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『長野での思い出』A・Mさん 生徒作品

 季節が巡る度に目にする光景でありながら特別な光景でもある、冬の長野の情景を描いた心温まる作品です。


『長野での思い出』

 私は毎年、冬になると長野にある祖母の家に行く。そこは結構山奥なので雪がひざくらいまで積もる。そのため、窓から見える景色はすべて雪景色となり、夏の緑が生い茂る光景と違い、幻想的な雰囲気になる。
 年末が近くなると親戚を呼んで、一緒に過ごず。電波がとても弱いため、祖母や叔父なとの大人たちは、ストーブの前で喋っている。しかし私と姉は二人で外に出て、雪だるまを作ったり雪合戦をしたりするのが小さい頃からの冬の習慣になっている。
 二人とももう大学一生と高校生になってしまったけれど、その時は子供の頃のように追いかけっこをしたり、そりで滑ったりするのが冬の醍醐味だ。
 冬になって、普段はケンカはかりしている姉と一緒に雪遊でをするのが私の毎年の冬の光景であり、大切な思い出だ。

リテラの先生からのコメント
心温まる文章ですね。静かで幻想的な雪景色の中、家族との時間が流れていく様子が目に浮かぶようです。

長野の山奥にあるおばあさまのお家は、冬になるとまるで絵本のような世界に変わるんですね。その中で、小さい頃から姉妹で雪遊びを楽しむ姿が、なんとも微笑ましいです。大学生と高校生になった今でも、子どもの頃のように雪で遊ぶひとときがあるというのは、特別なことだと思います。

普段はけんかばかりしていても、冬の雪景色が二人をまたつなげてくれる――そんな冬ならではの魔法のような時間が伝わってきます。この光景が、文章から優しく流れてくるようで、読む側も心があたたかくなりました。

雪の冷たさの中に、人と人とのぬくもりや、かけがえのない思い出が溶け込んでいる――そんな冬の魅力を感じさせてくれる素敵な作品です。

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