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キングダム考察 番吾の戦い(〜73巻)と朱海平原戦(〜58巻)における確定オマージュシーンまとめ

【考察その37】


73巻までの単行本全般のネタバレ記事です。


いやいや、お待たせしました。


・・・いや、待っていた人はいないよね(苦笑)。
むしろ「え、まだこのネタで引っ張るの?」って思ってる人は
少なからずいらっしゃるでしょうね(爆)。


本誌で番吾戦が連載されている最中、
リアルタイムに2つの戦いのオマージュシーンを発見した際、
それを忘れないうちにと記事に起こしてました。
そして同時に、その当時起こりうると思ったオマージュ予測も
合わせて書いてました。

↑1回目。

↑2回目。

↑そしてこちらが3回目になります。

今回、それぞれで記載した「確定オマージュ」に加え、
『オマージュ』(=インスパイア、もしくはリスペクト)ではないもの、
すなわち単なる対比やパロディ的なシーンについても
今回は合わせて書いております。


上記の記事を書いている最中は、何でもかんでもアップすると
更新が忙しなくなると思ってたんです。

ですがもう作品上戦いはクローズしているので、
総量は増えないはずである前提で書き綴ることにしました。

終了している戦いなので、文章もそれに見合うように
全体的に見直して修正しました。


そのように書き出してみたところ、細切れに多くなってしまい、
通して読むと結構長く、記事中色んな単行本に飛びまくるので
結果的に読みづらくなってしまいました。

オムニバスとして、適度に読み飛ばしながら
単行本を沢山携えて(爆)お付き合いいただければ幸いです。




考察:顕在化ずみのオマージュ


以下、一つのシーンを除き、
番後の戦い(71巻〜)で発生した時系列で掲げていきます。


■圧倒的兵力差のある片翼から開戦の口火(71巻88ページ〜)


今回、趙左翼が6万以上と分かった上で、それに対峙する
秦右翼に3万の飛信隊が配置されました。
(71巻89ページ)

前回の朱海平原では、秦左翼の蒙恬(楽華隊)5千に対し、
趙右翼紀彗軍は3万でした。(48巻100ページ)

偶然か、趙側のアドバンテージは両方でそんなに差は大きくないですね。
(前回:趙=秦+2.5万人、今回:趙=秦+3万人以上)


開戦の口火について、
前回は一応、李牧の発令で趙軍から先制した形でした。
(48巻104・105ページ)
ですがこれは明らかに王翦が「秦左翼をさっさと攻めろ」と
挑発している作戦だったことは最初から種明かしされてました。
(103ページ)

そして今回は、秦軍から。
王翦の命令で飛信隊が口火を切る形で開戦されています。
(71巻104ページ)


開戦の口火の形自体は、前回・今回で対比になってるのですが
どちらも「王翦の意向」を反映しているのは
なかなか心憎い演出でした。


■王賁と亜光における開戦前やり取り(71巻90ページ〜)


番吾戦でのここの既視感は、
ここで取り上げているテーマ(番吾戦と朱海平原戦のオマージュ)の
気づきでした。

主に3つの対比がありました。


>>第一カット:亜光が王賁の元に登場。
(前回:48巻160ページ)
(今回:71巻90ページ)

>前回
亜光がドンと王賁の横から作戦を伝えに来ました。
>今回
同じドンと現れているものの、正面から寄り、
作戦そのものではなく配置(遊軍として後方待機)の説明に留まり、
作戦そのものを伝えることはありませんでした。


>>第二カット:亜光に対する王賁の態度。
(前回:48巻162ページ)
(今回:71巻91ページ)

>前回
玉鳳における遊撃隊扱いの作戦を「愚策」と跳ね除けました。
>今回
「役割はわかっている」と言い、遊軍の位置付けを王賁はのみました。


>>第三カット:亜光の去り際。
(前回:48巻165ページ)
(今回:71巻92ページ)

>前回
亜光が作戦命令を聞こうとしない王賁に対し、
諌める言葉を去りながら述べる形でした。
>今回
お互い「武運を祈る」と称え合って場を締めました。


信の前ではいまだツンデレ兄ちゃん(当方視点笑)なのに、
王翦軍第一将に対しては大人の対応が出来ている王賁。
悔しい(?)ですが彼の大人の成長が見えたオマージュでした。


