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ほんまる神保町で、棚主へ⑥
2024年6月1日(土曜日)。
また来てしまった。ほんまる神保町。
当初は様子を見に行くのは月に一回くらいだろう、と思っていたのだが、なんやかんやで毎週足を運んでいる。
棚主の中にはかなり遠くに住んでいる人もいるらしく、行こうと思えばわりと気楽に行ける距離に住む私は恵まれているのだろう。
![27章07節 床上五センチ書店](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142626965/picture_pc_f84fa59d5175679e9e47c8e8f3a087f9.png?width=1200)
右端に面陳されているのは「カラオケ行こ!(和山やま)」という漫画だ。
続編の「ファミレス行こ。」が、私の住む街である蒲田を舞台にしていることからなんとなく親近感を持ち、読んでみたらおもしろかったのでこの棚にも並べた。
その「ファミレス行こ。」のほうはまだ上巻しか発売していないので、発注していない。
下巻が出たら、同時に発注してみようかな、というところだ。
それ以外はすべて小説の文庫を入れている。いまのところ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142628788/picture_pc_cce178a1a4acc0a7a20f3cc3297353e8.png?width=1200)
ありがたい。代本板はデザインするのが面倒で、最終的にはCanvaでちょちょいと作った画像をサイズも確認せずに送付したのだが、いい感じに仕上げてくれた。
念のため、QRコードも読み取ってみたが問題なく読み取れた。
発注した本も十六冊中十三冊が並んだ。残りも近いうちに並ぶだろう。
よし、順風満帆。
嘘である。順風満帆ではない。
なにせ一冊も売れていないのだから。
店内はそこそこ賑わっている。
三、四歳の男の子がいた。近くには父親と思しき男性。
賢そうな坊ちゃんに、優しそうなお父さん。
「パパ、この棚の本、全部買って!」とかねだってくれないだろうか。
そんな私の願いをよそに、坊ちゃんは螺旋階段に夢中だ。
なぜこのような形をしているのか。なぜ白いのか。なぜ鉄なのか。地下にはなにがあるのか。行ってもいいか。
よちよちと、ゆっくりゆっくり階段を降りていく坊ちゃん。お父さんも心配そうについていく。
階下から、坊ちゃんの声が聞こえる。
なぜこのような形をしているのか。なぜ白いのか。なぜ鉄なのか。上にはなにがあるのか。行ってもいいか。
子育てとはかくも大変なものである。お父さんはゆっくり本棚を眺めたかっただろうが、坊ちゃんがそれを許さない。
またゆっくりゆっくりと階段を上がってきた坊ちゃんが言う。
なぜこのような形をして(中略)行ってもいいか。
無限ループだ。
ちなみにお父さんは質問されるたびに丁寧に答えている。だが、「狭い面積を有効に活用するため」とか「強度を保つため」とか、就学前であろう子どもにするには硬質すぎる返しをしている。
店内は他にもお客さんがいるが、誰も私の棚に目を向けない。悲しい。
私が店内にいたところで売り上げにつながるわけでもないので、欲しかった本を三冊購入して店を出た。
購入したのは
千葉ともこさんから「ケルン書店Vol.1」と「私は微笑んだ」。
みきひら堂〈舳先〉さんから「青い鳥文庫ができるまで」。
せっかくなので三省堂にも立ち寄り、ぶらぶら。
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本屋大賞を獲った「成瀬は天下を取りに行く」の表紙を描いたイラストレーターのかた。
サイン本が並んでた。たしか2500円ほど。
突発的に使うには躊躇してしまうお値段。今回はスルー。
二階へ行くと芦沢央さんの「神の悪手」の文庫。これもサイン入り。590円(税抜)。やっすい。当然購入。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142756944/picture_pc_715e1c6e0694cf9b17e92cd595f62747.png?width=1200)
「撮影OK」「SNS投稿OK」と表記されている箇所がちらほらあって、時代が変わってきたのかもしれないなどと思う。
何年も前だが、千葉県某所の大型書店で「うんこドリル」の顔はめパネルの横に「写真撮影禁止」と書かれていて驚いたことがある。
顔をはめるだけ(しかもうんこドリル)で、撮影しないのはもはや奇行ではないだろうか。