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ウォーレン・エドワード・バフェット(英語: Warren Edward Buffett、1930年8月30日 - )


ウォーレン・エドワード・バフェット英語: Warren Edward Buffett、1930年8月30日 - )は、アメリカ合衆国投資家経営者資産家慈善家である。ジョージ・ソロスジム・ロジャーズとともに世界三大投資家としてもよく知られる。

世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイ筆頭株主であり、同社の会長CEOを務める。大統領自由勲章を受章している。卓越した投資手法から「オマハ賢人」と称される人物である。

$解説
バフェットはバークシャー・ハサウェイ等を通して多額の株式投資を行い、資産を増やした。株式会社という形態はとっていても、バークシャー・ハサウェイはパートナーシップであるとバフェットが表明している。バークシャー・ハサウェイはバフェットとチャーリー・マンガーが運営する投資ファンドに近い性質を持っていると言われている。
バークシャーは、一株当たりの内在価値を最大限に高めることを目的としている。一方で内在価値と乖離した高い株価も好んでおらず、株価は内在価値を反映した妥当な水準であることを望んでいる。
毎年の有価証券報告書 (Form 10-K) には、株価指数S&P 500とバークシャー・ハサウェイの株価の比較が載っている。バフェットが、1965年にバークシャー・ハサウェイの経営権を握ってから2015年までの約50年間に、S&P 500の上昇率が約14,000%(140倍)だったのに対し、バークシャー・ハサウェイの株価は約200万%(20,000倍)という桁違いの上昇をみせた。
運用成績は、複利計算で約21%のリターンを約50年間に渡って出していることになる。フォーブス誌によるアメリカの長者番付フォーブズ400では1986年に5位に入って以降、毎年ベスト10内に入り続けている(2008年現在)。世界長者番付ではビル・ゲイツが1994年から13年連続で1位となり[12]、バフェットは2位であることが多かった。
バフェットは、2007年に前年から資産を100億ドル増加させ、620億ドル(約6兆4360億円)となり初めて1位になった(米国内の長者番付では1993年に1位になったことがある)。バフェットの資産は、主に自身がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイの株式を通じて形成されている。
バフェットの生活は、基本的にお金を使わず、1958年に31,500ドルで購入したオマハの郊外の住宅に今でも住んでいる。バフェットは、バークシャー・ハサウェイから「報酬」として、年間10万ドルを受け取り暮らしている。
バークシャー・ハサウェイは、バフェットが経営権を握って以来「無配当」を貫いているため、バフェットは同社から配当金は貰っていない。
2006年6月に、バフェットは資産の85%に当たる約374億ドルを、5つのフィランソロピーに寄付すると発表した。
これはアメリカ史上最大の金額であり、寄付はバークシャー・ハサウェイのB株の形で、寄付残額の5%ずつ毎年支払われる。寄付のうち約310億ドル(当時B株1000万株)は、2004年からバークシャーの社外取締役を務める親交の深いビル・ゲイツが関わるビル&メリンダ・ゲイツ財団に、残りは4つの財団に寄付される。

$人物

ダイエットコークを飲みながらビル・ゲイツとカードゲームに興じるバフェット(2018年)

プロテスタントの家庭に育った。現在は不可知論者だとインタビューに応えている。地元ネブラスカ州オマハを中心とした生活を送っているため、1997年にニューヨークタイムスから「オマハの賢人」(Oracle (Sage) of Omaha)とも呼ばれる。毎年開催されるバークシャー・ハサウェイの株主総会では、バフェットと同社の副会長チャーリー・マンガーの話を聞くために、2009年5月に世界中から数万人にのぼる株主が参加すると報道されている。
$投資

バフェットは、長期投資を基本スタイルとし、1965年から1995年に渡ってバークシャー・ハサウェイに高い運用成績をもたらしている。

投資手法は固定の拘りが強く、新規業界より既存業界を好む。1990年代のドットコムブームではテクノロジー株を蜃気楼だとして、投資しなかった。しかし、バフェットも、2016年にアップル株を大量に買い付けた。更に「これまでアマゾンに投資しなかった自分は馬鹿だった」と過去のテクノロジー株への偏見があった反省を述べた。アマゾン株も買っている。

グレアムの理論がベースバフェットの投資に関する考え方はベンジャミン・グレアムの理論をベースにしている。
株式が企業の一部であることを意識し、市場に惑わされず、安全余裕率を忘れないことが重要な要素だとしている。その他にフィリップ・フィッシャーの影響も受けている。内在価値を重視当初は株価純資産倍率PBR)が1未満の株が解散価値の水準に価格修正される傾向があることから、PBRが1よりも小さい株を買い、価格修正されたところで売却し、差益を得るという方法が主流だった。
しかし、失敗した投資経験やチャーリー・マンガーの意見によって、バフェットは単に割安な企業よりも数字に表れないものを含めた内在価値が高い事を重視するようになり、普通の企業を格安で買うよりも優れた企業を相応の価格で購入するべきだとしている。
バフェットが投資する条件バフェットが投資する条件として、下記の4つを挙げている。
①事業の内容を理解できる。事業の内容が自分にとって複雑すぎる分野には手を出さないため、基本的にハイテク分野の企業などには投資をしていないがIBMAppleには高配当などから投資した。
②長期的に業績が良いことが予想される。長期的な業績を計るためには、ブランド力や価格決定力を持つことを重視している。
③経営者に能力がある。企業は事業拡張や多角化の際の誤った判断によって容易にその価値を失いトラブルを発生させてしまうため、尊敬できる有能な経営者が必要である。しかし、有能な経営者でも悪化したビジネスは立て直すことはできないと考えている。
④魅力的な価格である。バフェットにとって、株価は最後の要素である。上記の3つの要素を総合的に考えて、コストパフォーマンスが高いかどうかで判断を行う。

集中的な投資バフェットは分散投資を行わず、基準を満たす優れた企業を買収あるいは株式を大量に取得するという集中的な投資を行う。買収した企業では元の経営陣がそのまま経営を続ける。バフェットは資本の安定と適正な役員報酬によって経営者が安心して運営できる環境を提供する。バフェットの方針は経営を続けたいが企業を売却したいオーナー経営者を惹きつけた。バークシャー・ハサウェイを買収した際は新社長を登用して繊維事業の改善を図るなど、経営に介入したが上手くいかず最終的には工場を閉鎖せざるを得なくなった。そうした失敗の一方で、元々優秀なビジネスを行っていたシーズ・キャンディーの買収は成功したことから現在のスタンスが確立した。裁定取引も行うバフェットは長期投資が最も望ましいとしているが、基準を満たす投資先がない場合は裁定取引も行う。合併や買収などが公表された企業の株価と計算上の株価に差があれば、実現される可能性と期間を考慮して取引を行う。バフェットは裁定取引の場合でも少数の大規模な案件を扱う[76個人投資についての見解ビットコインについては「殺鼠剤の二乗」と表現し否定的な見解を示している。一般投資家はインデックスファンドを購入すべきだと主張し、手数料の高いアクティブ運用型投資信託に手を出すべきでないとしている。バフェットは個人に対する株の投資先についての推奨は一切行っていない。





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