■李牧本陣の遊軍としての戦術(71巻122ページ〜)


今回、李牧が開戦前

「この戦で最も厄介な敵を早い段階で退場させれば
 趙軍が一気に圧勝できます」(71巻128ページ)
「強引に(厄介な敵を)おびき出すには私という"餌"が一番です」
(129ページ)

と言っていたことが、前回の朱海平原での

「この初日で必ず、決して覆らぬ程大局をこちらに傾ける決定打を、
 私が打ち込みます
」(49巻106ページ)

と重なって聞こえました。


実際、前回の朱海平原では李牧が

「私がそういう手を使うと知らない相手には必ず成功する」
(49巻105ページ)

と言い、自らが突撃隊となり、李牧自ら麻鉱を討ち取りました。


このことで、李牧自身が特攻する「手段」は
建前上、王翦軍は「李牧の手の内を知っている相手」であるはずなので、
今回の番吾戦で「遊軍」の役割的に「囮」の形を徹底していたようでした。


今回、亜光討伐本隊は「楽彰軍」が担っており(71巻118ページ)、
「囮」に引っかかった亜光への「特攻」の役割は
傅抵隊が担っていた(151ページ〜)形でした。


李牧本人が「餌」(囮)になること、そして
李牧が遊軍を先導して戦局を動かすこと、
それぞれが前回と今回で重っていました。


■亜光が討たれながら趙将複数と討ち合う(71巻139ページ〜)


前回、朱海平原において「亜光 vs 馬南慈+尭雲」の、
一騎討ちならぬ二騎討ち(52巻19ページ)シーンがありました。

これがあったのもあり、この朱海平原の戦いにて、
モブ将かと思われた(失敬)亜光が実はそうじゃなかったどころか
めちゃくちゃ格好いい武将にランクアップしました。


そして今回、まず775話で最初に「亜光 vs 楽彰+フーオン」と言う
亜光の一騎討ちならぬ二騎討ち再来(71巻139ページ)があった後、

その次の776話で「楽彰+フーオン」に「傅抵」も加わり
二騎討ちどころか三つ巴討ち(71巻154〜160ページ)で、
しかも生還する(とみなしていいよね?)と言う、
素晴らしいオマージュを見せてくださいました!!。

ブラボー!亜光将軍!!


■特攻隊の傅抵の挟撃が食い止められる(71巻151ページ〜)


二つ前のシーンと少し重なってます。

李牧の遊撃隊にて、傅抵は「近衛隊」を300だけ引き連れ(71巻151ページ)
李牧の護衛の意味合いで来ていた感じでした。


開戦前の配置図では傅抵は李牧本陣の前衛に配置されており
(71巻94ページ)、その際、
傅抵軍のモブ将が「今回、俺たちって」とこぼした後
傅抵自身が「多分(李牧に)一番走らされる」と予言?してました。

その予感通り、「囮」だった李牧の遊撃隊の中で
傅抵にだけ(笑)亜光への「突撃隊」になるように命ぜられ、
その責を果たしましたが(151ページ)
結果的に亜光を討つことはできず、
李牧遊撃隊を引かせる(163ページ)ことに繋がってしまったのでした。


それに対し、前回、朱海平原15日目にて、
傅抵が捨て身の王翦本陣突撃と見せかけ、
馬南慈軍の挟撃(57巻19ページ)が行われました。

ですがこの時も、王翦に一矢報いることは出来たものの
結果的に王翦を討ち取ることには繋がりませんでした。


前回、そして今回も「失敗」を繰り返したと言うことで
傅抵の立場(趙軍)ではオマージュとは言えないかもしれませんが、

秦側の目線で見れば、
前回も今回も「傅抵の突撃隊」からの挟撃は防ぐことが出来た意味で
「オマージュになった」と言えなくもないかもですね(笑)。


■李牧撤退を飛信隊が追う(71巻165ページ〜)


今回、3つ前のシーンの後続として、
李牧の遊撃隊撤退を亜光の指示により飛信隊が追うシーン
(71巻173ページ〜)に対するに、

前回は、朱海平原では李牧が麻鉱を討った後の撤退において
信ら飛信隊が猛烈に追いたて、
李牧を討つまであと一歩のとこまで迫ったシーンになります。
(49巻532話、115ページ〜)

