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【米国株】速報:アップルAI戦略の要点 - 独自のAIモデルと半導体、安全性配慮
アップルは6月10日に開催した開発者向けイベントWWDC 2024にて、iOSに生成AI「Apple Intelligence」を搭載すると発表しました。
①テイクアウェイ
➁注目アナリストのダン・アイブス氏の見方
③我々の見方
をご紹介します。
テイクアウェイ
①デバイス上の情報をインデックス化、RAG(データ検索で補強したAI生成)できる
メール、スケジュール、写真、個人のデータをインデックス化し、AIがリクエストに応じて最も関連度の高いデータを検索
複数のアプリにまたがり、データを組み合わせた操作が可能
例:メールから新しい予定を取得⇒スケジュールから既存の予定を取得⇒マップで移動時間を取得⇒時間を提案するメールを書く
指示は、生成AIにより強化されたSiriを介して可能
![](https://assets.st-note.com/img/1718058619183-0vfLKfqpyj.png?width=1200)
➁セキュリティを最優先
基本的にデバイス上でAI(エッジAI)で処理し、大型のAIモデルを用いる必要がある際は関連するデータのみをデータセンターで処理
データセンターに送信される情報もセキュリティが担保される
![](https://assets.st-note.com/img/1718058557204-DzsYTRlyIE.png?width=1200)
③現在、Apple Intelligenceを使えるiPhoneは15Proのみ。iPhone 16(9月発売)で対応が想定される
デバイス上でAIを動かすため、計算パワーが必要
対応するのは、A17ProとMシリーズのアップル半導体
搭載するのは、iPhoneでは現状、昨年発売の15Proのみ
今年9月発売のiPhone16の対応が想定される
![](https://assets.st-note.com/img/1718058521285-AOKo7ODVg6.png?width=1200)
④独自のAIモデル
エッジAI、データセンターのAI、共にアップル独自のAIモデルを使用すると見られる
有用な場面では、ChatGPT-4との連携(連携前にユーザーに提案、データ共有の是非を聞く)
他のAIモデル(恐らくグーグルGemini)も今後連携予定
⑤エッジAI、データセンター共に、アップル独自の半導体
データセンターも独自のアップル半導体を使用してAI処理を行う
⑥無料で使える
Apple IntelligenceはiOS18に無料で搭載される
ダン・アイブス氏のコメント
注目アナリストのダン・アイブス氏は、この発表を「ホームラン」と評価し、「AIスーパーサイクルのスタートさせる歴史的瞬間だ」と述べました。また、iPhone16が更新のペントアップ需要を喚起すると予想しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1718058588383-O3YqcUiwwo.png?width=1200)
我々の見方
個人データのRAGによる利便性の高い体験
個人のデータをRAG(データ検索で補強したAI生成)できるのは大きく、非常に利便性の高い、サプライズ体験を生み出すと考えられます。
これが口コミで広がり、使いたい需要を喚起することで、iPhone16への強いアップデート需要が期待できると考えます。
個人情報の扱いに対する細心の注意
どれだけ素晴らしいAI機能が提供されても、個人情報を全て明け渡すのは抵抗があります。
しかし、アップルはこの点を完璧にケアしているように見えます。信頼のアップルだからこそできることであり、他社にはできないのではないでしょうか。
独自のAIエコシステムの構築
アップルは、AIモデル、半導体、ソフトウェアの全てを独自に開発し、完全に独自のAIエコシステムを構築しました。
これは他の企業にはない強みであり、マネタイゼーションの自由度が高く、潜在的に高マージン事業を構築可能だと考えられます。
株価の動向と今後の見通し
発表を受けて株価は2%下落しました。これは、AIに関する発表がイベントの後半にあり、会社全体の戦略の中心と見えなかったことと、技術とユースケース自体にOpenAI、Google AIの発表内容からの目新しさが無かったと見られたためではないかと考えます。
株価はテクニカルにはトリプルトップのように見え、下落が継続する可能性があるため、9月に向けて買い場を探っていきたいと考えています。