恐ろしさを飼い慣らす
小説家の西加奈子さんが好きだ。
「くもをさがす」という、西さん初のノンフィクション小説を1年くらい前に読んだ。
ご自身が乳がんになったときの体験を元に書かれた小説なのだが、印象的なのは、がんを完全な悪者として捉えてはいないところだった。
がんも、自分が作り出した細胞。共存はできないから治療をするだけ。
そう、書いてあった。
それから何かの対談がYouTubeにあがっているのを見て、更に感激した。
病気がなぜ恐ろしいのか。人間が感じる恐ろしさは、突き詰めると死への恐怖へ繋がる。というくだり。
ここでもまた、西さんらしい素敵なフレーズが飛び出した。
恐れを見ない、というようにはしない。
恐れを抱きしめて向き合う。
その正体が何だったのか。恐怖という感情を通して、自分は何と対面していたのか。
そうやって、自分のものにしていく。
恐れは自分が作り出したものだから、
幸せや喜びと同じように、愛すべき、大切にすべきもの。
死ぬのが怖いというのは、失うのが恐ろしいくらいに、今が幸せなのだということ。
もう、素敵すぎる…
「恐れは自分で生み出したもの」
この言葉を胸の奥に常に仕舞っておいて、自分の感情と向き合って、一歩一歩前に進んでいきたいです。
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