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下手くそな言葉でも、伝えたい気持ちは伝えた方がいいし、伝えたいと思ってもらえる人でありたい


ハスの花の咲き方
 ハスの花の寿命は四日である。六月下旬から九月上旬まで八旬に亘って咲く。蕾が水面に現れてから約二十日の後に開花する。
第一日 夜半には蕾んでいるが、三時頃になれば、外側の花弁から漸次にゆるんで来て、午前五時頃から同十時頃まで、直径一乃至三糎許の口が開くが、それから後は蕾んでしまう。(......)
第二日 外側の花弁は夜半ごろから動き始め、三、四時頃に蕾の頂端が開き、七、八時頃に満開となり、それから十時頃まで咲いているが、正午頃には全く蕾にかえる。この蕾と第一日の蕾とは形がちがう。即ち第二日のものは大きくて丸味がある。
第三日 第二日よりも早く夜半から動き始め、三、四時頃に蕾の頂端が開き、七、八時頃に満開となる。それから段々に閉じるが、夜になつても蕾とならない。
第四日 夜半より早朝に至るに従い、漸次に開き、七、八時頃満開となる。天候により遅速はあるが、此日の中に散華する。

 雄蕊の葯が破れて花粉の飛び出るのは、二日目の早朝である。(......)この後、約二十日で果実は褐色となり始めた。この時には、既に果実は発芽の能力を有する。

ハスを語る(大賀 1954)

こんにちは、はらのです。
花は咲いたら必ず枯れるように、人と人も、出会えばいつか必ず別れを経験します。
私も先日、青空が広がるよく晴れた日に、大切な人とお別れをしました。
 
その人との思い出は、自分の胸に大切にしまっておくことにして。
今回は二千年もの時を渡って花を咲かせた「大賀ハス」と呼ばれる植物と自分の話を交えながら、出会いと別れについて、今回自分が考えたことをお話していこうかなーと思います。
 

東南植物楽園にて撮影したハスの写真。にしても、めっちゃ晴れてるなあ

 
大賀ハスの話に入る前に、ハスの基本情報を確認していきましょう。
 
上の引用にもあるように、ハスNelumbo nuciferaは水の中に根を張り、6月下旬から9月上旬に花を咲かせる植物です。ひとつの花の寿命は四日間。午前中に花を咲かせる植物です。
ハスの仲間には、ピンクや白色の花弁をもつハス(学名Nelumbo nucifera)と薄黄色の花弁をもつキバナハス(学名Nelumbo lutea)の2種があり、日本で観察できるのはピンクのハスであるN. nucifera。ハスN. nuciferaは東・南・東南アジアと北オーストラリアに分布し、キバナハスN. luteaは北アメリカに分布しています。白やピンクのハスに慣れていると、黄色のハスに違和感を抱くのは、私が日本人だからですかね??

Nelumbo lutea - Wikipedia
 
ちなみにハスは、同じく水の中に根を張るスイレンとよく混同されますが、ハスとスイレンは異なる植物です。レンコンが食べたくなったらハスを育てましょう。
 
ハスとスイレンの見分け方として、
「水面から茎を上に伸ばして花を咲かせていたらハス、水面で花を咲かせていたらスイレン」
という話をよく聞きますが、その認識はちょっと危険です。
 

東南植物楽園にて撮影したネッタイスイレン。お前ら水面で花咲いてないやんけ!

 
こちらはスイレンの仲間であるネッタイスイレンたちの写真。
見事に水面から茎を上に伸ばして花を咲かせています。完全なる裏切り行為、、!
 
ではハスとスイレンを見分けるときには、どこをみればいいのでしょう?
二つの写真を並べてみましょう。
 

左がハスで、右がスイレン。一体なにが違う?

左の写真がハスで、右の写真がスイレンです。
なんとなーく、ハスの写真のほうがもっさりしている気がしますね、、!

ハスの方がもっさりとした印象を与えるのは、ハスとスイレンで葉の高さが異なるから。
スイレンの葉は水面にしかないけれど、ハスの葉は花と同様、水面から上に伸びています。
これがハスとスイレンを見分ける上で一番わかりやすい特徴。
 
ハスとスイレンの見分け方は、
「葉が水面から上に伸びていたらハス、水面で葉をつけていたらスイレン」です!


ハスとスイレンが同じ場所で生育している写真。手前がスイレンで、奥がハスです!

ちなみに花の中をのぞくと、花の構造が違うので容易に見分けることができます。
 

左がハスで、右がスイレン。ハスの花の中心部分に、なにか平べったいものが、、、!