「李牧を信が追撃する」シーン、
あればいいなと上の考察でオマージュ予測を書いたときは思っていたよ。

そう、思っていたんだけど・・・。


いやね・・・、

オマージュ希望だったのは李牧が馬の脚を緩めて信と話すシーンでして。
(49巻123〜125ページ)


・・・
格下の傅抵なんかと刃を交わす
(71巻208・209ページ)
とこなんて正直どうでもいいんだよ!!!。

・・・なんて、上の記事でこの内容を書いていた時は、
「信vs傅抵」がキングダム時間9年ぶりに見られたのに感動したと
書いた直後にこれ書いていたっていう「どっちやねん」的な、
まぁ、冗談でした(笑)。


前回は、李牧追撃は
信一人の思いつき弾丸特攻(笑)(49巻114ページ)でしたが

今回は河了貂に「行っていいか」(71巻169ページ)と
信もきちんと伺いを立てており、上記よりは冷静な判断をしていたと
想定することが出来ます。


ですが、罠については
前回は那貴もいたこと(涙)もあってか
河了貂も罠にかかる前に気がつけていた(49巻124ページ)一方で

今回は罠の土塁の占拠?をするまで
その体たらくに気が付かない状態(72巻83ページ)でした。


ここは残念ながら、信サイドにとっては
格下(笑)を相手にしたところと、罠に引っ掛かっちゃったところで、
シーンをマイナーチェンジしてしまったにすぎません。

李牧側にとってはオマージュでしたね。


■趙大将の秦将への特攻(72巻42・43ページ)


いやー、「そう来たか」としか感想出ませんわ。

秦サイド目線としては全く嬉しくないけど、
このシーンの描写を再び目にするとは本当に思ってませんでした!。


朱海平原:李牧の麻鉱への特攻(49巻94〜95ページ)
番吾戦(今回):司馬尚の田里弥への特攻(72巻42〜43ページ)

上記2つのシーン、どちらも見開きの画となっており、
特攻の様子が本当に2つの場面が重なって見え、
純粋に画に感動してしまいました!。


このシーンを最初に記事に取り上げたのは上の記事でした。
合わせて書いた予測考察では、
王翦軍としての田里弥の立ち位置を結構ディスりました。
(上の記事の中にもまだ残しています。)


なのでこの特攻でもし田里弥が倒れるようなことがあっても、
前回・朱海平原戦での麻鉱兵が復活した(49巻149ページ)ように
見せ場があると、書いた当初はとても期待していました。

結果的に、王翦を窮地から逃す殿(しんがり)を
命と引き換えとして全うした(73巻59ページ〜)ことが、
前回との対比になったのでしょう。


正直、彼には本当にこんな展開を望んでいませんでした。
しっかりしぶとく生き残ってくれると思い込んでました(涙)。
それだから筆を走らせた、以前の記事でのディスりでした。

彼と、彼の配下の戦士たちの冥福を心から願っています。


■河了貂の落馬(72巻84ページ)


これは少し毛色が異なってます。
載せようか迷ったのですが、気がついてしまったので
一応載せておきます(笑)。


これは今回、土塁を攻めさせることが李牧の罠と気がついた河了貂が
その時点でショックのあまり、止まっている馬から
自ら落馬したシーンがありました。(72巻84ページ)

なんでこんな不自然なズッコケを入れたのか、
読んだ当初はすごく不思議でした。
1ページ丸々取っており(気がついたシーン含めると2ページ)、
ページ調整かな?(爆)と思ったくらい。


前回の朱海平原では、15日目、戦況ももう山場に差し掛かった頃、
右翼を押し上げ中央の後ろに回る作戦に難儀する飛信隊のため
前線に出ている河了貂を趙将の金毛が目をつけ、
命を狙い、逃げる河了貂を矢で射ったシーンでした。
(57巻83ページ)

この時の落馬は(84ページ)、もちろん矢で射られたためであり
これ以降「こう言う失敗を繰り返してはいない」河了貂的には
一応オマージュなのかな?、と好意的に捉えることにします(笑)。


