『黒服の紳士』

「死にたくなったら言ってください」

と黒服の男がわたしに言った
おはようの代わりであるなら
なんとも重い言葉

朝から巨大なトマホークステーキが
食卓に並べられているような

金と家と好みの女と娯楽が
キレイに並べられている
真っ白な閉鎖空間で
目が覚めた

どれも手に取れる
温度がある
重みがある

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