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写真家ヴェンダースの透明なまなざしに会いに行こう。
転職して、時間が増えた。これまでは、働き過ぎだったのだろう。自由な時間が少なすぎた。
空いた時間に何をしようか?と思い浮かぶなんて、ゆとりがあるというもの。
面白そうなこと探ってたら、ヴェンダースの写真展が始まってる。どこだろ。中目黒だわ。行ってみよ。
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写真の展示が25点、物足りない感じは否めないが、無料なので仕方がない。その代わり、夢の涯までも制作秘話的なNHKのドキュメンタリーを放映していたので鑑賞。パリ・テキサスでは壊れた家族を題材に、夢の涯てまでもでは家族の結びつきを描く、と語るヴェンダース。
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また、ベルリン・天使の詩では、人の声が聴こえる天使を描いたが、夢の涯てまでもでは人間の脳にアクセスできるテクノロジーを扱った。
夢の涯までももロードムービーであり、その道は、過去に戻る事もあればひとあし先の未来を訪ねることもある。
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日本のロケ地は、雨に烟る新宿ゴールデン街、青山子どもの城、パチンコ=禅と語る遊技場、そして、北鎌倉。小津の墓前に手を合わせる笠智衆の東京画のシーンも。
小津を敬愛するヴェンダースが小津映画を失われた楽園と評していた。小津映画を愛してやまないヴェンダースは、どこかにあるパラダイスを探し続けているのかも知れない。
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写真家としての才能に迫る。「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし」(N&A Art SITE) 第76回カンヌ国際映画祭に出品し、主演を務めた役所広司が最優秀男優賞を受賞した最新作『PERFECT DAYS 』でも国内外から注目を集めるヴィム・ヴェンダース。その個展「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし 」が、東京・目黒のN&A Art SITEで開催されている。 『ことの次第』(1982)『パリ、テキサス』(1984)『ベルリン・天使の詩』(1987)『ミリオンダラー・ホテル』(2000)など、様々な受賞作品を生み出してきたヴェンダースだが、写真家としても活動し、これまでポンピドゥー・センターやビルバオ・グッゲンハイム美術館、上海美術館など展覧会を開催している。 本展では、ヴェンダースが「究極のロードムービー」と称する『夢の涯てまでも』(1991)のクライマックスシーンから生み出された、鮮烈な色彩の電子絵画作品「Electronic Paintings」や、『パリ、テキサス』ロケ時にヴェンダースが撮影したアメリカ中西部の風景写真「Written in the west」シリーズが展示。アーティストとしてのヴェンダースの才能を会場で堪能してほしい。 会期:2024年2月1日~3月2日 会場:N&A Art SITE 住所:東京都目黒区上目黒1-11-6 開館時間:12:00~17:00 休館日:日月祝 入館無料