■趙重量級二将と糸凌の一騎打ち(72巻119ページ〜)


>前回
朱海平原戦では最終15日目でやっとその本領を発揮してくれた、
倉央軍の副将・糸凌でした。

まずはおそらく趙軍でも様付けされて呼ばれる
それなりのポジションと思われる共伯と言う武将を討ち取った後
(57巻72ページ)、カイネを吹き飛ばし(112ページ)、
右翼から応援に来ていた馬呈と討ちあった(113ページ)と思われます。

その後、龐煖の出現により、
脇役の彼らの戦いにフォーカスはされませんでしたが(苦笑)
その後の趙軍撤退の図の中で小さく、馬呈の撤退の様子も描かれていて、
馬呈は結構な傷を負っている様子(59巻164ページ)っぽい一方で、
糸凌は疲労は見えつつもあまり傷を負ってなさそうな描写
(166ページ)から、かなり優勢な戦闘だったのかもしれません。

ただ、結果的には朱海平原での糸凌の戦果としては
大きく挙げられるものはなかったとも言えると思います。


>今回
青歌軍第一将・カン・サロと、ジ・アガ将軍(第三将?、副将??)
とを当初は二将同時に相手をする(72巻120ページ)と言う
猛者っぷりはめちゃくちゃ迫力でした。

流石に途中、田里弥の隠し刀である
申赫楽と山秀の加勢もありつつも(136ページ)
今回は見事、ジ・アガと言う重量級将を討ち取る戦果を
あげることが出来たのでした。(159ページ)

片腕を失うと言う代償は大きかったですが
失うはずだった命が救われたことは、本当に本当に感激してしまいました。


余談ですが、この「糸凌が片腕を失う」流れ、
直前の例の殉職者回想サービスにて、カン・サロがジ・アガと昔
手柄を競って揉め、ジ・アガが殺し合いで決めると喧嘩をふっかけた際
カン・サロは

「闘れば俺が勝つが、腕一本くらい失いそう
 銀一枚とは割が合わん」(150ページ)

この回収を最初から見越した展開だとばかり思っていたんです!!。

でも作者様が73巻後書きにて、
糸凌を突如生き残る設定に変えた時にはすでに左腕を失っていたように
書かれており、すなわちこの回想エピは偶然たまたまだったと言うことに
本当にびっくり感動したのでした!!

キングダム作者様にお憑きのライブ神さま、
本当にありがとうございました!!!。
(神様がもはや何なのか意味不明ですまん😓)


■王翦本陣への趙将急襲に味方将の援けが間に合う(72巻192ページ〜)


ここはオマージュすべきかどうか、めちゃくちゃ書いている最中も
迷いまくってたところでして、
直近までこれはオマージュ未達として扱ってました。

ですがここは2つの戦いのちゃんと立派な共通項でしょうと
今回シーンとして無事お仲間入りさせた次第です(笑)。


【シーンA】

前回>
朱海平原の戦い 15日目:、
王翦本軍への趙軍の猛攻(57巻615話〜)は、
傅抵の助攻から、馬南慈の「圧倒的な主攻」
「誰にも止められない」勢いで王翦に迫り(38ページ〜)、
その勢いでまさに王翦に迫りつつある時、
王翦もついに自ら矛を手にし、戦線へ降りてきました(40ページ)。


>今回
司馬尚が王翦本陣に猛進する様子(72巻192・193ページ)に
シーンが重なって見えます。

その猛進に対し、王翦は

「(促された退避に)否、
 近衛兵団、最後の壁となり私を守り抜け」(196ページ)

とその場(戦場)に留まっていることも前回と似ています。


【シーンB】
>前回
秦本陣を遠目で見、趙本陣・すなわち自分も狙われている
窮地であるにも関わらず、
李牧は「勝った」と勝利を確信していました。(57巻42ページ)


>今回
李牧が本陣で番吾城にキタリ達が迫る報告を聞いた後(72巻186ページ)、
王翦本陣にカン・サロも向かう報告を聞いた李牧が
「勝つのは青歌です」と言う
ところ(189ページ)に被ります。


【シーンC】
>前回
馬南慈軍の勢いは止まらず、傅抵らも迫ってきて、
馬南慈・傅抵どちらが王翦の首を取るかと言うところに、
十数騎で王賁が間に割って入りました。(57巻49ページ)


