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Healing_癒やしと患者ー医師関係(総合診療・家庭医療のエッセンス 第2版)

北海道家庭医療学センターの総合診療・家庭医療のエッセンス第2版『出版記念読書会』に参加し、学んだことを個人的な備忘録として書いておきます。まだあまり勉強が足りない所、咀嚼できていないところもあるので、またそれぞれについて掘り下げていこうと思います。



Q.家庭医療が何故生まれた?

理由の一つ:パラダイムの転換
直線的な還元主義・肉体精神が別の心身二元論の限界


Q.家庭医療における知識とは?家庭医療とは何の学問?

4つとその境界に分類される。特に内的な3−4への関心が高い(家庭医療は関係性の学問である by McWhinney

  1. 疾患知識

  2. ヘルスケアシステム

  3. 関係性

  4. 医療者自身


Q.医療のゴールとは?

Well being「よく過ごせているという実感」


Q.Well beingはどうやって起きる?医療者はどう支援する?

  1. 診断・治療で苦悩が和らぐのであれば行う

  2. その人にとって大事な活動に従事できる(機能Function)→意味のある活動を同定し支援する

  3. 病の意味を見出し、全体性Wholenessが再構築された状態(Healing)

    1. 癒やしの促進要素:①継続性・関係性②苦悩の同定と嘆きの促進③希望④Sense of safety ⑤Healing landscape

    2. 癒やしの阻害要素:①疾患のみ集中②認知的不正義③教育不十分④ヘルスケアシステム

    3. 具体的行動:ナラティブアプローチ(一貫性のある物語の語り)①病の物語を語ってもらう、②診療による物語の共創・共同編纂

    4. ナラティブアプローチのヒント:Conversation inviting Change(CIC)


4. 個人の日常生活を継続できる状態
(患者の創造的能力・創造的自己)→日常生活の調整・支援、解釈的医療Interpretive medicine

※創造的自己(Reeve, 2017):病んだ人は、日常生活という絶え間なく流れる川を漂流していることをボートに見立てて説明


医療のウェルビーイングの実装


Q.Healingの時、何が起きている?

・全体性Wholenessに脅威が生じ苦しみSufferingを生じる
・様々な関わり、支援を通して、新しく全体性が獲得される(Healing)



読後感想

  • Healingについてずっと深めたいと思っていたので、とてもタイムリーなお話を伺えて良かった。

  • 私自身はヒーラー志望、患者と癒し癒される関係性になりたいと思っていた。しかしここでいう癒やしHealingは、一般的なホッコリするとか心地よい感覚を覚える、という次元で話していないということが浮き彫りになった。浅い理解だったが、質疑応答やディスカッションもできたので満足。

  • こんな医師になりたい、と思いつつ、実践に落とし込むのはとても難しそう。哲学的、人文学の知識も多く、真の意味で理解するのは何年後になるだろう。

  • 患者に対する不断の関心、全集中は以前から意識している所。少しずつ本を読んで理解を深め、教育・実践に結びつけていこう。読書百遍・理論と実践の往復だ。


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