9.退職

15年ほど正社員として勤めた会社を退職した。
夫の転勤がきっかけ。

夫の転勤が決まった時は、めちゃくちゃ悩んだが、一旦は二人とも仕事を続ける事を決めた。辞めるのはいつでもできる、一回やるだけやってみよ!となった。

なぜなら、今この仕事を辞めてもこれ以上に良い(条件の)職につけることはないと思った。

私が勤めていた会社は、かなりホワイト企業だったと思う。
こどもが生まれても産休育休を取って復帰することがほぼ当たり前で、復帰後も時短可、有給看護休暇有り、リモート可といった状態。(制度上、実態は部署や上司にもよる)
子持ち、特筆するようなスキルなし、普通の30代女性(出世とかの野心なし)には願ってもない会社だったと思う。
一方で、その世間平均から考えても比較的恵まれた職場でも、夫の転勤に帯同するという理由では休職したり、転勤先から月1〜2回出社し残りはリモート勤務はできないと言われた。
(私はその当時コロナ禍のため、週1程度出社、残りは在宅勤務という状態だったが)

不安はあった。
近くに頼れる人もいない中、1人で家事、育児、仕事の3つを上手く回せるか、家族の形としてこれでいいのか、、、

不安はあったけど、そのまま夫は300キロ程離れた新しい勤務地へ引っ越し、私とこどもは、そのまま元の場所で生活を続けることにしたのだ。

やる前から、大変な事になるのは分かってたけど、実際にの生活が始まったら本当に大変。
舐めてました。

運も悪く、私自身、社内で部署異動したばっかりで慣れない仕事で、全然上手くいってなかった。
仕事中も頼れる人がいないと感じてしまい、孤独なのがつらかった。イヤ、誰かに頼れよと今なら思うけど、部署の人数も極少(平社員は私だけ)、新設された部署で業務フローや割り振りもあいまい。なかなか厳しかったなぁ。

そして、こどもと2人っきりのプライベートも寂しい。大人が自分以外、誰もいない休日はもすごく孤独。自分が抱えているちょっとした悩みや不安を話す人がいなかった。
フードコートでお父さんがいる家庭が羨ましくてしょうがなかった。

あとは、私が休める時間がない。

平日は9時30分ごろから18時頃まで仕事に拘束され、それから慌ててこどもの迎え、19時から22時頃まではこどもの世話に費やす。更に仕事の繁忙期には早朝4時頃からこどもが起きるまで3時間程積み残しの仕事をしたり。


夫も新しい職場でいろいろと多忙な時期で、お互いをフォロー出来ずにいた。

こどもはすごく可愛いし、母子2人でも楽しいこと、こどもが喜ぶことをしようと思って、映画を見に行ったり、動物園行ったり、ショッピングモール行ったり、イベント参加したりいろいろ考えて、実行した。
また、週末に楽しみを予定すれば仕事を頑張れるかもと思って沢山予定を入れた。
(こどもと2人でお金さえあればどこでも行けるわ!と言う自信はついた。)

こどもが喜ぶ姿は、私も嬉しかったし、一緒に楽しめた。でも、疲れる。
家事も残ってる、明日の準備もある、1人の時間も欲しい、、、、
だんだん、気持ちも沈みがちになってしまった。

仕事もプライベートも、精神的にも肉体的にも疲れていた。

私の両親も心配して度々電話をくれたりしたが、電話に出ることすら私の時間を奪われると(その時は)思って、適当にあしらったり。

そんな状態が続くと、まず家事が疎かになる。
夕ご飯をまともに作れないことが続いたり、家の中が荒れ放題になったりした。
こどもに本当に申し訳ないと、精神的にもダメージを受けた。
何のために仕事してるんかな?と何回も思った。

いろんなことを犠牲にして、自分の中では精一杯仕事を頑張っても上手くいかないと感じることが頻繁におきた。
自分はなんてダメな人間だと思えてしまって、涙が止まらなくなることが何回もあった。

食欲もなくなって、産後なにしても痩せなかったのに、あっという間に2キロほど体重が減った。
(今はそこからプラス3キロ笑)

こどもを育てながら働くのは、細い紐の上を綱渡りしてる様なものだなと本当に思った。
私は夫の転勤、自分の部署異動でバランスぐちゃぐちゃになって、最後は落ちてしまった。

最終的には夜眠れなくなって、朝も布団から起きれなくなり仕事に行けなくなった。仕事を3日連続で欠勤して、もう仕事を辞めようと決心できた。

人が精神を病むのがこんなに簡単なんやと思った。(仕事を辞めると決めて、上司に伝えたら私の場合は幸いすぐ回復した。)

夫に転職して貰うという選択肢もあったと思うけど、その頃は私の自己肯定感がすごく下がっていたこと、仮に私が仕事を続けたとして時短なしや、運良く昇進できて管理職になった場合の働き方ではワークライフバランスをとれないと思ったから。
当時、私の周りにいた35から50歳くらいの男性社員の人達は滅私奉公的な働き方がまたまだ多かった。その働き方を見ていると、「夫に転職して貰う」というリスクを背負ってまで、私が定年まで働き続けるという覚悟が出来なかった。

そして、私は仕事を辞めた。
理由は夫の転勤に帯同するためとした。
本当は、もっと複雑でいろいろあったけど、これが皆一番傷つかない「仕方ないよねー」となる理由かなと思って。
(実際、夫の転勤で〜って言うと9割方、じゃあ仕方ないねーって感じになってる)

今、仕事を辞めなければ良かったと思うこともある。めっちゃ。(お金大事。お金は自由と自立には必要不可欠。)
勤めてた会社のことも嫌いじゃない。むしろ、チャンスがあればもう一度働きたい。
でも、正解はまだわからない(と思っている)。

こどもや夫と過ごす時間も増えて、いいこともあった。
パートで働く様になって、働けることのありがたさやお金の大事さも身に染みた。
自分の働き方や人生について悩んだり考えたりする良い機会にもなった。

仕事を辞めたことを後悔し続けるのだけはやめようと思っている。失うものも無いし!


と思いながら、ゴロゴロ無駄に過ごしがち。
そうは言ってもゴロゴロも必要やしと言い聞かせながら、note書いてます。










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