転職して、時間が増えた。これまでは、働き過ぎだったのだろう。自由な時間が少なすぎた。
空いた時間に何をしようか?と思い浮かぶなんて、ゆとりがあるというもの。
面白そうなこと探ってたら、ヴェンダースの写真展が始まってる。どこだろ。中目黒だわ。行ってみよ。
写真の展示が25点、物足りない感じは否めないが、無料なので仕方がない。その代わり、夢の涯までも制作秘話的なNHKのドキュメンタリーを放映していたので鑑賞。パリ・テキサスでは壊れた家族を題材に、夢の涯てまでもでは家族の結びつきを描く、と語るヴェンダース。
また、ベルリン・天使の詩では、人の声が聴こえる天使を描いたが、夢の涯てまでもでは人間の脳にアクセスできるテクノロジーを扱った。
夢の涯までももロードムービーであり、その道は、過去に戻る事もあればひとあし先の未来を訪ねることもある。
日本のロケ地は、雨に烟る新宿ゴールデン街、青山子どもの城、パチンコ=禅と語る遊技場、そして、北鎌倉。小津の墓前に手を合わせる笠智衆の東京画のシーンも。
小津を敬愛するヴェンダースが小津映画を失われた楽園と評していた。小津映画を愛してやまないヴェンダースは、どこかにあるパラダイスを探し続けているのかも知れない。