>今回
ついに司馬尚が王翦の近衛兵を蹴散らし、肉薄しつつある前に
やっと王翦の側近である亜光と倉央が立ちはだかりました。
(72巻202〜203ページ)
武力に関して王翦軍の双璧と言える武将でしょう。


前回の朱海平原では、救けに入った王賁に王翦は
「理解に苦しむ、愚か者が」(57巻52ページ)と蔑んでいましたが、

番吾ではこの死地に2将が入り込んでくれたことで
「勝つのは私だ」(72巻202ページ)
勝利を確信
している描写になってました。

その点からこのシーンはオマージュかな、と理解した次第です。


【シーンD】
>前回
朱海平原では左翼から蒙恬が助けに入り(57巻56・57ページ)、
そこで馬南慈に一矢報い(65ページ)、
戦況を五分に持っていくことができました。


>今回
脱出を試みる王翦と倉央が囲まれ、まさに絶体絶命かと思われた最中、
右翼から亜花錦が外で張って待機し(73巻72〜73ページ)、
王翦の脱出を決定づけました。


この最後の救世主(笑)が突進する姿、
両話とも見開きで描いてくださっているのがなんとも心憎いですね。


■王翦軍将が趙大将によって一刀両断される(73巻42・43ページ)


直前、「趙大将の秦将への特攻」の確定オマージュを書いており、
まさかこっちもオマージュになるとは想像していませんでした。


朱海平原:李牧が麻鉱を一刀両断(49巻100ページ)
番吾戦(今回):司馬尚が亜光を一刀両断(73巻42〜43ページ)

麻鉱は完全に油断している中で虚を突かれて討たれた一方、
亜光は王翦劣勢の中、王翦の盾として斬られたと言う
「武将としての矜持」が強く守られていた一刀両断だったと言う意味で
文句なしに「オマージュ」に該当するでしょう。


・・・なんですけど、本当に全く嬉しくないし、
いいシーンだった、と思いたくもありません。

「格好いい死に様だった」とは正気を保つための
言い訳くらいにしか思えません。


亜光、本気で退場すると思っていませんでした。

結果的に大外れした上記リンク考察記事(苦笑)、
ですがその内容は結構しっかりした理論武装出来てたなと自己評価しており
現在もなぜか何気にアクセス数をいただいております。
これの3番目の考察が書けたのは、
亜光が殉死者への特別回想サービス(笑)がありながら生還したと
思っていたからこそでした。

・・・ああ、でもやっぱり過去の回想は死亡フラグだったのか😭。


同じ回想サービスあった糸凌も、当初は死ぬ方向だった種明かしも
73巻後書きで作者様してたしな。
(彼女の生還は本当に感謝です!!!)


そして少しだけ、上記リンク記事の「王翦の国創立」考察は
現実味を帯びたのかもしれません。

またしても自分がしたツイートからヒントが降りてきました。


今までの王翦の「国づくり」は、
71巻155〜157ページの過去の回想から察するに、
亜光がいることを前提とした構想だったはずです。

それがこの敗戦で、足元から音を立てて崩れ落ちたのでしょう。

そんな王翦の「構想」を音を立てて壊したのは、
「青歌」と言う国を、大国「趙」の都合で
大きな犠牲を払いながら守っている城主でした。


「国」がどうあるべきか、
その中でなぜ自分が「国」を起こしたいと思えるのか。

ここら辺の王翦の考えが今後描かれるといいなと思っています。


■王賁の飛信隊(信)に対する信頼表明(73巻91ページ)


基本的に王賁と信の二人の関係については、初登場時から
水と油そのものであるように描かれ続けており、
おそらく今後もその関係はずっと継続していくのだろうと思われます。


ですが、今回の番吾は、およそ倍以上の趙軍と対峙する飛信隊に対し
敗戦決定後の脱出手助けが必要なことをいち早く王賁は案じ、

「秦が本気で列国を討って回るつもりならば
 飛信隊も今欠けさせてはならん」(73巻91ページ)

