原田真二&Crisis 『Human Crisis』
【広島のエルトンはギターを手にした】
原田真二&Crisis 『Human Crisis』1980年
才気溢れる若者を大人たちがうまくコントロールした大傑作アルバム『Feel Happy』でデビューした原田真二のサードアルバム。
広島のエルトン・ジョンと呼ばれた原田真二がハードなギター弾いてます。
セカンドアルバムを渡米して録音。
予め用意されたミュージシャンをクビにし、自分で調達したらしいギターがリッチー・ジトーだったりしてびっくりした作品で、前作とガラッと違う味わいでした。
聴いた当時は、前作の流れを期待して、少しがっかりした記憶。
これは、ハードロックではないと、ここにアップしなかったが
何十年ぶりに聴いたら
けっこう楽しく聴けたから、またびっくり。
実は、部屋の奥のほうのレコード棚から、MOONDANCERや Heroを引っ張り出してきた時に、こんなんあったなと、ついでにピックアップしたレコードのひとつが原田真二。
たぶん、買って何回か聴いたままで
それ以来だと思う。
そして、このサードアルバム。
記憶通り、かなりハードロック寄り。
ギター志向が強くなり
曲により、本人がギターソロとクレジットされたりしてる。
また
相方のギターは、北島健二。
曲により
原田真二のギターソロ
北島健二のギターソロ
と、クレジット書いてある。
ちなみに、ドラムは古田たかし。
Crisisって、そういうメンバーのバンド。
広島のエルトンと呼ばれた男が
ハードなギターを弾く方へ行ってしまった。
あるいは、行こうとしてるアルバムだ。
当時
あまりテレビを見ない生活の私が
たまたま観た歌番組で、ギンギンにギター弾く原田真二を見て、「へぇーっ こうなったか」と感じた記憶もある。
以下
私の考察だが
デビュー当初
「曲としてコピーするなら
パープルとかより、エルトンのほうが難しい」と言っていた原田真二は
同じ頃、テレビ番組とかでいっしょになったCharの影響というか刺激受けたんじゃないかな。
「うわあ、俺もギター弾きまくりたい!」と。
でも
当時の私
デビュー盤でのポップさ溢れる原田真二が好きだったし
こういう方向性は好きではなかった。
あの『 Feel Happy』の革新さは、ハードロックのグループには書くべきではないが
日本にも、こういうの、出てきたかと、びっくりした。
また、私と同年代というのも、いろいろ感じるものがあった。
彼が言う通り、ギターソロを別にすれば、曲自体のコピーはハードロックよりポップな曲のほうが難しいし、目から鱗みたいなものがあった。
あ、辞めとこ、このデビューアルバムのこと、書くのは。
話、戻ろう
この原田真二がギター弾くサードアルバム。
何十年ぶりに聴いたら
けっこう良い。
ギターぎんぎんのもあるが
けっこうポップなのも残っているし。
なにしろ、北島健二と古田たかしがいるんだ、悪いわけがない。
また、このアルバム
当時始まったデジタル録音の初期のもの。
帯にも誇らしそうに「デジタル録音」と書いてある。
いま聴くとあまり感じないが
当時
この手のデジタル録音とかのを聴くと
あまり好きな音ではなかった。
音の拡がりがあまり感じられなく
気持ち良い音ではなかった。
それも、買った当初聴いただけで棚の奥に収まってしまったままだった要因かもしれない。
ちなみに
ライ・クーダーのも初期のデジタル録音のがあり、聴いてて、あまり好きになれなかった記憶。
いまとなっては
あれは、どのアルバムだっけかなあ。
このアルバムのように
いまは聴いても違和感がないかもしれない。
と、久しぶりに聴いて
なかなか気に入ってしまった次第です。
MOONDANCERもですが
同年代がどんどん出てきた時代だったのだなあ。
遠い目となり、記憶を掘り起こし
それも楽しんでいたりします。
むかし聴いたものも
いま聴くと
また違った感じになりますな。
実に面白い。