キングダム考察797話 番吾戦結果が見えた後に垣間見えた今後の「番吾城」と「秦軍」の展望
【考察その32】
久しぶりの本編考察です。
最新話までのネタバレ、史実のネタバレを盛大に含んでます。
番吾の戦い、最新797話では結末までが見えたところまで進みました。
番吾の戦いに入る直前、丁度自分がこのNoteで
行間を読んだ予測を書くことに一番乗っていた時期で、
その勢いのまま書いてしまったのが
全く的外れな内容の、最初のこちらの記事でした。
その後、ここから王翦周りの記事を書いていく中、
王翦に関する「行間」を少しづつ拾っていくうちに、
もしかすると見ておかなくてはいけなかった根本があったかもと思って
自分では全く想像もしていなかった予測を書いてみたのがこちらでした。
前者の記事は、自分的にはノリに乗って書いていて、
「これ結構真実だよね」的に、むしろ当たってくれと
思いながら書いていたので(実は笑)
ハズレのショックがそこそこ大きく(苦笑)、
後者こそ、当初から外れることを想定しながら書いていたものの、
実際に本当に全く違う方向に外れたことにこれもショックを受け、
自分はこれ以降、絶対に予測を書かないと誓ったものでした(苦笑)。
ですがこれらの記事作成でおこなった
「今までの行間を読んでおく」ことについては
読み進める中である程度、「希望を持てる」材料になるかもと思い、
今回も満を辞して予測時期を書き起こしておこうと思った次第です。
きっと落ち込むんだろうな、自分(苦笑)。
でもそれ以上に、本編の今の展開は本当に辛い。
そして、私の書く予想は外れるジンクスがあるとしたら、
今回ここに書くことによって供養になると信じていたりもしています。
・・・実は今回書くことはそんな
「外れて欲しいこと」を書いている記事です。
(叶ってほしいことも少しだけ書いてます笑。)
結果だけ見ていただくのではなく、結果はあくまでも
「行間を読んで心に備えておく」目的で設定したとご承知おきの上、
いつもの通り流し読みでお付き合いいただければと思います。
考察:宜安戦とのナレーションの違いによる今後の大将の展望
実は今回の番吾戦と、前回の宜安戦とは戦況が実は似ています。
宜安戦は宜安城に入る前、手前の宜司平野(※1)で、
数を削った秦軍を趙軍が圧倒的数の優位で囲み、
突破をかけた飛信隊と楽華は抜けられ(※2)、
総大将の桓騎とその側近たちも結果的に突破に成功しました(※3)が
秦軍の大半は宜司平野で掃討に遭い失いました(※4)。
番吾戦は番吾城手前の頭佐平原(※1)で広く展開して軍を配備し、
数の意味ではそれほど不利な状況ではない秦軍を趙軍が策で散らし、
中央軍を壊滅させたものの(※4)、
主力の将は削ぐも、大将の王翦は逃してしまう(※3)結果となりました。
また、中央軍以外(楊端和軍・玉鳳・飛信隊・北東部軍も?)も
退却させられました(※2)。
※1から4と、共通点をマークしてみました(笑)。
どうでしょう、似てませんか?。
で、実はさらにその結果だけに絞ると、前者の宜安戦の方について、
突破をした残軍についての対策として
趙軍がきちんと何重にも包囲していた描写となっており、(67巻60ページ)
実際に外への包囲網はこの時は抜けなかったわけで、
一方で、797話では残軍および王翦は「秦国境近くまで辿り着いた」
と言うナレーションである点を見ると、
今回の番吾の方が、前回の宜安戦と比べると、
秦軍の状況は絶望的とまではいってないように感じてしまいます。
ですが作者様は、それぞれの大将が趙軍から免れた時に、
宜安(桓騎)の際は「李牧の包囲を突破」
(67巻54ページ:助かりました的な意味に捉えられる)と
肯定的なナレーションをしたことに対し、
番吾(王翦)の際は王翦が逃げている際、
残った王翦軍の残兵が掃討されている描写時にて
「王翦軍は壊滅した」(794話:負け確定しました的に捉えられる)と
否定的なナレーションを入れてます。
