昔の自分と今の自分の考え方の変化と友達のこと
「間違いは指摘するべきである。自分が正しいのだから言い返されても私は悪くない。悪いのは相手である。」
かつての私はこのように考えていた。
非常識な事をするヤツには怒る、反論は勿論聞かない。だって私がいつだって正しいんだから。
私は世界一まともな人間なので、私に従えば間違いはない。
お前たち他の人間は私と違って愚かで非常識な人間だ。
なんてことを思っていた。
だから、ネット上でのトラブルが絶えなかった。
当時、よく言われたことがある。
「怒るのはよくない。相手が悪いのは確かだけど、無視するくらいの気概が無いとダメだよ」と。
当時の私は理解が出来なかった。
何故、間違ってないのに私が譲歩しなきゃならないのか。
私が無視して相手は反省するのか。
受け入れられなかった。
そのため、色んな人が離れていった。
自分の考え方がおかしいのかと思い始めた頃、仲のいい人にこう言われた。
「お前はいつも怒ってばかりいる。自分に合わせない人を悪だと思っている。そんな人を誰も好きにならない。」
反論できなかった。
私が正しいと思っていたことも、もしかしたらただの押し付けだったのかもしれない。
事ある毎に他人にそう言われ、私はようやく考えを改めることにした。
まず、怒るのを我慢するところから始めた。
最初はムカムカしていたが、次第にこんな考え方にたどり着いた。
「怒るのは簡単だ。その場で私はスッキリするから。でも、周りはどうだろう。不快に思うかもしれない。
人の縁を切るのは簡単だけど、縁を作るのは難しい。だからこそ、相手の価値観を受け入れよう。」と。
メリットとデメリットを考えて、デメリットの方が大きければ我慢する、メリットの方が大きければ騒ぎが大きくならないように距離を取ったりブロックしたりする。
また、他の人とゲームをする時はみんなのルールに従う。自分がおかしいと思っても何も言わない。従えないなら静かに抜ける。
こういう考え方ができるようになったおかげで、今では怒ることもほとんど無くなった。
友達からは以前より穏やかになったと言われ、相談を聞いてあげる機会が増えた。
その時思った。当時の私は若かったのだと。
自分をわかって欲しい、一番になりたい、負けたくない。
その思いがひねくれにひねくれていつも怒って人になってしまったんだと。
私の友達に、昔の私と同じような人がいる。
自分勝手でめんどくさがりで我慢が出来なくて計画性がなくて努力が嫌いで人をいつも巻き込んでプライドが高くてナルシストで自分が世界で一番偉いと思ってる差別主義者。
彼は気に食わないことがあれば怒るし自分が悪くなければマシンガントークで相手をねじ伏せてしまう。
私が何故彼と一緒にいるかというと、悪いところは沢山あるけどいい所も知ってるから。
友達想いで一緒にいると楽しくて相談事があれば何時間でも聞いてくれて私が困ってたらいの一番で心配してくれる、本当は優しいやつだと知ってるから。
だから、イラつくことはあっても彼に怒ったりしないし縁も切らない。
そして彼は、自分の価値観と違うものを全否定する。
自分はこの世で一番まともなのだから、世界中の人間が自分に従えと言う。
おかしいと思うことはおかしいと言う。
まるで、かつての私のようだ。
だから、いつか機会があれば彼にこの言葉を送りたい。
「お前はいつも怒ってばかりいる。自分に合わせない人を悪だと思っている。そんな人を誰も好きにならない。」