3.新しい体
脳卒中になっても、非麻痺側はこれまでの経験をもとに動こうとします。これではまともに動けなくなるか、異常な筋緊張を生み出します。
プッシャーシンドロームは代表的です。そこまでは行かなくて非麻痺側下肢への体重移動が不十分な患者を多数見かけます。
そこで新しい体にあった動作を学習することでスムーズな動作が獲得できます。
プッシャーシンドロームを例に挙げます。
座位になった時に麻痺側側に倒れてしまいます。
左右の力学だけに絞って説明します。
これは麻痺側、非麻痺側の左右から押し合う力が釣り合わず、非麻痺側が勝っているからです。
ではどうするのか
非麻痺側上肢で支える方法を教えます。
…
「それが出来ないから困ってるんだよ」
とツッコミがありそうですが。
非麻痺側上肢で押してしまう患者は正中位座位や非麻痺側回りにの移乗を指導されていることが多いです。
それによって非麻痺上肢の過剰努力が助長されています。
非麻痺側で支持することを教える第一歩は、あえて非麻痺側で突っ張ってもらって、麻痺側方向に臀部を移動してもらったり、麻痺側周りの移乗をしてもらったりします。
こうした動作を繰り返すことで、非麻痺側で支えて体を動かすことを覚えていきます。
麻痺側回りの移乗を教えると、麻痺側回りだと2人介助の移乗している患者が急に1人の軽介助になることも少なくありません。
次回は、動き方を教えるコツをお伝えします。
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