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$どっこい生きている(前編)


$『どっこい生きてる』は、1951年(昭和26年)7月7日公開の日本映画。新星映画社・前進座製作、北星映画配給。監督は今井正モノクロスタンダード、102分。

日雇い労働者の一家の食うや食わずの生活と絶望から再起に向けた格闘を描いた作品で、ヴィットリオ・デ・シーカ監督『自転車泥棒』など、ネオレアリズモの作品の影響が色濃く反映したものとなっている。今井監督の初の独立プロ作品で、1口50円の出資者を募集して、400万円の製作費で作られた。第25回キネマ旬報ベスト・テン第5位。

スタッフ

キャスト

作品解説

レッド・パージで大手映画会社から追放された左翼系映画人らによる独立プロ運動の最初期の作品であり、東宝争議の指揮者だった亀井文夫山本薩夫らによって設立された新星映画社と、戦前から映画製作も行っている前進座の提携で製作された。1951年(昭和26年)3月に撮影が開始されたが、撮影中に警察によって撮影用ワゴンもろともスタッフ4人が拉致されたり、共産党幹部が潜伏しているという口実で、前進座が家宅捜査され、未使用のフィルムを使用不能にされたりした。

製作資金は、一口50円の出資を大衆から集め、合計400万円となった。中にはニコヨン(日雇い労働者)がガマガエルを獲って大学の実験用に売り、寄付したというエピソードもある。本作の冒頭には「この映画は日本映画を愛する多くの人々の協力のもとに作られたものである」とクレジットされている。

フランスの俳優ジェラール・フィリップは、この作品を見て高く評価した。







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