ルビーナどこにもないよ!
母が更年期障害と診断されたのは、二年前の冬のことだった。年齢的なこともあり、医師の勧めで「ルビーナ」という漢方薬を服用し始めた。それは母にとって、まるで救いの秘薬だった。服用を始めてからというもの、以前のような不快な症状が和らぎ、母の表情は穏やかさを取り戻していった。
だが、突然その薬が手に入らなくなった。薬局を何軒も回ったが、どこも「品切れです」「入荷の見通しは立っていません」と言われるばかり。焦りと不安が募った。母の症状が再び悪化するのではないかという恐怖が、私の胸を押しつぶしていた。
ネットで調べると、どうやら製造元のアリナミン製薬が供給に問題を抱えているらしい。私はこれまでの経緯と、今後の販売再開の見通しを知りたくて、彼らにメールを送った。
「母が更年期障害でルビーナを服用しているのですが、販売中止により入手できなくなって困っております。いつ頃販売再開して、品切品薄状態が解消されるのか気がかりです。お教えいただけないでしょうか。よろしくお願い致します」
返事が来るのを待ちながら、私は母の横でただ祈ることしかできなかった。再びあの薬が手に入る日が来るまで、どうか母が耐え抜けるようにと。