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AVGO
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このnoteの記事結論
結論
AVGO
AI半導体需要の増加を背景に業績を上方修正し、今後も成長が期待される企業。
1. **業績上方修正
- AI関連半導体の需要増加により、通期売上高を100億ドルから115億ドルに引き上げ。
2. **AI半導体分野の優勢
- **AVGOのASIC**:特定用途向けで世界シェア約6割。
- **NVDAのGPU**:高性能だが高価。
- **主要顧客**:MSFT、GOOGL、AMZN、METAはAVGOのASICを好む。
3. **データセンターとエッジAI**
- **学習**:大量データ処理にGPUが適する。
- **推論**:リアルタイム処理にASICが効率的。
4. **買収とエコシステム強化**
ASICの開発環境を強化。
- 将来的にASICの普及で業界の勢力図が変わる可能性。
総括
AVGOはAI関連の成長が期待される有望な銘柄。
しっかり読みたい人向け
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AI向け半導体の旺盛な需要により通期業績見通しを上方修正*
AVGOは、AIブームの恩恵を受ける企業として脚光を浴びている。ウォール街のアナリストは、エヌビディア(NVDA)に次ぐAI関連の成長企業として期待を寄せる指摘している。そのために注目度が高いのは、NVDAのGPUに同様の特定用途向けAIアクセラレータなどのAI関連半導体。AI向け半導体の需要を背景に、AVGOは24/1期通期の売上高を上方修正。従来の100億ドルから115億ドルに引き上げている。
AI用半導体分野ではNVDAのGPUとAVGOのASICが優勢
AVGOはASIC(エーシック:特定用途向け集積回路)のリーディング・カンパニーで世界シェアの約6割を占める。NVDAのGPUは高性能で汎用性が高いが、価格も高く特定の用途に最適化されておらず、顧客によっては専門の半導体をデザインする方が合理的と考える。だからこそ、MSFT、GOOGL、AMZN、META等はNVDAよりもAVGOのASICを好む傾向にある。
データセンターやエッジAIの開発モデルもGPUとASICがメインに
AI開発プロセスは大きく「学習」と「推論」の二つに分かれる。「学習」は大量のデータを処理するためにGPUが適している。「推論」は実行モデルを使ってリアルタイムに処理するため、ASICがより効率的である。現時点では、ソフトウェア群「CUDA」を自前で揃えるNVDAのGPUに比べ、AVGOのASICの開発環境は相対的に劣っている。
買収を通じてエコシステム構築強化、電力消費問題の解決にも寄与
AVGOは18年にCAテクノロジーズ、19年にシマンテック、23年にはvmware等ソフトウェア企業を相次いで買収し、ASICの開発環境を強化している。半導体とソフトウェアの融合・シナジーによる開発エコシステム構築が進展すれば、ASICは今後、一気に普及し業界の勢力図を大きく変える可能性を秘めている。高性能化と低消費電力の両立が可能なAVGOのASICは、将来的に大きく化ける可能性を秘める銘柄とみる。