眠い眠いと言えているうちは、まだ本気で眠くない

眠い眠い眠い。
眠けりゃ寝ればいいのだけど、何となく煙草を吸い続けて寝るタイミングを逃す。

年度末で仕事が忙しかった。どうして皆急ぎでない仕事を急かしてくるのだろう。急ぐ理由があるなら教えてほしい。
それを説明せず何となく催促する理由は分かっている。自分の手前で仕事を溜められるのが嫌だからだ。
そうは言ってももっと優先されるべき仕事が山のようにあるので、今は難しい旨を逆にこちらが説明する。その手間が面倒臭い。
こっちは総務でも経理でもないのに、近しい仕事も請け負っているというのに。以前はもっと沢山請け負っていたが、流石にあんまりだと手放すことになった。
そしてその仕事は今、皆で押しつけあっている。誰かが片付けなくては、目の前にある問題ごとはなくならないのに。
何かしらの委員や代表を決める学級会。無言の時間が続き、無駄な時間がどんどんと過ぎていく。誰も手を挙げてはくれない。
我々は未だにあの地獄のホームルームを続けているのだろうか。
まぁ、それほど学校に通っていない自分にはホームルームってどんなものか本当のところ分からないのだけれど。碌でもないものだと噂には聞いている。

疲れた。でも今はデスクワークだから、肉体的な疲労はそれほどではない。
以前は接客をしていたから。
酷い思考回路の人間嫌いの割には、接客業が完全NGではなかった。多分、周りからは接客が得意だと思われていたようにも思う。
得意だろうがなんだろうが、別に好きなことではない。普通に苦痛だ。ただ日々の糧を得る一つの手段だった。
今日会ったばかりの他人に何を言われようが、仕事だと思えば大したことではない。暴言を吐かれても、そう言われて仕方のない駄目人間だから諦めもつく。
ただ、大きい音を出されるのは勘弁してほしかった。怖くても嫌でも表情が顔に出ることはない。「感情を顔に出すな、不愉快だ」と言われる教育を受けたからだ。
申し訳無さを滲ませた微妙な表情をして淡々と受け答えする人間を指して「クレーム対応が上手い」とするならば、間違っている。
こっちは何にも考えちゃいないのに。
ただただ、手汗だけが正直に掌をびちゃびちゃにしていた。
たまに顔を覚えられて喜んでいるお客さんもいて、心底不思議だった。自分という個を認識されただけで、もうその場所には行けなくなるのが常だ。

お陰で今の職場でも電話対応は殆どやらされている。対面接客よりは随分マシか。急に殴りかかられたりする心配もないし。
仕事の電話は出来ても、自分の歯医者の電話予約をする覚悟に一週間以上掛かる。
難儀なものだ。

頑張ったので夕飯は甘いものにした。
シェイクとあんバターパン。
甘味は大好きだ。
甘いものを異常に好む人は、愛情に飢えているという説を見たことがある。
そうなのかもしれない。
子供の頃、角砂糖を貪り食べたり、スティックシュガーを粉薬みたいに食べていたことを思い出した。
灼けるような甘さが心地良かった。

さて、そろそろ寝よう。
やっと週末で、好きなだけ死んだように眠っていられる。

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