『マンションの大きな守り木』C・Yさん 生徒作品
マンションの住人たちを一つにする大きなもみの木は、まさに「マンションの大きな守り木」の名を受けるにふさわしいと思います。
今現在、この作文を書いてから少し時間がたっていることでしょうが、またボタンは押せましたか?
『マンションの大きな守り木』
少年少女にとって木とは、どんな時も見守ってくれる家族のような存在である。
私にもそう言えるような気が一本ある。
その木は、私の住むマンションのシンボルツリー、大きなもみの木だ。
私のマンションでは11月にイルミネーションを点灯する。
大小色とりどりのかざり、木々が光に包まれるイルミネーション。
色々なかざりが光るなか、私が一番気に入っているのは、マンションの中心に植えてあるもみの木だ。
そのもみの木は、くるくると螺旋状にライトがかざられている。
まるで、住民たちの願いが一つ一つかざられているようだ。
毎年、選ばれた子どもたちが、イルミネーションを点灯するスイッチを押すことができる。
私も一度だけ小学3年生のときにスイッチを押したことがある。
スイッチを前、「失敗してはいけない」そう思うとだんだんこわくなってきた。
「せーの!」みんなのかけ声といっしょにスイッチを押した瞬間、光に包まれた木に命が宿ったように見えた。
一瞬のことだったが、みんなの顔が木といっしょに明るくなった。
私も成功してうれしかった。
もみの木は大きく、その幹は両手で抱きかかるほどの大きさだ。
マンションの木の中で一番大きいもみの木。
まるでマンションを守ってくれている管理人のようだ。
年に一度、マンションとそこに暮らす人々を大きく照らしてくれる。
今はコロナで、スイッチはおせなくなってしまった。
でも、コロナがおさまったらスイッチをまた押したい。
講師コメント
今回、「Cさんの木のある風景」を書いてもらいました。
お友達と木に登った話し、おじいちゃんおばあちゃんの家で育てているブルーベリーの木の話、いろいろな思い出を語ってくれました。
作文にはマンションのシンボルツリーとクリスマスのイルミネーションについて書いてくれています。
ツリーを輝かせている光の一つ一つが、みんなの願いだと、Cさん幸せな気持ちが伝わってくる素敵な作文です。
「木のある風景」が収録されている『小さな町の風景』