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荒々しくも心地よい『水曜どうでしょう』の魅力を生む緻密な編集テクニック

「水曜どうでしょう」が大好きなんです。
NETFLIXで、繰り返し繰り返し、観てしまうんですよね。
毎日の通勤中、毎日の昼休憩中、毎日の料理中・・・。(今見ているのは「激闘!西表島」)

NETFLIX再生数ランキングなんてのがあれば、確実に上位に食い込む自信があります。

繰り返し見ているうちに、なぜ水曜どうでしょうは飽きずに何回も見ることができるのだろうと疑問に思いまして。

今回、荒々しくも心地よい『水曜どうでしょう』の魅力を生む緻密な編集テクニックと題して、
水曜どうでしょうの魅力を考察してみようと思います。

特に、編集技術という点に着目したいと思ったのは、先日私デザイン講座の動画を撮影しようと思ったんで、結局それは今頓挫しちゃったんですが、その流れがあるので、動画編集というものに今ピピーんとアンテナが立っているから。

そういう視点で番組を見てみると、意外にも、本当に意外だったんですがかなり緻密な編集の工夫が散りばめられていると気がつきました。

撮影から、企画から、とにかくゆるく、荒々しく、勢いで乗り切る!というような印象を番組自体に持っていたので、こんなに丁寧な編集技巧が凝らされているということにびっくり!!(編集を担当するのは藤村Dだろうと思うのですが、まさか彼がこんな繊細な仕事をするなんて、というギャップもあります)

前置きが長くなりましたが、では気づいた点についてまとめてみよ〜う。

縦書きテロップ

この番組の特徴として、縦書きテロップが主体というのがまず挙げられます。これ、漫画の吹き出しのような効果を狙っているのでないかと思うんです。

喋っている人の横に、セリフを吹き出しのように自然と配置できるため、大泉さんらの発言、リアクションをより直接的に伝えることができるのではないかと。横書きだとスペースの制約が出やすい。

それから、背景や周りの描写を含めた「引きの画」も多いんです。たぶん意識的に、(うれしーの美的センス?)演者である大泉さんやミスターを撮る、というよりその場の空気感、雰囲気、世界観を撮ろうしているのではないか。

セリフが吹き出しのように場面に溶け込むことで、画面が漫画の様に奥行きのある世界として入ってくる。より一層その場に入り込めるような感覚があるというか。

まるで、一緒に旅をしているかのような臨場感が味わえるんですよね〜。

テロップのリズミカルな分割表示

ここが、本当にとんでも無く緻密な作業だな〜と思うのですが、テロップを1文ずつ区切るのでは無く、あえて分割して音声に細かく、リズミカルに合わせているんです。
例)「なに」「してんだよ」「夜中の」「1時半に…」
(「激闘!西表島」第5夜、小魚を追うロビンソンを待ち受ける大泉さん)

話す人の抑揚に合わせて小分けに表示されるテロップによって、小気味いいリズムが視覚化され、見ていて感覚的に気持ちがいい映像が生まれています。

また視聴者の注意を一瞬一瞬惹きつける効果もあるので、大泉さんの独特な抑揚や、言葉選びのチョイスを強調する役目も買っています。
例)「ランニング」「シャツに」「なります」
「サイコロ3」第6夜、電車の中でファッションショーする大泉さん)

テロップのアニメーション

さらにですね、よーくみるとテロップがでてくるアニメーションがセリフによって違うんですね。大泉さんがテンポよく、ぽん、ぽん、ぽーんと話すときはそれに合わせたノーマルなアニメーション。一方で、なんか皮肉を込めたツッコミと言いますか、なるほど〜っているようなセリフには、ジワ〜っと出てくるアニメーションをつけたりしてるんです。

今、サイコロ3のファッションショーする大泉さんを見ていたんですが、「しかもこれ洗濯が可能なんですね!」と話すミスター、「洗濯が可能」というテロップがじわ〜っと出ている。

本当に、意識してみなきゃ気が付かないくらいのところなんですが、テロップの出し方でセリフの役割を強調させるような効果があると思うのです。漫才のボケとツッコミのような感じですよね、それを視覚化している。

フォント選びや、サイズ

セリフ自体の役割、ボケやツッコミ、皮肉、シュールな笑い、そいういうものをより強調させているのが、テロップのフォント選び、サイズ感です。

笑い、というものを藤村さんは分割してカテゴリー分けしているんでしょうか。その時その時の各セリフの役割をぐぐっと強調させるのが本当に上手い。

リズミカルなカット割

あとやっぱり特徴的なものとして、一つのシリーズ全体を通してとてもリズミカルに作られているんです。
場面転換する時に、真っ黒な背景に白文字の画像が1枚挟まります。それがいいリズムを作っていて、みていて心地よいんです。

静と動

これも、シリーズ全体のリズムを作ることになっていると思います。のんびりしたシーン、普通だったらカットしてしまうような寝ているシーンですとか、移動しているシーンもあえて残しているんです。
これが旅のリアリティという意味でも、リズム感をつけるという意味でもいい効果になっているんです。

まとめ

まとめると世界観!視覚化によるセリフの力の強調!リズム感!といったところでしょうか。
水曜どうでしょうは、本当にすごい。大好きです。なんか私も動画を作りたくなってしまった。作りたい内容は今、ないんだけど。動画作りに活かせると思うので、機会があればぜひやってみようと思います。

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