第13回『自分のホストとして売りって何!?』
うぃす!
大阪男塾の塾長です。
「時給6,825円て、すごい!」と思って、面接を申し込んだホストクラブ。
正直、まだお笑いへの夢を断ち切れていなかったのですが、でもホストの世界に興味があったのも確かっす。
その頃、僕は原付移動だったので、面接も原チャリで行きました。
面接を担当してくれた男性は、アゴがニョッキと出た印象的な顔立ち。吉本新喜劇の辻本さんみたいな顔面っすね。
たっつんという源氏名でした。
面接中、たっつんに疑問点を確認していくと時給6,825円は、かなりの条件を満たしたトップクラスの人だけと判明。
でも「誇大広告を出しやがって!」とは全然思わず、「頑張ったら稼げそうやん!」くらいの捉え方だったっすね。
早速、体入もさせてもらいました。体入は、体験入店の略なんすけど、ホスト志望者はまず体入で、ホストクラブがどんな場所なのかを肌で感じるところから始めるんす。
僕が体入したのは、2003年の10月27日。なぜ覚えてるかというと、この年は阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝をして、大阪はお祭り騒ぎだったんですね。
しかも10月27日は、阪神とダイエーが日本シリーズで対決しダイエーが日本一になった日。
ミナミのひっかけ橋は異常な人の多さと熱気で道頓堀にらダイブする人もチラホラ。
さて体入直後にいきなり、ホストクラブのミーティングにも参加させてもらったんすけど、その時、上の人が盛んに言っていたのは「売れたいなら仕事以外の時間も営業しなきゃダメ!」ってことでした。
「朝から外へ出てキャッチして客を増やせ」という話を聞き、夜職でも朝から仕事をするストイックさが必要だと知りました。
ちなみにホストの朝キャッチは、起床後ではなく、仕事が終わった後の朝っすね。
朝だから寝るんじゃなくて、朝キャッチしてから寝るという感じっすね。
ユウマさんという先輩が、初対面の僕に「ちょっとキャッチ行くから、一緒にどう?」と声を掛けてくれたんです。
「優しい人やなあ」と思いつつ、僕はユウマさんと外に出てキャッチを始めました。
ユウマさんはガリガリでスリムな二十歳くらいの人っす。
キャッチをしているユウマさんを見ながら、ちょっと違和感が…。
なぜかJKばかりに声を掛けてたんですね。
「若い女の子が好きかしらんけど、JKはホストの客にならんやろ」と心の中でツッコミを入れてたっすね。
それにしてもホストの世界は、癖の強い人だらけだったっす。
平均的な人間よりも、わかりやすい売りがあって、何かひとつ特化したものがあると売れやすいんすね。
とんでもないイケメンとか競合がたくさんいるんすよ。
自分を客観視して、僕の売りはコミュニケーション力とノリの良さだなと思いました。NSCに行ってたことも売りになりましたね。
大阪という土地柄、やっぱりおもろいというのは価値が高いんすね。
ホストには、各々得意とする顧客のジャンルがあります。
キラキラした王子様系が好きな女の子、オラオラが好きな女の子、病み系が好きな女の子などなど、面白いことに細かいジャンル分けがあるんすね。
勤務するお店のホストをくまなくチェックしました。そしてわかったのは、現時点で僕が若い女の子の顧客を獲得して売れっ子になるのはかなりムズいってこと。
狙うべきは血で血を洗うレッドオーシャンではなく、新規開拓が狙えるブルーオーシャン。
僕が狙いを定めたのは、年上のお姉さんたちでした。
長崎の繁華街でコンビニバイトをしていた頃にも、夜職のお姉さんたちにかわいがられていたので、きっと僕は年上女性と相性が良いタイプなんすね。
初キャッチでユウマさんと出掛けた話に戻ると、そのとき僕は緊張していたこともあって、原付のメットインの中に鍵を入れてしまったんですね。
僕は腕が太いので、メットインから鍵を取り出せなかったんですけど、ユウマさんは腕が細いので鍵を取り出すことができたんです。
色々、親切にしてくれたユウマさんですが、なぜ僕に声を掛けてきたかが後々、判明。
少々頭がよろしくないこともあり、頓珍漢なことばかりしてしまう「ぼっちホスト」だったんですね。
仲間が欲しくて僕に声をかけたみたいだったっす。きっと寂しかったんすね。
ホストデビューから3日目、僕のホスト人生にとてつもなく大きな影響を与えるひとりの女性と出会うことに。
彼女の名前はノリちゃん。
次回は、僕の可能性を広げてくれた恩人ノリちゃんについて書くっすね。
最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!
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