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『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』で基本の考え方が学べる

今回読んだのは『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本~人気講師が教える宣伝せずに売れる仕組み作り』
宗像 淳(むなかた すなお)著、亀山 將(かめやま まさし)著
東京:インプレス,2015年10月21日発行 初版
 目まぐるしく進化するマーケティングの世界で10年近く前の本はどうなの?とも思ったものの、基本の考え方をしっかり押さえることができた。最初にコンテンツマーケティングの全体像を押さえるには最適な、まさに「教本」。


コンテンツマーケティングとは

・コンテンツマーケティングは、顧客に興味をもってもらい、段階的に関係を深めていく点で恋愛に似ている
・米国では企業の9割がコンテンツマーケティングを実施しているという調査あり
・売り込み型マーケティングの限界▶嫌われるマーケから愛されるマーケへ
・顧客が気にかけているのは自分自身▶読者起点でコンテンツをつくる
・専門家として信頼される
・継続的に接点を維持するため、顧客ロイヤルティを高められる
・情報を自然な形で拡散できる
・蓄積したコンテンツは資産になる

コンテンツマーケティングに必要な考え方

・運営体制
・戦略的なコンテンツ(見込み客にとって有益、顧客が喜ぶ)
・コンテンツを拡散する「場所」(SNS,メルマガ、SEOなど)
・社内の理解と忍耐(即効性のある施策ではないため)

サイトリニューアルの前にやるべきこと

・自社のサイトのコンテンツの棚卸し
・不足しているコンテンツの洗い出しと強化
サイトリニューアルに大金をかけるよりそのお金でコンテンツを作った方が効果的なケースもある。

目的に応じてコンテンツを作る重要性

・コンテンツの種類(感情訴求⇔ロジック訴求、認知獲得⇔購買)
・顧客の検討プロセスに合わせたコンテンツ組み合わせ
・ニッチで濃い記事が自社の強みになる
・ホワイトペーパーで信頼を勝ち取る(制作の11ステップ P51)
・動画コンテンツのマーケティング効果は高い
・動画コンテンツは購買ポイントに近い順に整備
  製品・機能(購買検討)➡事例動画(疑似体験)➡バイラル動画(認知)
・イベントはコンテンツ制作もできる一石二鳥
・プレスリリースは費用対効果が高いコンテンツ!(企業の公式文書)
・BtoBなら、セミナーはコンテンツマーケのキラーツール

顧客視点のマーケティング戦略

マーケティング活動の各プロセスとツール

・だれの(顧客理解、競合分析、ペルソナ作成)
・どんなニーズに対して(カスタマージャーニーマップ)
・どんなコンテンツを(ジャーニーに基づいたコンテンツ設計)
・どうやって届けていくか(配信チャネル戦略、拡散戦略)
・そしてどのように長期的・継続的な顧客との関係性を構築するのか
 (効果測定、運用体制、システム/ツール)

コンテンツマーケティング戦略設計の6ステップ

①目的の設定 ➡米国参考資料(P85)BtoCは顧客維持・ロイヤルティが1位
②環境分析 ➡現状把握、自社、他社、業界、市場
③ペルソナ設計 ➡接点を持ちたいtargetは誰
④コンテンツ設計 ➡いつどんなコンテンツで態度変容促すか
⑤運用体制 ➡長期継続が重要のため
⑥効果測定 ➡目的への効果測定

KPI設計

・明確なゴール(KGI)なくしてKPIは設計できない
・KPIは、KGI(重要目標達成指標)を達成するためにモニタリングすべき重要指標
・細かなKPIは共通管理する所には出さない(チーム内のみ)

ブランド構築

・ブランドは顧客と企業のあらゆる接点で作られる
・ブランドを構築する3本の柱(企業とコンテンツに共通)
 Likability(好ましさ)、Expertise(専門性)、Distinctiveness(他者との明確な違い)
・Likability獲得には、「顧客ニーズの理解」「共感を示す」「フレンドリーさ」「正直さ」の4つが必要
・ブランドのストーリーを語る
・共感を勝ちとるコンテンツ
 ・事業への想いを語る
 ・仕事における哲学を語る
 ・プラべートを公開する
 ・価格、コストを語る(正直であること、にもつながる)
 ・強みも弱みも明確にする
 ・失敗を認めて改善する

Thought Leadership

こうあるべきだという考え・思想で、リーダーシップを発揮すること
・ソートリーダーシップの段階
 1.オーディエンスを教育
 2.他人の考えを鼓舞
 3.ソートリーダーシップの確立
 4.ビジネスメリット

ソートリーダーシップの3タイプ

1.大きな社会課題に対し、コンセプトやあるべき姿を唱えて人々を先導
 先進性ゆえ受け入れられるまで時間を要するが、後世では天才と評される
 コペルニクスやアインシュタインのイメージ
2.革新的なテクノロジーや先進的サービス提供で消費者に新しい世界を魅せるタイプ
 Appleなど
3.社会の解決すべき課題に対し、これまで誰も思いつかなかった解決策を提示していくタイプ
 海水を淡水化する技術の東レなど

ソートリーダーに求められる発想

・長期的なビジョン・・・5年後、10年後のあるべき姿を考え、語る
・次のトレンドの芽を見つけ、啓蒙
・顧客や業界全体のことを考えること
・パイを奪い合わず、パイの拡大を考えること
・最大限の情熱を傾けること
 (ビジネスに必要なのはMBAじゃない、情熱なんだ!のエピソードP180)

ポジショニングを明確に

・目指すはファーストコールカンパニー
・ポジショニングの明確化が認知・記憶の第一歩
・市場の競争原理は同質化を生む
・ポジショニングの源泉は差別化 c.f.『ブルーオーシャン戦略』
・新しいカテゴリーを作り出してトップになる c.f.シルク・ドゥ・ソレイユ

マーケティングオートメーション

「一人ひとりに最適化された体験」を人間の力で提供するには限界がある。MAは顧客の属性や行動(メールの開封やサイト訪問、資料ダウンロード、セミナー参加など)をもとに、あらかじめ設定されたシナリオに基づいたコミュニケーションを実行する。CRMと連携して顧客の行動データを蓄積することで「どこで出会ったどの人が、どんなニーズを抱えていて、どうしたら自社の製品やサービスに興味をもち、購買を検討してくれるか」ちった情報も明らかにしてくれる
・むしろマーケターの仕事は増える
 ニーズにより使い分けるコンテンツ種類は増加
 カスタマージャーニーに基づいたシナリオ設計、スコアリング設計、ステップメールの執筆も増加
 マーケターの仕事はより頭を使う部分(企画、クリエイティブ、CRMにより可視化されたマーケティングプロセス全体の最適化)へ


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