『平井和正愛好部』 始まります
中学生あたりまでは乱読派で、もしかしたらあの頃が人生で一番読書量があったかも知れない。一番好きなジャンルがミステリーで、図書館のミステリーコーナー、端から端まで読破してそれでも満足してなかった。
それが、ある時期を境に、めっきり本が読めなくなって、その要因ははっきりしてます。
平井和正との出逢いです。
平井作品から感じる熱量は、他の小説から感じるものと次元が違ってました。火口から噴出するマグマとチラチラ瞬く蛍光灯くらい違ってる。
きっと、自分の見識が狭いせいなんだと思ってた。
他にも面白い小説はたくさんあるんだろうと、意識して新しいジャンルに手を出したりもした。
でも、ダメですね。
犬神明や東丈と同じくらい魂燃やしてくれるキャラクターには、出逢えなかった。もう決して出逢うことはないって理解できた。平井和正が顕したのは真正のマジックであり、異次元の地球丸々一個創っちゃうほどの奇跡だったんだ。
犬神明!
その名前を口にするだけで、魂に熱い炎が灯ります!
絶対に(!)他者を裏切らない、何者にもどんな困難にも屈しない、一度愛した者の為には生命を賭して闘う……戦士の誇り“ 黄金の心 〜コラソン・デ・オロ〜 ”を胸に秘める男。
それは、「単なる読書体験」ではない。
誇り高い彼の生き様に触れることは、自分自身の弱さ、醜さに向き合うことでもあります。
人狼である彼が激しく弾劾する愚かな人類の一員である自分。彼のような強靭さ、優しさを持てない自分が恥ずかしく思える。
でも、物語に繰り返し没入し、彼の痛みを共に味わっているうちに、そんな相違は実は些事でしかないのが分かってくる。彼の人懐っこい褐色の瞳は、ちゃんと自分にも微笑んでくれてる。狼にななれなくても、狼の生き方をすることは、今この瞬間からできる。
荒野を朗々と貫く狼の遠吠え。
〜 俺はここに居る。君はそこに居るのか? 〜
魂を揺さぶる狼たちの遠吠え、荒野のどこかに確かに存在する同志に向けた熱い呼
びかけは、その哀切を感じとる者全てに向けられている。
彼、犬神明に共鳴する者は皆、“黄金の心” を胸裡に秘めてるんだ。
🐺🐺🐺
犬神明を主人公とする『ウルフガイ・シリーズ』には、少年犬神明の『ウルフガイ』と、中年犬神明の『アダルト・ウルフガイ』の二系統があります。同名ですが別人です。
大河小説である前者(大まかに三期に分かれる)と、連作形式から長編化してゆく後者ですが、いずれも人類の一部エリート達が画策する「不死鳥作戦(フェニックス・オペレーション)」という世界的な「人類削減計画」に巻き込まれてゆく展開になります。
(2021年現在、巷間あれこれ言われております、陰謀論とか人類削減計画とかですが、その真偽はさておき、私どもヒライストはとっくにシミュレーション済みな訳です😀)
ここではまず、アダルト・ウルフガイ・シリーズから読み解いていきたいと思います。
エンターテイメントとして抜群に面白いのは言うまでもないのですが、パッとなぞってみただけでも、不死性、精神と肉体の関連性、犬神一族、JCIAと諜報世界、人類削減計画、秘められた人類史、ソドムの滅亡、顕在化するハルマゲドン、魔女的存在、天使的存在……と、魅惑のキーワードが目白押し。
平井和正本当にすごくて、三次元的なことから五次元的なことまで、世界の真相をはっきり描き出してるんです。
もう20年以上、本を読んだりセミナーに参加したりでスピ系のあれこれを学んできましたが、重要なことは全部平井作品の中に書いてありました。
膨大な作品群の中で、とっかかりとしてもアダルトウルフは最適かもしれません。
久しぶりの再会、楽しみで仕方ないです。
🐺🐺🐺
※ 平井和正の初期作に関しては、個人ブログ『平井部』の方で先に語っております。「テーマ別」で「平井和正」をクリックしていただくと、関連記事をまとめて読んで頂けます♪
いずれ少し手を入れて、noteの方にも転載しようかと思っております。
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