第20回『ホストクラブの幹部と大喧嘩!土下座要求からの復讐を誓う』
うぃす! 大阪男塾の塾長です。
2004年の冬に、ホストクラブの慰安旅行で背骨を骨折した僕。
歩けなくなる可能性もあったんですが、2ヵ月の入院生活を経てなんとか歩けるようになったっす。
札幌に入院中のある日、店のオーナーが病院に来ました。
「タクマ、寿司いくぞ」と行って、
ギブスガチガチで歩くのに歩行器が必要な僕を連れ出し、すすきのの寿司屋へ。
そこはカウンターでメニューに値段が書いていない、いわゆる時価の高級寿司屋。
人生初の「回らないお寿司屋さん」でした。
とはいえ、まだ背骨は動かしては行けません。
カウンターの机の部分を両手でグッと握っておかないと、骨がグニャッとなるスリリングな状況。
ものすごく力使うし「なんでこいつ、こんな店連れて来てん?」と怒りが湧いている僕をよそに、
「タクマ、こういう寿司屋は地元のキャバ嬢に聞いた方がええねん。雑誌に載ってないようなお店教えてくれるからな。」
としょうもない自慢。
「とりあえず白身から適当に握って」
と大将に言って、オーナーは寿司をバクバク食らってました。
たぶんお詫びのつもりで連れてきたと思うんすけど、完全に僕は
「こいつなんやねん。骨が治ったらシバいたんねん。」
とオーナーに怒りが湧いてたっすね。
入院中は、出会い系サイトの『PCMAX』にホストで貯めていたお金を30万以上を投資して、顧客を増やすことに専念。
このサイトは、当時僕が働いていたホストクラブ紫苑も広告で載せていた『Heaven』という風俗雑誌の裏表紙に広告を載せていました。
なにか寝たきりのこの期間に、他と差をつける方法はないか?と考えた僕は、このことを思い出し、
「この雑誌は掲載してる店、すなわちキャバクラや風俗店にも置いてあるはず。
ということは、寂しがりのキャバ嬢や風俗嬢が裏表紙を見て登録してる可能性はある!これだっ!」
と思い、直ぐに登録。
実際、『PCMAX』は効果てきめんでした。
色んな夜職の子に出会い、寝てる間電話やメールをマメにしたり身の上話をしたりして仲良くなり、5月半ばにホストとして復帰した際には、月間売上が150万円を超えました。
勢いは止まらず6月売上300万!
このとき、初めて月間売上ナンバー1になれたんすよ。
7月売上も300万と高いアベレージを維持できるようになったんすね。
ところが8月の売上は100万円にダウン。
全ホストの平均売上と比べれば、100万円って悪くはないんすけど、売上ダウンには理由があったんす。
僕がお店の幹部ともめて、クビになったんすね。
なんでクビにされたと思います?
それはやっぱり、僕が正直に物申すタイプだったというのが大きかったっす。
僕はゴールを決めて、そこから逆算して動く合理的なタイプ。店の幹部は、ビジョンを持たずその場の感情をベースに動くタイプ。
まあ水と油っすよね。
正直「それって、あんたらの私利私欲やん!」ってツッコミたくなる場面が何度もありました。
お店の経営も「不透明な部分が多いなあ」と常々感じてたんで、「こうやったらシステマティックに回せますよ」と具体的なアイデアと、改善点を伝えたんすね。
自分のためっていうよりも、所属していたグループやお店全体を見た俯瞰的な意見だったんすけど却下。
本質を突き過ぎたんで、みんな大激怒っす。
人間て痛いところを突かれると、怒っちゃう生き物なんすよね。
だんだんと「タクマは生意気」「あいつは気に入らん」と僕は目の敵にされるようになったっす。
そしてある日、店の代表と大喧嘩。
「お前はクビや。もう店に来るな」との通告が。
正直、「なんやねん、その判断は? ほんまクソやな」と思いました。
まあクビになったもんはしゃあないんで、「次どないしよ」と考えながらロッカーを片付けていたら、
当時の内勤のトップでお世話になっていた松田さんから「タクマ、みんなに頭下げて戻れ」と言われました。
当時の僕が思ったのは、「どうせ金のためやろ」
経営陣からすると、月間300万円の売上を叩き出すホストって、相当貴重なんすよ。
気が進まないんで、「無理なんで辞めます」と言ったんすけど、3、4時間説得されてめんどくさくなり最終的に辞める8、残る2のあみだくじをすることに。
ここが運命の別れ道やったと思うっす。
なんと結果は確率2割の残るの方に。
なくなく謝りにホストの事務所に行ったんすけど、部屋に入った瞬間、あの光景は忘れもしません。
7,8人の幹部らがコの字に座り真ん中に立たされた僕に「お前、土下座せえ」ですよ。
「それは嫌です」
断った僕に容赦のない罵詈雑言の嵐。
さすが悪の組織ホストクラブの幹部連中。
「こんだけ悪口、出てくる!?」って言いたくなるほど、ノンストップの悪口だったっすね。
でも自分も幹部側で他の人を怒るのを見てきた経験もあるんで想定内っす。
まあ松田さんとの約束もあるし謝らんと前に進まんので、謝りました。でもあまりの茶番に、途中で笑ってしまったんすよ。
そしたらひとりの幹部が「お前、こんなときになに笑っとんじゃ、コラ!」とすごんできたので、また笑いがこみあげてきたっすね。
こんな感じで『半沢直樹』の一場面のような光景が繰り広げられました。
8月にクビにされてしばらく店に顔を出せなかったんすが、9月に復帰。
謝罪したにもかかわらず、お店の幹部や同僚は塩対応…というか激塩対応。
話しかけても、露骨に無視するんすね。
みんなで「タクマとは一切、会話すな」って、口裏を合わせてたってことが、あとでわかりました。
「ガキみたいなことしやがって!」
罰金も謎の55万円。
元々水商売で働きながら、色んな部分に偏見や疑問を抱いてた部分もあふれ出てきて、僕の怒りはピークに達してました。
そして復讐を決意。
「こんな店、自分の勢力を作って乗っ取ったるわい!」と密かに考えてたんすよ。
この頃の僕は、お客さんから「ギラギラしすぎて怖い」って言われるほど、怒りのパワーに満ちあふれてました。
わかる人はわかると思うんすけど、アナキン・スカイウォーカーがダースベイダーに闇堕ちした感じっすね。
そして2004年9月16日に、僕はある男と運命的な出会いをはたします。
その男の名は……!?
次回は、僕と運命をともにする、ある男の出会いについて書くっすね。
最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!
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