『畦道(原案)』

何だか懐かしい匂いに誘われて
私は
奥行しかない畦道の始まりにいた

一つのカカシに目がついた
一際美しく 哀し気で・・・

何だか懐かしい匂いに誘われて
カカシの胸に飛び込んだ
知っている
この匂い・・・

私の母であった

私は思わずゲロを吐いた
田園の泥に見間違うほどの醜いゲロを・・・

かつての母乳
かつての離乳食
かつてのマルボーロ
かつての誤飲した10円玉

カカシの母は 変わらぬ微笑で私を見ていた

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