【米国株】過去になく割れる意見:強い経済は株にプラス?マイナス?重鎮がスタグフレーションに警戒
米国経済と株式市場に関して、意見が面白いくらいに分かれている。
強い経済はシンプルに株に良いことだ
強い経済⇒長期間の高金利(higher for longer)⇒株下落
弱い経済と高金利、つまりスタグフレーションへの警戒が必要
がコンセンサスながら、3.はウォール街で最も力を持つ彼の指摘だ…
前提
5/23にエヌビディアが「完璧な」決算を披露
エヌビディア株は9%超上げたが、他が冴えず、ナスダックは-0.4%、ダウは-1.5%
エヌビディア(NVDA)以外のほぼすべての株が下落(赤=下落、緑=上昇)
理由としては、5/23公表のPMI(購買担当者景気指数)が予想外に強く、インフレ長期化を早期、FRBの利下げが遠のき、金利が上昇(長期金利は4.43%⇒4.48%)に上昇したから、と言われている
1. 強い経済はシンプルに株に良いことだ
エド・ヤルデニ
商品の不況は既に起きているが、横ばい
サービス消費は強いので良い
金利は高い、と言っても長期で見れば「通常」の水準
Higher for longerではなく、Normal for longer(通常の金利の長期化)
業績成長が強い大型株を選好
アダム・パーカー(ファンド・マネージャー)
過去18ヶ月、ロング:エヌビディア、ショート:ターゲットの推奨がまさに的中
3つの「時間の無駄」をずっと指摘している
市場に対する弱気な見方は、時間の無駄
金利の予想は、時間の無駄
エクイティ・リスク・プレミアム(高金利に対してPERが高すぎという議論)は時間の無駄
良いニュースは株に良い
金融環境は良く(注:恐らく、社債スプレッドの縮小、FRBのQT減速を指す)、業績は拡大しているため、テックに強気
AIストーリーはまだ初期段階
ブルームバーグ Market Minutes
強い経済は、シンプルに株にポジティブだ
クリステン・ビテリー(シティ・ウェルス・マネジメント)
今日の動きは単なる連休前の利益確定、気にしなくてよい
2. 強い経済⇒長期間の高金利(higher for longer)⇒株下落
ティム・シーモア
FRBの動向が最も重要
今日のPMIで早期の利下げ期待が低下したのは事実だ
9月利下げの確率は58%⇒50%に低下
ジュリー・ビール
昨日のFOMC議事録を見ると、利下げを行うには、少なくとも3-4回の「良いインフレ」データが必要と示唆される
良い経済データは、利下げ期待を先送りしてしまう
ターンクイスト(テクニカルアナリスト)
(下降トレンドへの反転を示す)陰の包み足(抱き線)を作ってしまった
S&P500は4月の安値を試すだろう
3. 弱い経済と高金利、つまりスタグフレーションへの警戒が必要
この方が仰っています。
JPモルガン ジェイミー・ダイモンCEO
金利が高くなる可能性はあるか?
⇒あると思う
もしそうなった場合、世界はそれに備えているか?
⇒NO
皆が一番恐れているものはスタグフレーション。それは、高金利と業績下落が同時に到来することを意味する。
それでも世界の終わりにはならないが、私は皆が見ているより、それが実現する可能性は高いと感じている