そう、状況の「危機さ」と「実際のナレーション」の温度差が
そこそこある感じなのです。
おそらくですが、作者様の主張的に、
前者は「桓騎がこの後この戦いでまだ活躍します」と言う現れで、
実際にも肥下戦を仕掛けるに至ったわけでして、
後者はその流れで「王翦はこの後この戦いでは何もしません」
と言う現れとする意向なのかもしれません(苦笑)。
これは今後の展開を見るにあたって
個人的にチェックしたい事項になりました(笑)。
考察:番吾城に秘められているフラグについて
今回、本来ならばまた宜安城を攻めるつもりだった秦軍。
それを今回は王翦が六将の権限で、独自の判断(71巻41ページ)で
番吾に攻め入りました。
趙軍は、上記(本来ならば宜安城戦だった)流れで
宜安城首・袁環が軍を率い、
7万と言う大軍をもって番吾戦の趙軍左翼を担いました。(98ページ)
番吾戦開戦後は、番吾城内にあるらしき捕虜収容所の様子
(71巻198ページ)によると、土木作業は行われておらず、
その直前まで行なっていた土木作業は、壁の心の声の描写で
「番吾の外の頭佐平原には李牧の仕掛けがあるんだ」
(204〜205ページ)とあったことから、
あくまでも「城の外」の、李牧が飛信隊を嵌めた土塁と
その抜け道一連のみであったようでした。
前話の796話では、初めてこの戦に関わった番吾城の様子が描かれました。
秦軍は、山の民族の猿手族らの城壁登りからの、
メラ族による西の門突破を叶えましたが、
秦軍後続は趙右翼に絡め取られ、ほぼメラ族のみ数百の特攻だったがゆえ、
秦軍は開門を保てず、
次話の797話ですぐ城門を閉められてしまうことになりました。
捕虜たちがこの騒動を察した時のモブ捕虜の言葉でも
隠し持っていた「鍵を開ける小道具」の存在のほか、頭に入れているのは
「収容所から門までの道筋」と言ったことも、その裏付けでしょう。
番吾城自体には、李牧が土塁から出たような抜け道に相当する土木作業は、
実際にも行われていないのでしょう。
ところで。
・・・それにしても。
ここまで全く「番吾城の城主」は何をやっているのか、
全く描かれてないのが、地味に不気味に思えます。
番吾城を、周りの平原に仕掛けを造るための施設として
提供しているだけのような気がするんですよね。
もちろん城壁が破られないように最低限の警戒体制は敷いていたようですが
番吾城の軍隊は頭佐平原の戦いの盤面(72巻前書き参考)上
配置されておらず、デフォルトの軍は城に残っていると考えられるのに、
796話で一部の隊により番吾城の門が破られた連絡を受けた李牧は
即座に「中央から(兵)5千を派遣」しており、
城内の戦闘力では数百の単独小隊を制圧できないことを
認めているような気がします。
実際この城はおそらく、以前の宜安攻め前に落とした赤麗城のように
「空っぽの城」だったと言うことなのではないでしょうか。
その割には李牧がなぜ番吾城を「五千の兵」を派遣してまで
守ろうとしてる理由も分からないんですよね。
空っぽの城だったら他秦軍の撤退は進んでいるわけですし、
最悪鄴のように占拠されても、囲って兵糧ぜめで
フィニッシュできるはずです。
そのため、「番吾城を取らせないようにする」理由が今後本編で描かれて、
その上で秦軍は、戦争としては負けるものの
「番吾城を取る」ことに成功することで、
それが結果的に「李牧を失脚させる」ことに繋がるのかもしれないと、
今の段階では想像することができると思います。
いえぜひ、これについてはそうであって欲しいと願っています(笑)。
考察:歪さを露見し始める秦軍総本部
前の考察で、番吾攻めは王翦の一存であり、
本来「秦総本部」の意図するものではなかったことに触れました。
最新797話で、番吾の大敗が咸陽に伝わった描写がされました。
嬴政をはじめ、各幹部らの驚いた顔が描かれる中、
総司令の昌平君だけは、驚きの顔は省略されて失望の面持ちを
