7. 答え合わせ ③階段を降る時は患側下肢から下ろす →ダメ理由
答え 脳卒中患者が階段を降る時は
非麻痺側下肢から降ります。
特に「高い段(20cm以上)」や「背の低い方」では効果大で。それに非麻痺側から降りるのを覚えると、一足一段で交互に階段を降りることが容易になります。
臨床軽減がある方なら、高い段、背の低い方で麻痺側下肢から段を降りた際に下肢が内転し、階段を降るのが苦手な方を見たことがあると思います。
これは骨盤での代償が難しくなったために起こります。
それを解決するのが、非麻痺側下肢から降りる方法です。
学生の時にこう習いませんか?
「階段を降る時は上段に残る下肢が力を必要とするから、非麻痺側下肢で支持しながら患側下肢を降ろす」と。
これが大きな間違い。
上段に残る下肢が麻痺側だと支えられてないのでは?と思った方。正解です。麻痺が強ければ支えられません。
実は上段の下肢は支持する必要がありません。むしろ支えない方が良いのです。
階段を降りると言うことは、高い所から低い所に行くということです。つまり位置エネルギーが使えるということです。
その位置エネルギーを使って、非麻痺側から段を降ると、麻痺側は膝折れします。膝が折れても非麻痺側下肢から降りているので、下の段では非麻痺側下肢が上手く支えてくれます。膝折れした上段にあった麻痺側下肢は下の段に落ちてきます。
階段を降りるというよりは、「落ちる」と言った方が近いでしょう。
注意点
・装具で麻痺側下肢の背屈を制限していると円滑に出来ない。
・つま先を段鼻から出しておくと円滑に出来る。