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Education_地域でジェネラリズム教育を行うには?JPCA2024浜松_Journal of General and Family Medicine
Matsumura S, Yamaguchi Y, Okazaki F, Kitanishi F, Tomita S, Takagi H. Developing sustainable generalism education in community settings: Insights from the JPCA (Japan Primary Care Association) Conference, 2024. Journal of General and Family Medicine
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jgf2.770
背景
ジェネラリズム(Generalism)の重要性
ジェネラリズムは国際的に医療教育の中核として認識されており、特にプライマリケア医学において必要不可欠である。日本の2022年改訂モデル・コア・カリキュラムにおいても、ジェネラリズムの教育が強調されている。https://www.igaku-shoin.co.jp/application/files/5616/7818/4359/3509_01.pdf
地域教育の課題
高度医療機関や病院での教育が中心であり、地域での教育資源は不足している。教育における障壁として、以下が挙げられる:
教員の数が限られていること。
臨床業務と教育の二重負担。
学習者や指導者向けの効果的な教材の不足。
JPCA学術大会2024での議論
地域におけるジェネラリズム教育の将来像について、プライマリケア医、大学教員、地域指導者、研修医、医学生などが参加し意見を収集した。
提案された具体的な解決策
持続可能なカリキュラムの構築
学習者と指導者双方に負担の少ない1週間のプログラム。
AIを活用した個別学習サポートツールの導入。
多様なニーズやスケジュールに対応する柔軟な教育パッケージの提供。
地域での教育チームの形成
多職種連携による教育チームの設立。
地域設定に適した実践的な指導ガイドの提供。
ベストプラクティスを共有するための機関間コラボレーションの推進。
共通教育ツールの開発
基本的な学習を補うEラーニング教材の作成。
VRを利用した地域活動のシミュレーションプログラム。
教育資源を共有し応用するためのAIツール。
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緊急課題
地域医療やジェネラリズムの文脈に適したカリキュラムの開発とその有効性の検証が急務である。
持続可能で効果的な医療教育を実現するための基盤整備が必要とされる。
読後感想
今回はLetterだが、私にとって興味深いテーマだった。
私は「あらゆる医学生にGeneralismを涵養する」ことを夢想している。
全員が習熟する必要はないが、その視点を知って、その視点で診られるのはやってほしいな、と思っている。
一介の大学教員として、カリキュラムを大幅に変えることはできない。せいぜい地域医療で回ってくる医学科5年の実習生を1週間地域医療漬けにするくらいだ。
他科が2週間なのにくらべ、地域医療は1週間である。短いな…と思っていたが、本文中に「学習者と指導者双方に負担の少ない1週間のプログラム」が述べられていることに希望を見出した。
来年度以降、もっと頑張ってみようと思った。
またE-ラーニングやVR、AIなどのツールにも注目が集まっているのが興味深い。このあたりは私も好きな分野なので、もう少しいろいろ考えてみたい。
模擬患者をAiで作って問診練習をさせる方法を考えているが、やり方がいまいちわからない…どんなプロンプトとかツールを使えば良いんだろう…