 
こちらはハスとスイレンの花の写真。
スイレンの中心部分には似たような形のものがいっぱいありますが、ハスの中心部分には、なにやら平べったいものがありますね、、、!
 
どちらの花でも、「花の中心部分に雌しべがあり、その周りに雄しべがある」という花の基本構造は変わりません。

ですがハスでは、花の中心部分に花托(かたく)と呼ばれる平べったい構造があります。花托の中に見られる黄色い点々が雌しべの先端で、花粉を受け取る柱頭と呼ばれる部分。花托の周りでくたっとしている黄色い線香花火の集まりのようなものが雄しべたちです。

スイレンでは、雄しべと雌しべの区別が付きづらいですが、中心部分にある黄色い部分が雌しべで、雌しべの周りに雄しべがあります。上に向かってぴんと伸びた、先端が紫色の棒状のものが雄しべたちです。
 
ちなみにハスの花托は開花後に成熟すると名前が変化し、果托(かたく)と呼ばれるようになります。
果托では、かつて柱頭があった場所に果実ができて、その果実が落ち、果実の中にある種子が発芽することで、また新たな命を繋いでいきます。
 

ハスの果托。装填された果実は発砲済みなようだ。

この果托がハチの巣(はちのす)のようにみえるため、「ハチス」と呼ばれるようになり、ハチスがなまって「ハス」と呼ばれるようになったといわれています。
ざっとここまでが、ハスの基本的なお話。
 
あー、基本情報長かった、、、!
でも実はまだ、全部は押さえきれていないんですよ!
ハスの魅力ありすぎ!!!
 
その他にも、ハスの葉は水を弾く機能があってそれは「ロータス効果」って呼ばれるんだよとか、開花時に花托が発熱して昆虫を呼び寄せるんだよとか、ハスは開花時にポンと音が鳴るっていわれているよとか、積もる話はたくさんあるのですが、今回はこの辺にしておきます!
気になった方は参考文献を読んでください!
 

のびのびのび太

さてさて、ハスの話ばかりで少し疲れてきたので、ここで息抜きがてら、私の「前髪」の話をしましょう。
 
突然ですが、皆さんには前髪がありますか?
私にはあります。前髪を整えるのが億劫すぎて前髪がない時期もありましたが、似合わなかったので、ここ数年はずっと前髪ありの生活をしています。
 
前髪があると落ち着くので、そのことに不満はないのですが、髪を切ってから時間が経ち、前髪が伸びて視界に入ってくると「うざいなー」と思います。
文章を書くなど、家の中で作業をするときは、でかめのヘアピンで留めれば問題ないし、むしろそっちの方が視界良好なので、机の前で集中したいことがあるときはちょっと長くてもあえて切ってなかったりするのですが、誰かと会う約束があったり野外に出かけたりと、自分の中で「外に向かって気合を入れるぞ!」というタイミングでは、ハサミをもって鏡の前に立ち、自分で前髪を切ります。
 
そしてそういうときに限って必ず、前髪を切りすぎて失敗します。
 
もはや我ながら才能ではないか?と思うレベルで短くなります。
以前、美容室で「前髪だけ切ってください」とお願いしても失敗しました。
え、私の前髪のろわれてる??
 
しかし私の前髪が短くても大事な予定は揺るがないし、人と会う約束がなくなるわけでもなく。
 
でも私、良くも悪くも都合のいい頭をもっておりまして。
大事な予定に夢中になっていると、自分の短すぎる前髪のことはすっかり忘れちゃうんですよね~(あほ)
でもふとした瞬間に前髪のことを思い出して、はっと手で前髪を隠したくなる衝動に駆られる、みたいな感じ。
 
気合を入れたいときって緊張して不安になっていることが多いから、その不安を前髪の失敗に託しているのかもしれないですね(適当)
 
とまあ、私はこのように定期的にアホな失敗を繰り返し続けている人間なのですが、こういうアホな失敗って、実は周りの人って意外と気づいていなかったり、気づいていてもわざわざ触れてこなかったりするものです。
そりゃあ他人の前髪なんて興味はないし、ましてや変になっているわけだから、わざわざそこに触れるメリットはありません。
でも、そのような他人行儀な距離感が、「どうしようもない時はとりあえず笑っとけ」がモットーな私としては、少し悲しいなと思うわけです。
 
しかし以前、前髪を切って失敗した時に、程よい距離感でからかってきた人がいました。
当時は「うるせえいじってくんなwww」なんて思っていたわけですが、私はその人との、あえて失敗に触れて笑いに変えていけるような、ふざけあえる距離感が好きだったわけです。
 
もうその人は沖縄を離れて次の場所に行ってしまったので、以前のように気軽に会うことはできなくなりました。
たとえその人がいなくなっても、私は今も懲りずに前髪を切るのに失敗しています。
でももう、私の短い前髪に触れてくれる人は、この場所では現れないんだろうなあ。
前髪を切るのに失敗するたびに、そんなことを考えてしまっていたわけです。
 

うがっ

さて、上の話には続きがあるのですが、いったんここでハスの話に戻りましょう。
ハスはハスだからハスハスしているんだよという話を先ほどしたと思うのですが(そんな話したっけ?)、そんなハスの中に、二千年の時を越えて発芽したハスがあることを皆さんご存知でしょうか?
 
