この冬一番の寒さでも半袖の先輩
今日は全国的に大寒波だったらしい。
テレビで見る暴風雪は南国育ちの私にとって、信じられない光景だ。
大寒波で苦労している地域の方々からすると片腹痛いレベルだろうが沖縄も寒かった。
本日の最低気温は12度。
底冷えするというより、北風がビュービュー吹いて寒い。風が痛い。
もこもこのダウンジャケットを身につけて出勤する人も多い中、社内に半袖がいた。
白地にゴキゲンなピンクと黄色のハイビスカスをあしらったかりゆしウェアに夏のスラックス。
日焼けした肌にサワヤカな笑顔。
先輩のRさんだ。
私が入社して10数年、彼が半袖以外を着てるのを見たことがない。
いつもかりゆしウェアだ。
かりゆしウェアとは、沖縄の夏のビジネスファッションでアロハシャツに似た半袖の開襟シャツのこと。
蒸し暑い沖縄では、ビジネスシーンから冠婚葬祭まで広く親しまれている。
着用するのはだいたい4月から10月ごろまで。ことしは寒くなるのが遅かったので12月ごろまで見ることもあった。
とはいえ、こんな寒い日に着けている人はそう多くはいない。
職場はビジネス街でたくさんのサラリーマンが見かけるが、今日見たかりゆしウェアはRさんだけだ。
職場は暖房がない上に換気のため窓を細く開けているので、風がピューピュー入り込んで結構寒い。
ジャケット着っぱなしで仕事をしてる人もいる。
そんな中でもRさんはかりゆしウェアで、冷たいコーラなんて飲んでいる。
新年のあいさつ回りもかりゆしウェアだったらしい。
今時、小学生でも長袖長ズボンで登校するのに、いつでも半袖、かりゆしウェア。季節感ゼロ。
ある意味、常夏の島を体現しているRさん。
この季節、彼が半袖かどうか確認せずにはいられない。
観察日記をつけたとしても、毎日「半袖」と書くのだろうが、観察するのをやめられない。
彼が長袖を着てきたらどう思うのか考える。
きっとがっかりして、勝手に幻滅してしまいそう。
Rさんにとってはいい迷惑だ。
勝手な妄想で自己嫌悪したり反省したり、脳内が騒がしい。
それもこれも、この寒さでも半袖のRさんに心乱されているせいだろう。
沖縄の寒さのピークは2月前半。
Rさんを目で追う日は続きそうだ。
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