千葉洋平

善く生きるための方法研究者

千葉洋平

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最近の記事

短期的思考の罠

私は結構漫画に慣れ親しんだ世代である。 そして、生きていく上で必要なことは漫画から多く学んだ。 様々なジャンルを読むが、今回は『闇金ウシジマくん』の『金と銀』から学んだことを書いてみようと思う。 この二作品は人間が極限状態に置かれたときの心理や行動を描き出しており、深い洞察を与えてくれる。 この2つの作品に共通するのは、短期的な行動がもたらす結果や、人間の弱さを描いている点だろう。 『闇金ウシジマくん』では、中学生の丑嶋が転校先で後の舎弟になる「柄崎」が率いる不良グループ

    • 大人になると「遊ぶ」ことが難しくなる理由

      昔、ゲーセンで過ごす時間がとても楽しかった。 友人たちと一緒に、ただゲームに没頭し、時間を忘れて遊ぶ空間は、純粋で無邪気な楽しみそのものだった。 あの頃は、誰もが好きなことに夢中になり、競争や外的なプレッシャーに悩むことはなかった。皆が同じ目的で集まり、ただ楽しむために過ごしていた。 それが、子供時代の特権であり、ゲーセンという空間の魅力だった。 しかし、大人になるにつれて、同じように純粋に遊ぶことが難しくなってきた。それは、仕事、家庭、異性との関係など、あらゆる場面で競争

      • 自己実現は可能か?

        自己実現とは、自己概念を完成させることだと思う。 これは「笑って死ねるように生きること」と同義であると思う。 であるならば、自己実現は単なる経済的成功や社会的な評価を超えた個人的な充足感や人生の意義を追求するプロセスと言える。 私は以前。自己実現が本当に可能なのかどうかについて、懐疑的であった。 その背景には、YouTuberのHIKAKINが発信した「好きなことで生きていく」というメッセージがあった。 HIKAKINはYouTubeプロモーションを通じて「好きなことをして

        • 大切なものは法と経済の外にある

          現代社会において、法と経済は日常生活の隅々にまで影響を及ぼしている。これらは秩序と安定をもたらし、人々が安全かつ効率的に暮らすための基盤を提供している。 しかし、私たちが本当に大切にすべきもの、それは法と経済の枠組みの外にある人間関係や個人的なつながりであると思う。 家族や友人、そして地域社会との関係は、その本質において非貨幣的であり、また法律の一律な規定に収まらない、個々の文脈に根ざしたものだと思うのだ。 法というものは、その性質上、誰にでも平等に適用されるべきであるとい

          氷河期世代の生き方【人的資本編】

          生きていくには金融資本(通貨、株式、債券など)、人的資本(スキル、知識、バイタリティなど)、社会資本(友人、知名度、信用など)の3つの資本を組み合わせながら相互に投資し合い、全体として資本を拡大していくことが必要だ。 氷河期世代は特に人的資本で苦労し、そこから派生して金融資本、人的資本でも大変な思いをすることも多いだろう。 氷河期世代の私もそろそろ人生を振り返る年になったが、我々の世代には我々の世代のサバイバル方法があると思うので、その重要な要素である3つの資本、今回は人的資

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          氷河期世代の生き方【人的資本編】

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          美唄の民俗学【商店編】

          私は北海道美唄市出身だが、美唄市はかつては炭鉱産業で栄えたものの国のエネルギー政策の変更によって衰退していった市である。 今はかつての石炭産業の遺構や当時から人気があった美唄焼き鳥に焦点を当てて町おこしを狙っているようだが、それは私にはあまり魅力的に映らない。 それよりも、普通に暮らす市井の人々がどのように暮らしていたのか、あるいは暮らしているのかに興味がある。 最近、美唄でも空き店舗などを活用しておしゃれなお店が開店したなんて話を聞き、しばらくして行ってみると廃業したなん

          美唄の民俗学【商店編】

          葉隠

          葉隠というのは「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という一説が有名な江戸時代の生き方指南書のことだ。 戦国時代、志を持って戦い、そしてそして死ぬことは誉だった。 命の使い所、なんのために生きているのかを実感できていた。 しかし、戦乱の世は終わり、江戸も中期に差し掛かると、武士も官僚化し、生きる意味も死ぬ理由もなく、ただ有用性だけが重宝されるようになっていった。 そんな中、武士の生き方を説いたのが「葉隠」だった。 「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」というと、目的のために

          ブサイクは内側も外側もブサイクである

          よく「外見じゃなくて内面を見てくれ」という主張があったり、それに対して「外見は内面のもっとも外側だから、外見がよくないのは内面も良くない」という反論もある。 私は外見に気を使えないっていうのは、相手のことを考えることができない人なのだと思う。 もっと端的に言えば、自分視点が強すぎる人。 こういう人は友達も総じて少ない傾向にあると思う。 自分視点が強すぎて相手を気遣えない。 だから、人が離れていく。 人が離れていくから、フィードバックがなくなり、ますます自分視点を強化してい

