素直に生きたい。
高校を卒業して、浪人という道を選んで、やっと自分のことがわかった。
そんなに出しゃばるような性格ではなかったから周りに敵なんていなかったし、特別私を嫌っている人もいなかった気がする。
高校卒業したら立派な大学に入って、立派な職業に就く。周りから尊敬されるかな、褒められるかな。そんなことばかり考えていた。この大学に受かれば、周りから認められる。今思えば、承認欲求が強かっただけで、自らの意思なんて人前にいる時しか強くなかったし、人前にいる時だけ強くなりすぎるプライドも「本当の私」の邪魔をした。あの時の私は、悪く言えば、周りに乗らされているだけだった。
浪人して、予備校に入って、色んな先生の話を聞いて、自分のやりたいことってなんだっけ、私何になりたいんだっけ、と人生の進むべき道を失った。周りは、プライドで塗り固めた私しか知らなかったから浪人という選択を応援してくれた。本当の私とのギャップがどんどん広がった。どんどん溝になって、もうプライドでも埋まらなくなってきた。その時が1番しんどかった。お金払ってもらっているから親にも言えないし、友達にもなかなか言えなかった。私は何を目指せば良いのか。これからどうすれば自分の生きたい人生を歩めるのか。相談できる場所がなくて、もうどうすればいいかわからなかった。苦しかった。でも人生を諦めることはしたくなくて、もがき続けた。結局その年の受験でも医学部には合格できず、私立薬学部への入学を決めた。
今でもこの選択が正解なのかなんてわからないけれど、自分で正解にしたいと心から思う。
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