迷うことなくこの言葉を発してくれました(感涙)。


ですがこれは別にこの時初めて彼がこのように
思ったわけではなかったでしょう。

前回の朱海平原戦では、共闘で岳嬰を討つ作戦から一転し
秦右翼大将の亜光の窮地を救う緊急の判断を行った際、

「岳嬰の首はあいつ(信)に託す」(52巻17ページ)

と迷わず信(飛信隊)への信頼を表明していました。


こういう咄嗟の判断時にしか、王賁がこのような信頼を見せることは
ないのはやっぱり寂しいことではありますが、
通常時のツンデレがなくなってしまうのはもっと寂しい(爆)でしょうし
こう言う共闘の場で見られるくらいが丁度いいのかもしれませんね(笑)。


■信と羌瘣の開戦前の拳合わせ(71巻82ページ〜)


今回の開戦時まで時間を戻します。
信の

「飛信隊が一番強ェって」
「李信と羌瘣が最強だってよ」
(71巻84ページ)

という檄と共に掲げた拳に、
羌瘣が笑顔で「ああ」(85ページ)と拳を返したこのシーン。


結婚の約束をし(正確には羌瘣はまだ返事をしていないけど)
「二人が中華統一まで生き残る」ために「最強」であり続けようと
誓うような、そんな宣言。

まさにキングダム歴代最も尊いシーンとして
欠かせないシーンの爆誕でした。。。


これは前回、主海平原15日目の朝、
初めて王翦から作戦を言い渡された翌日、大一番となる戦いの直前、

信「皆で勝つんだ」「ちゃんと生き残ってな」「分かったな、羌瘣」
羌瘣「・・・了」
(55巻200〜201ページ)

と言って拳を合わせたシーンのオマージュでしょう。


朱海平原のシーン、今は何とか見られるようになりましたが、
当時、読んだ瞬間、本当に絶望しか感じられませんでした。

連載時間で約2年近く、うだうだ長い戦況の様子が描かれ、
後少し、後少しで秦の勝利が見られると期待マックスだった中、
前日、絶望的な形で龐煖が出現した中でのこのシーンでした。

龐煖の存在は飛信隊(秦右翼)では羌瘣だけが気がついている状況でした。

2回に渡る羌瘣の力強い目のアップは羌瘣の揺らぎない決意の表れでした。
ですがその決意とは

「お前の危機は私が守る」(55巻199ページ)

と、もう自分が犠牲になる気満々であることを隠しもしない宣言を
言い放ってくれてしまったのです(涙)。

信はさすがに、羌瘣のこの宣言が
「龐煖が現れる」ことだとは察していないはずですが
自分が行なって欲しい決意とは違うものであることは早々に察し
「そういうのはやめろ」ととりあえず釘を刺しました。


そして。

「皆で」勝つ、ちゃんと「生き残る」、と言う
信自身が言ったはずの、信の宣言。

「分かったな」と再び釘を刺しても、全然分かっていないのに
羌瘣は「了」と返し、信も拳を返して「分かったふり」で流しました。

・・・
結果的に、どちらも二人は守りませんでした。

信も羌瘣も「自分だけ」で戦い、
信においては命を落とす結果となり、
結果的にここは最大級の死亡フラグでした。


当時、週刊連載をリアルタイムで読んでなかったのですが
すでに出ていたはずの単行本すら先に読み進むのが
本当に辛かったのを思い出します。

結果的に二人の仲を決定づけてくれた禁術エピが描かれ、
時間は経てしまったけど、
その数年後に今回の素晴らしい拳合わせで、
前回の辛い拳合わせの記憶を上書きしてくださったことに
感謝の念でいっぱいです。

ファンを離れなくて(いや、離れてたかもしれないが苦笑)
本当によかったと、今では思っています。


終わりに


長い考察にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。


発生順は最初なのに、「信と羌瘣の拳合わせ」を最後に書いたのは、
私の中でやっぱりこのシーンが別格だったからです。

長い朱海平原の戦いの中でも重要なファクターを担っていると思っており
この辺りに絡んだ、信と羌瘣の心の動きについても
できれば言語化してみたい気持ちが今はあります。

ですが細々したシーンまとめが思いのほか重労働だったし
少し休んで、気が向いたらそちらにとりかかれればと思ってます。

もしその機会があったらまた読んでいただければ嬉しいです。


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