果実の姿で地下深くに眠っていたそのハスは、二千年の時を経てひとりの研究者に発見され、発芽しました。
発芽したハスはすくすくと成長し、今もさまざまな場所で花を咲かせています。
そのハスは今、果実の発見者の名前をもらい、「大賀ハス」と呼ばれています。
 
大賀ハスの果実の発見者である大賀一郎博士は、「ハスの果実が長命である」ことをテーマに、様々な年代のハスの果実に出会い、それらの果実を発芽させてきた方です。
大賀博士が出会ったハスの中で最も古く、二千年前の果実であると推定されたものが大賀ハスでした。
大賀ハスの発見までにはさまざまなドラマがあるのですが、そのお語は今回は割愛。

ドラマが気になった方はこちらをチェック。

千葉市制100周年記念漫画②~時を超え、情熱が咲かせた奇跡の花 オオガハス~ - YouTube

大賀ハスの美しさに酔いしれたい方はこちらへ。
花が開ききってから閉じるまでの映像がどうしようもなくえろ……えろいです(ごめん自制できなかった)

オオガハスのタイムラプス映像(花の12時間撮影) (youtube.com)

このように大賀博士は、大賀ハスの発芽までにいくつもの成功と失敗を繰り返しながらも、最終的には多くの人の協力を得て、地上から6mも離れた土の中で眠っていたハスの果実を掘り起こし、発芽に成功させたわけです。

再びハスの果托の写真。果実の写真が無いのが悔やまれる、、、!

ここでハスの発芽処理について説明します。
先ほども述べた通り、上の写真はハスの果托です。果托の穴が開いている部分にハスの果実が入っていたんだよ、という話をしました。
ハスの発芽処理では、ハスの果実の表面を覆っている果皮に傷をつけ、中にある種子が発芽するための出口をつくります。
 
さあみなさん、急に「果実」やら「種子」やら「果皮」と言われて、脳内にクエスチョンマークが生産されたのではないでしょうか?

大丈夫、書いている本人も混乱中です(それは大問題)
ひとつひとつ丁寧にいきましょう!
 
まずは果実について。
ここまで気軽に用いていた「果実」という言葉ですが、皆さんが道端で種っぽい何かを拾い、それが本当に種だったら、それは問答無用で「果実」と呼ばれます。
例外はあるかもしれませんが、「種だ!」って思っても、植物学的には「果実」と呼ばれます。......だるいですね(本音もれてんぞ)

果実fruitは成熟した子房または子房群、あるいはそれらを含むひとまとまりの構造をいう。

図説 植物用語事典(清水 2005)

いわゆる果実は、かつてその植物で「花」が咲いていたとき、花の基部にあった胚珠とその胚珠を覆う子房であったものと説明できます。
花が枯れ、子房と胚珠が成熟すると、胚珠だった部分は種子となり、子房と胚珠を覆っていた表面の部分(=子房壁)は果皮と名前が変わります。
 
ざっくり説明すると、花の基部にピーナッツの入ったチョコボールがあって、花のときには、ピーナッツが「胚珠」、周りのチョコレートが「子房」と呼ばれています。
しかし花が枯れ、チョコボールの部分が成熟してくると、ピーナッツが「種子」、周りのチョコレート部分の表面が「果皮」と呼ばれるようになり、チョコボール全体を「果実」と呼ぶようになるんだよ、というお話です。
発芽の際に実際に芽を出し、成長していくのは「種子」の部分で、種子を保護しているのが「果皮」の部分。

種子seedは胚珠が成熟したもので、中に胚を含み、ふつう、一定の休眠後に発芽する。

図説 植物用語事典(清水 2005)

果皮pericarp 子房壁が成熟したものをいい、ふつう中に種子を容れる。

図説 植物用語事典(清水 2005)

