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$ローリングストーンズ 新作アルバム
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音楽上の特色
ローリング・ストーンズの音楽的ルーツは、黒人音楽のブルースにある。デビュー曲の「カム・オン」はチャック・ベリーのカバーである。彼らがデビューした1960年代初期、アメリカやイギリスでも、まだまだ黒人に対する差別が根強く、「ブルースのレコード・ジャケットには、黒人の顔写真を載せてはならない(黒人ミュージシャン本人の顔写真を含む)」という慣習のある州さえ多かった。こうした時代にイギリス出身の白人のグループでありながら、黒人の音楽であるブルースを心から尊敬し、影響を受け、黒人になりきって歌や演奏に表現しようとしたバンドがローリング・ストーンズである。彼らは更にブルースだけでなく、モータウンやスタックスといったレコード会社に代表される、同時代の黒人音楽も吸収した。ローリング・ストーンズの活躍は、黒人音楽にルーツをもつ、他の白人ミュージシャンが1960年代後半から1970年代初頭にかけて、米英などで多数登場するきっかけとなったともいえる。
ローリング・ストーンズのサウンドの欠かせない特徴として、その独特のリズムがある。本来バンドであればドラムとベースの絡みが重要といわれているが、ストーンズは違う。そのリズムの核となるのは、チャーリー・ワッツのドラムス、キース・リチャーズが弾き出すリズム・ギターにある。この2人が絡むことで、その独特のリズムが生まれている。ワイマンのベース、ワッツのドラムスも抜群のコンビネーションだった。しかし、1993年にビル・ワイマンが脱退して以来、リズム隊が変わってしまい、サポート・メンバーであるダリル・ジョーンズには不満を抱くファンも多い。
ローリング・ストーンズは、黒人音楽の流行を取り入れ、一部のメンバーの交替や、様々なアクシデントを乗り越え、デビュー40周年を超えた21世紀に至ってもなお、ブルース(もしくはリズム・アンド・ブルース)ルーツのロックンロールという音楽で、第一線で現役を続行している。