          ブサイクは内側も外側もブサイクである

          MPバスター

          人間の思考力、判断力など、脳を使うための力というのは限りがあると言われている。 例えば、Appleの共同創業者スティーブ・ジョブズは、毎朝服を選ぶというところで判断力を使いたくないので、毎日同じタートルネックとジーンンズ姿を着ていたというのは有名な話だ。 実は私も毎朝決まった服を着続けている。 このスタイルはもう続けて10年以上になるが、良くも悪しくも覚えてもらいやすいし、やはり判断力を毎朝使わなくて良いというのは大きいと実感している。 私は、この脳を使うためのエネルギー

          何かを生み出し続けることは難しい

          私は、1月に1回Noteを更新することを自分に課している。 しかし、今月は全然進まず、閏年の今日、2月29日にどうしたものかと思い、思ったことをそのまま綴っている。 Noteでも何でもそうだが、何かを生み出すというのは容易いことではない。 だが、すらすらかけるときはかけるものだ。 では、どういった時にすらすらと書くことができて、どういったときに全く筆が進まないのか。 端的に言えば、問題があまりない時だと思う。 自分の中に抱えている問題があれば、そのことについてどう向き合

          何かを生み出し続けることは難しい

          ノスタルジックなものをデジタル的に再構築する

          最近、Xとかみてると昭和レトロや平成レトロというものをよく目にする。 また、私が子供の頃流行ったゲームのリメイクなどもかなり多い。 こういうのをみると、昭和や平成の時代自分が何に心を躍らせていたか思い出す。 私は北海道美唄市というところの出身だ。 美唄市はかつては炭鉱で栄えていたものの、炭鉱産業がなくなり衰退の一途を辿っている。 私が子供だった頃、美唄市は国道が通っていたこともあってか、炭鉱産業が撤退後もまだ一定程度の人口はあった。 子供もそれなりにいて、学校のクラスは3

          ノスタルジックなものをデジタル的に再構築する

          美唄の民俗学【怪談編1】

          私は北海道美唄市出身だが、美唄市はかつては炭鉱産業で栄えたものの国のエネルギー政策の変更によって衰退していった市である。 今はかつての石炭産業の遺構や当時から人気があった美唄焼き鳥に焦点を当てて町おこしを狙っているようだが、それは私にはあまり魅力的に映らない。 それよりも、普通に暮らす市井の人々がどのように暮らしていたのかに興味がある。 つまり、積極的に広報しない、ネットでは情報が出てこないようなローカルな話などに興味がある。 ジャンル的には民俗学になるのだろうか、このあたり

          美唄の民俗学【怪談編1】

          大人になると何故恋バナがつまらなくなるのか

          大人になると、恋バナが子どもの頃ほど心を躍らせなくなることが多い。 これは何故なのか。 子どもの頃は純粋な情熱と探求心で満ち溢れており、友達との恋バナに夢中になった。 しかしながら、年齢を重ねるにつれて、感情だけでなく、生活の事実、社会的地位、経済的な要因などが恋愛に絡み合い、恋バナの内容も変化していく。 これには複数の理由がある。 まず、大人の恋愛はしばしば利害や条件が優先される。 青春時代の無邪気な心境とは違い、大人になると男女共に、恋愛相手に対する具体的な要求が強く

          大人になると何故恋バナがつまらなくなるのか

          人間は神なしでは生きられない

          ユヴァル・ノア・ハラリの著書「サピエンス全史」は、人間の歴史や特性、進化の過程を深く探るものである。その中で彼が強調するのは、人間だけが持つ「虚構」を信じる能力である。この能力が人類を他の生物から際立たせ、私たちの文明を築く上での重要な要素となっている。 何千年もの間、人類は様々な物語や信仰を通じて、共通の価値観や目的を共有してきた。神話や伝説、宗教はそれぞれの文明や時代における中心的な要素として、人々の生活や文化、そして社会制度を形成する役割を果たしてきた。これらの「虚構

          人間は神なしでは生きられない

          目的と手段を逆に認識するようになる呪い

          現代社会において、私たちが目的と手段を逆に認識する現象が増えてきた。この「呪い」は、政治家や起業家だけでなく、多くの人々の心を捉えている。では、この現象がどのようにして生まれ、私たちの生活に影響を与えているのか。 この現象の背後には、人間の心理的・生物学的特性が深く関与している。短期的な報酬への魅力や社会的圧力、目的の不明瞭さ、そして私たちの日常の習慣や認知的バイアスが、この逆転を引き起こしている。短期的な報酬は、即時の満足感や遅延割引、不確実性の回避といった要因から、私た

          目的と手段を逆に認識するようになる呪い

          社会資本は期待という制約を受ける

          社会資本は、個人やコミュニティの持つ価値の中心である。この記事では、社会資本の本質、その構成要素、そしてアイドル業界や政治の世界での影響について詳しく探求する。 社会資本の本質とその深層 社会資本は、ファンや支持者との関係性を通じて構築される価値である。信頼関係、ネットワーク、協力、共有される価値観や規範、慣習はその主な要素である。しかし、その効果は支持者の目的や嗜好に大きく影響される。社会資本の深層には、人々の間の相互作用やコミュニケーションの質、そしてその関係性の持続性

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