キアラのティラミス〜元気になるおまじない
イタリアのお菓子の代名詞ともいえるティラミス。
Tira-mi-sù(ティラ・ミ・ス)とは直訳すると「私をひっぱり上げて」
という意味の、ヴェネト地方発祥のお菓子です。
主なる材料は、卵、生クリーム、マスカルポーネ。
栄養満点で甘くておいしいお菓子を食べれば気分もアップ!
元気になるよね、ということなのでしょうね。
いつまで続くのか先の見えないコロナ禍に鬱積した気分が
じわじわたまり、いわゆる「コロナ疲れ」になっていませんか。
甘いお菓子で気分を明るく切り替えて、
#STAYHOMEの時間を元気に 過ごしましょう。
元気なフリウラーナ
〈ウーディネのキアラの店にて。2016年〉
ティラミスには各人各様の作り方があるようですが、いつも我が家で作る
のは #キアラのティラミス 。このティラミスのレシピを授けてくれたのが、イタリアの友人キアラだからです。
フリウリ出身のキアラに出逢ったのは、30年ほど前のパリでした。
ファッションカタログの仕事でパリでロケをした時に、ヘアメークとしてブッキングされたのが彼女だったのです。
合宿のように過ごした数週間のロケの間、いわゆる「同じ釜の飯を食い」
意気投合した私たちは、以来互いの家や故郷の家までも訪ね合う
家族ぐるみのつき合いになりました。
現在キアラはパリから故郷であるフリウリ州ウーディネに戻り、
ヘアメークスタジオとパリスタイルのフラワーアレンジメントの店を
経営し活躍しています。
ブロンドで小柄、チャーミングなキアラはいつ会っても元気いっぱい。
早口のマシンガントークのおしゃべりはフリウラーナならでは、
まるでツアーガイドのようにおいしいものやセンスのいいお店、
興味ある場所を教えてくれる情報通です。
そんなキアラが教えてくれたティラミスは、私たちにとって
素敵においしくて元気になるおまじないなのです。
#元気をシェアするお菓子
〈ワイワイ分け合ったり、テイクアウトみたいにデリバリーしたり〉
我が家のティラミスはいつも大きな陶製の角皿にど〜んと8〜10人分を作ります。その迫力に食事会のデザートタイムの気分がTirami-sùの文字通り
アガります。ティラミスは元気をシェアするお菓子です。
多人数の会食を控えている昨今は、テイクアウトのように小分けのケースに作り、仲良しの隣人宅や友人に届けることも増えました。
きっちり計量が必要な焼き菓子と違い一切火も使わず、
クリームを混ぜ合わせるだけなので、失敗も少なく融通もきくのが
ティラミスのいいところ。
4〜5人分なら材料を半分にするなど、適宜人数に応じて分量を調節して
作りましょう。
台になるフィンガービスケットはイタリア製の「Savoiardi」などティラミス専用のものを使ってますが、サクサク軽めのビスケットで代用できます。
ポイントは食べる時間を逆算して作ること。
台のビスケットがカフェとクリームの水分を吸ってなじみ、柔らかな
スポンジ状になるのですが、あまり時間を置き過ぎるとべちゃっとして
おいしくありません。
多少の好みもありますが、私は作ってから5〜6時間後くらいのしっとり感
が好きです。
”キアラのティラミス”のレシピ
材料8〜10人分/卵4個(黄身だけ)、グラニュー糖大さじ5杯、
マスカルポーネチーズ1パック(250g)、生クリーム1パック(250ml)、フィンガービスケット(BISCOTTI SAVOIARDIなど)1パック24本、エスプレッソコーヒー250〜300cc、ラム酒かリモンチェッロ少々、
カカオパウダー適宜
①エスプレッソコーヒーを淹れて冷ましておきます。
エスプレッソができない場合はできるだけ深煎りのコーヒーを濃いめに淹れておきます。
②クリームを作る/ボウルを二つ用意し、まずひとつに卵の黄身と
グラニュー糖を入れ、なめらかなクリーム状になるまでよくすり混ぜます。そこへマスカルポーネチーズを加えて、さらによく混ぜます。
もう一つのボウルで生クリームを7分立てくらいにホイップします。
ホイップクリームをマスカルポーネクリームに加えて軽く混ぜ合わせ、
ラム酒かリモンチェッロ少々で香りをつけます。
*注:香りづけにアマレットはNG、クリームが分離してしまいます。
③ビスケットで台を作る/フィンガービスケットをバットに並べ、
エスプレッソをかけて湿らせます。片面にかけたらひっくり返し、
両面に均一にかけておきます。
④重ねて成型/角皿にエスプレッソで湿らせたビスケットをきっちり並べていきます。その上にクリームを平らにのばし、もう一段ビスケットを並べ、その上にまたクリームをのばして4段重ねにします。
ラップをかけ、冷蔵庫へ。4〜6時間冷やします。
⑤食べる直前に茶漉し網でココアパウダーを一面にふりかけます。
適宜切り分けてサーブします。
〈半分の量で作った4〜5人分のティラミス〉