prime videoで『いつか読書する日』観ましたー。
はじめに
prime videoで田中裕子さん、岸部一徳さん主演の『いつか読書する日』観ましたー。約20年前の映画で、中年の独身女性を主人公に、青春時代に交際していた同級生と彼の病床の妻との関係を中心に、背景には介護、認知症、児童虐待などが描かれた人生の不如意を下敷きにした恋物語作品でした。
個人的な評価
ストーリー B
脚本 B
構成・演出 A
俳優 S
思想 A
音楽 B
バランス B+
総合 A
S→人生に深く刻まれる満足
A→大変に感動した
B→よかった
C→個人的にイマイチ
内容のあらすじ
幼い頃に父と死別し青春時代に母も失った大場美奈子(田中裕子さん)は、未郷の町で未婚のまま50歳を迎え、早朝の牛乳配達と昼間のスーパーのレジ係で生計を立てています。彼女には親しく付き合っている亡母の友人(渡辺美佐子さん)がいるが、彼女の夫(上田耕一さん)は認知症の初期にありました。
一方、高校時代に美奈子と交際していた同級生の高梨槐多(岸部一徳さん)は、役所の児童課に勤務し親の虐待を受けている児童の保護にあたっています。彼には余命いくばくもない病床の妻の高梨容子(仁科亜季子さん)がおり昼はヘルパーを雇っていますが、夜は彼自身が献身的に介護をしています。
二人は青春時代に運命のいたずらで仲を引き裂かれた暗い過去がありました。美奈子の母親(鈴木砂羽さん)と高梨の父親(杉本哲太さん)が不慮の事故死をとげ不倫関係が世間の明るみに出てしまい、以降は互いの恋愛感情を封印するのが最善と考え、相手を無視しつつ別々の人生を歩んで来ました。
しかし、美奈子は50歳を迎えたいまになって、その想いをラジオへ密かに投稿してします。
ある日、高梨宅に配達時、牛乳箱に自分宛のメモを見つけます。容子からの手紙で「会いたい」と書かれていました。不信に思いつつ訪問する美奈子に容子は「夫は今でもあなたを慕っているので、私が死んだら夫と一緒になってほしい。それが最期の願い」と告げます。容子には二人の感情が見えたのでした。
唐突な内容と頼みを受け激しく動転する美奈子ですが、容子は死期を迎えることになります。葬儀も終え一段落し高梨を誘い、お互いの親の事故現場を訪れた二人は今までの積年の想いを伝えます。そして初めて結ばれたのですが…。
感想
自分の運命を受けて入れ、不満を口にすることもなく、それぞれ別の人生を真面目に生きてきた恋人の男女が、年齢的に中年期を迎えて過去の思い残しと対峙する作品でした。
日本映画独特の余剰感と空白感に満ちていて、言葉にできない人生の醍醐味に終始溢れていました。人生をどう生きるか、人生を誰のために使うのかを考えさせられました。