子房と胚珠が成熟すると果実になる、という話を聞くたびに、私は道端で見かけた「なぞのくさ」を思い出します。

道端で見かけた「なぞのくさ」

左側の全体写真に注目してもらうと、花弁が枯れ落ちている右側の子房は膨らみ、球状になっていますが、まだ花弁がついている左側の子房は膨らんでいないことがよくわかります。それぞれの子房の部分を拡大したのが右の2枚の写真。
そらこんだけすくすく成長したら名前も変わるよなーあ
 
(ちなみに「なぞのくさ」は、ダンドクと呼ばれる植物のようです)

再び話をハスに戻すと、ハスの果実は種子を覆っている果皮が硬くて頑丈です。
なので種子を傷つけないよう気をつけながら、果皮だけに傷をつけ、種子が外に出やすくなるように発芽処理を行います。
そうすることで、二千年間も眠りこけていたハスの果実が目を覚まし、すくすく成長して花を咲かせるわけです。

眠りねこ。やさしく起こしてね?

さて、このように大賀ハスは大賀博士によって発芽処理を施されたことで、二千年もの時を経て、長い眠りから目を覚ますことになりました。
 
この話から私が考えたのは「結局どんな生き物でも、生まれることに、生まれるものは関与できないんだな」ということです。
今回、二千年もの間眠り続けていたハスの果実は、大賀博士に発見され、発芽処理を施されたことで新たな場所で命を始めることになりました。
大賀ハスの命の場所を決めたのは大賀博士であり、そこに大賀ハスはなにも関与していません。
また、私がこの世界に生まれたのも、おそらく、私が「よし、いまから生まれよ!」と考えたからではないと思います。
 
そして生まれる事と同様、死ぬこともまた、自分の命であっても、なかなか自分や周りの人すべてが納得できるタイミングになるものではないし、全員が納得する別れなど存在しないのではないかと、今のところは考えています。
 
この話は「ひとつの命」に関する、この世界との出会いと別れについての話でしたが、「人と人」の関わりの中にある出会いと別れについても同じように、みんなが完全に納得する出会いや別れなどないのではないかな~と、今は考えています。

あなたは何日目?

さて、ここで私の前髪の話に戻りましょう。
今日も今日とて懲りずに前髪を切ることに失敗している私ですが、つい最近、過去最高レベルで盛大に前髪を短く切りすぎてしまった日がありました。
そのときは少し、いろいろと疲れていたタイミングでして。しかも翌日にかなり緊張する予定が控えていたので、「気合を入れなおすぞ!」という気持ちで洗面台の前に立ち、前髪を切ったわけです。
 
もちろん盛大にやらかしましたとも。めちゃくちゃ短くなりましたよ!!!
 
切った直後は我ながらひどすぎてひとりで大騒ぎしていたのですが、後悔先に立たず。消えた前髪は戻らず。「前髪が短くてもひとり」なんてふざけながら、でも少しだけすっきりした気持ちで、翌日の緊張する予定に立ち向っていったわけです。
 
緊張する予定をなんとか乗り越え、ひと息ついたタイミングでトイレに駆け込むと、鏡に映る短い前髪の私が目に入りました。
あ、そういえば前髪短かったんだっけ。あの場に居た人、誰も何も言ってくれなかったな。いやまあ、当然なんだけど。でも、なんだかなあ。
そのとき急に、どっと疲れが来た気がしました。
でも気にしてもしょうがないことを気にするのは性に合わないので、すぐに気持ちを切り替えます。
 
よし、やることはやったし、とりあえず友だちのとこ行こ!
 
疲れた気持ちに蓋をして、ひとまず友だちのところに逃げ込みました。
友だちと話して少し気持ちが落ち着いてきた頃。友だちがするっと一言、こう言いました。
 
「ね、なんかいつもより前髪短くない?」
 
おう?おおう??
 
友だちと話してすっかり前髪が短かったことを忘れていた私は、友だちの言葉でとっさに前髪を手で隠します。
私の挙動に、友だちは「いや、別に変とかじゃないんだけどね」と言葉をつけ足してくれましたが、私は内心、にやにやが止まりません。
そして友だちも、私の反応から私が短い前髪を気にしているわけではないことがわかったようで、あからさまにイジりはじめました。
 
そのときにふっと肩の力が抜けて、私の人生もまだ捨てたもんじゃないなあ、と思いました。
 
この世は人間関係がすべてではないけれど、環境が変わっても、また自分のことを理解してくれる人と出会って関係を築くことができていたのだなあと、少し嬉しくなったわけです。

やっぱり今日もいい天気。

さて、自分の前髪のことから、出会いや別れのタイミングについては大きく関与できないものだけれど、それまでの行動は変えることが出来ると気づきました。
むしろ人間を含めたすべての生き物は、そこの部分しか変えることが出来ないものだよなあ、なんて思ったり思わなかったり。

