並べられていた。
少し黄色っぽい。上がちょっと固まっている。あっさりしていて食べやすい。
他の人と一緒におかわりを頼んで半分ずつ食べた。

記録すること

今回の記事を書くために、あの旅行のことを思い出そうと頭のすみずみ、舌のすみずみまで回転させた。
さらに、ツアー後にまとめた紀行文集も本棚の奥から引きずり出した。私は当時も食べ物の話ばかり。他の皆さんの文章も読み、あれ、こんなことあったかな? と懐かしかった。あの頃は、紀行文を書くの!?と驚いたものだが、やっぱり書いておいてよかった。
記録しておくって大事だ。
あんな旅行が再びできるとは思えないけれど、行くことができたらもう一度食べたい。


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たか
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