浮かべているところが描かれてます。
今回、昌平君にとっては
「だからなんで宜安を攻めなかった?」と思う状況だと思います。
自分がしたはずの指令は「宜安攻め」でしたから。(71巻41ページ)
「前回」の宜安攻め時は、赤麗城を無血開城できた時点で
趙が宜安に力を集結している可能性を本営で想像できていたにも関わらず、
「現場の将は分かっているはず」(65巻238ページ)と現場を信じた結果、
桓騎軍の大敗を招いたことに昌平君は責任を重く感じていました。
(69巻158ページ)
赤麗をとった時点で、強引にでもあの時の宜安攻めを
止めさせておけばよかったと言うことでしょう。
もしかすると今回の趙北部攻略で昌平君が描いていた「宜安攻め」は、
彼にとっては、そのことを加味した最善の攻略作戦だった
のかもしれません。
考えてみれば鄴から始まる一連の趙攻めについて、
昌平君の策で戦ってきた描写は一度もなされていません。
(鄴をとった後、魏の戦線から騰の軍を列尾に向かわせましたが
これは後方支援ですしね。)
武城&平陽攻め時の指揮系統はどうなっていたかの描写はなく、
実際どうだったかは微妙ですが、
政が捕虜10万人虐殺の断罪で桓騎を訪れた際、桓騎を許す理由として
と、政は述べていました。
つまり平陽攻めの結果は「想定外」だったことは、
昌平君が事前に描いていた策略図は別のものだった、
と想像することはできると思います。
もちろん王翦自体へは、不可能だった鄴攻略を成し遂げた
実績から培われた信頼ももちろんあるはずでしょう。
鄴への斉側からの兵站の依頼を王翦が昌平君のみに依頼したことは、
2名間の信頼の証の描写だったのかもしれません。
ですが鄴に実際に「王翦の依頼」によって食糧が届けられた報告を
受けた咸陽が皆喜びで湧き返る中、
昌平君だけはクールに眉を顰めたに留まってました。(59巻77ページ)
もちろん、彼が表情豊かに喜びを表現するような
キャラ設定でないのは確かでしょう(笑)。
ですがこれが仮に
「自分の力が及ばず、王翦にいいところを持って行かれた」憤りを
彼が感じていた表情だとするならば
・・・と勘繰ってしまっています。
結果的にこの出来事が、大将軍に現場で権限を持たせようと
政が思い切れて「六将制度」の復活に結び付けられたわけで、
言ってみれば
六将制度は、王翦の鄴の偉業がなければこのタイミングで復活し得なかった
でしょう。
史実でもそうですし、
作者様が連載前の読み切りだったり、ファン投票や公式ガイドブックなどで
ちらほら匂わせている「昌平君の秦軍離脱」が頭にあるので
そちらに引っ張られているのもあるのですが
昌平君はもしかすると、
自身が存分に策を発揮できない状況のストレスが蓄積されてきていて、
最新797話の昌平君のこの描写は、「昌平君が王翦を見限った」、
すなわち「昌平君が現在の六将制度を見限った」フラグなのではないか
とも見ることが出来るかもと思ってしまってます。
最悪・・・、
この番吾戦のあとを、
キングダムでは昌平君が秦から離脱するタイミングとして
描くのではないかと、とても心配しています😭。。。
終わりに
と言うことで、以上が「外れることを前提とした予測」と言うことで
供養が終わりました(苦笑)。
筆が滑って、しまいには
昌平君が抜けた総司令に収まるのは誰か、と言うところまで
踏み込んで書きそうな勢いでした(笑)。
もちろん史実的には将来的な丞相に収まる李斯なのかもしれませんが
この時期(まだ一国も落としていない)にはまだ
軍に近い人間が収まるのが自然ですよね。
・・・って、すっかり昌平君がいなくなることを前提とする話を
展開しなくてはならないなんて、
そんなこたぁこれ以上書きたくなく、なんとか筆を納めた次第です(爆)。
今後是非とも、「ここで供養しておいてよかった!」と
言えるような展開を期待しながら、
今後の話を読んでいきたいと思ってます。
今回はお付き合いくださいまして、ありがとうございました。