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Netflixで『そばかす』観ましたー。(ネタバレなし)
村上春樹さんの短編小説『ドライブマイカー』の実写映画に出演されていた三浦透子さん初主演の映画『そばかす』観ましたー。以前、NHKで高橋一生さん主演の『恋せぬふたり』というドラマが放送されていました。
他者に恋愛感情も性的欲求も抱かない「アロマンティック・アセクシュアル」の男性を扱った作品でした。
本作は、三浦透子さん演じる30歳の女性がこの特性を備えており、興味深い作品でしたので記録しておきたいと思いました。
個人的な評価
ストーリー A
脚本 B
構成・演出 A
俳優 A+
思想 B+
音楽 B
バランス B
総合 A-
S→人生に深く刻まれる満足
A→大変に感動した
B→よかった
C→個人的にイマイチ
内容のあらすじ
内容的には、コールセンターで働く30歳の女性”そばかす”こと蘇畑佳純が、男性に興味が持てず、同性愛者でもなく、かといって人付き合いが嫌いなわけではないという自分に悩むところから始まります。
佳澄はそれなりにモテて、職場の飲み会にも参加しますが、極力自分からは話さず受け身の会話に徹します。その席で趣味について訊かれたので映画と答えると、「今度、ふたりで映画を観に行きませんか?」と、誘われますが『何で私と一緒に行きたがるんだろう…』という訝しむ表情を浮かべ、沈黙という形で断ります。
佳澄は実家に両親・祖母・妹と共に暮らしています。妹が医師と結婚して妊娠しているのもあって、焦った佳純の母親は佳純も一日でも早く結婚させようと勝手にお見合いの段取りを組みます。
服を買いに行こうと騙されてお見合いの席に連れ出された佳純は怒って帰ろうとしますが、お見合いしないなら家から追い出すという母親の言葉に仕方なく言うとおりに従います。
結果的には、相手の男性も同じような状況で、そのうえ佳純が通うラーメン店の店主だったこともあり、交際することになります。
順調に仲良くなり、遊び友達としてはいい関係を築いていく佳純ですが、いざエッチしようという雰囲気になったときに佳純は相手のキスをスウェーして避けてしまい、そのせいで関係は破綻します。
相手の男性を傷つけたことで自分も傷ついた佳純は、砂浜で海を眺めて無為に時間を過ごす日々を送ります。すると、中学時代特に親しいわけでもなかった同級生・世永真帆(前田敦子さん)が偶然通りかかり、キャンプに誘ってくれます。
どうやら、彼女も何か事情を抱えて人生に悩んでいる様子でした。
果たして、男性に対して恋愛感情も性欲も抱けない佳純は、30代以降の人生をどのように歩んでいくことを選択するのでしょうか。
補足知識&感想
アロマンティック・アセクシュアル
→アロマンティックとは、恋愛的指向の1つで他者に恋愛感情を抱かないこと。アセクシュアルとは、性的指向の1つで他者に性的に惹かれない、性的欲求が向かないこと。恋愛感情も性的欲求も抱かない人を、アロマンティック・アセクシュアルと呼ぶ。
ロマンティック・アセクシュアル
→他者に恋愛感情を持つことはあるもの性的欲求は抱かない人のこと。「ロマアセク」と略することがある。
アロマンティック・セクシュアル
→性的に惹かれることはあるが、恋愛的に惹かれることのない人のこと。
ヘテロロマンティック・パンセクシュアル
→性別を問わずあらゆる人に性的魅力を感じるが、恋愛的に惹かれるのは異性だけだという人のこと。
恋愛感情と、性的欲求と、人として好き、自分にとって大切な人、という異性に対する精神活動の性質とレベルが混ざらずに分かれている人がいるのだなーと学べる作品でした。
若い男性は性欲を、若い女性は恋愛感情を重視するのは自明の理ですが、加齢や人生経験と共にそれらの傾向は段階的に変わっていく人がほとんどだと思います。
恋愛感情も性的欲求もない場合、おのずと『人として好き』が最重要視されることになりますが、性的な関係なくして異性と確固たる絆を作るのは困難にも思えました。