二千年もの間眠り続けていた大賀ハスも、大賀博士に発見されたことで予想外のタイミングで発芽したわけですが、新しく生まれた場所ですくすくと成長し、また新たな命を生み出す営みを始めることになりました。
そしてその命の営みを通して、今も、現代を生きる私たちを楽しませてくれています。

大賀博士と大賀ハスの出会いそのものに、きっと意味はありません。
でも出会ったことで「何か」が生まれたのなら、それはとても意味のある出会いであったのではないかと、私は思います。
でも仮に何も生まれなかったとしても、それもまたひとつの「意味」にはなるのかなと、今は考えています。

 
私という人間は、割と引きこもりがちで、面倒くさがりな人間です(もうご存知ですかね?)
でもだからこそ、どんな人やものでも、ひとつひとつの出会いは大切にしたいと思っています。
だから出会った相手のことはきちんと知りたいし、自分のことも知ってもらいたいなーと思いながら、いろんな人やものと関わっています。
でもそれは別に、相手のことを根掘り葉掘り知りたいとか、いつも一緒にいたいとか、そういうわけではなくて。
 
どんな相手とでも、せっかく出会ったんだから、お互いにとって一番居心地の良い距離を知るためにお互いのことを知ろうとしようよ、という気持ちなわけです。
 
そういうコミュニケーションができていれば、お互い無理なく出会い、そして別れることが出来るのではないかな、なんて思うわけです。
 
 
今回私は大切な人とお別れをしたわけですが、私とその人は、決してとても近しい距離感で付き合っていたわけではありませんでした。
でも、「これだけは伝えなきゃ/伝えたい」という気持ちは、自分なりに伝えてきたつもりです。
 
だから新しい場所へと旅立った相手に、寂しさはありますが、「ありがとう、また会おうね」という気持ちでいられているのだと思います。
 
自分の本音を相手に伝えるのがめっぽう下手くそな私がそういう風に振る舞えたのはきっと、その人が「相手のことを考えながらも、きちんと自分の知ってもらいたい気持ちを伝える」ことが上手な人だったから。

自分の気持ちを相手に伝えるのは、なかなかに勇気がいります。
少なくとも私はそうです。だって本音を伝えて否定されたら嫌だし。
特に、相手を不快にさせてしまう可能性のあることや、聞いてもらいたいけれどわざわざいう必要のない内容であれば、なおさら言うのをためらいます。
自分の気持ちを伝えることは、自分自身と、そして相手に対する信頼がないと難しいことだと私は思います。
 
でもだからこそ、まずは自分から一歩踏み出して、自分の気持ちを飾らずに伝えられる人でありたいと思いました。
新しい場所へと旅立ったその人が、私に対してそうしてくれたように。
そしてそうすることで、私もまた、相手に自分の気持ちを知ってもらいたいと思ってもらえる人になれたらいいなあと思ったわけです。

すべての人とそうなれるとは思っていないけれど、少なくとも、自分が大切だと思う人には、そう思ってもらえる人でありたいなと思っています。
 
そういう出会いと別れを積みかさねていければ、互いに無理なく、自分なりに前に進んでいけるのではないかな、なんて、まだまだ未熟な自分なりに考えたわけです。

ありがとう、またね。

さて、今回のお話はこれでおしまいです。
今回は抽象的な話が多くてわかりにくかったと思いますが、まあ、そこのところは許してください。わかりにくかった部分はたぶん、書いている本人もまだよくわかっていません。
植物の話が少なめなのが若干悔やまれますが、たまにはこんなのもいいですよね?
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それではまた!


参考・引用文献
大賀一郎,1954.ハスを語る.忍書院,東京,238pp.
公益財団法人遺伝子普及会,2023.生物の科学 遺伝 2023年5月発行号(Vol.77‐No.3): 花ハス:歴史と最新研究 ―人との関わりを紐解く,NTS,東京,80pp.
清水清美,2005.図説 植物用語事典.八坂書房,東京,323pp.


https://en.wikipedia.org/wiki/Nelumbo_lutea,Nelumbo lutea(Wikipedia),2024年8月28日アクセス.
https://www.youtube.com/watch?v=jW_-vr1By70,千葉市制100周年記念漫画②~時を超え、情熱が咲かせた奇跡の花 オオガハス~(youtube.com),2024年8月28日アクセス.
https://www.youtube.com/watch?v=WCjtp9cXAaM,オオガハスのタイムラプス映像(花の12時間撮影)(youtube.com),2024年8月28日アクセス.


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