お家で楽しくおいしいこと〜超簡単「究極のトマトソース」レシピ
あっという間に世界中に感染が広がった新型コロナウィルス禍。
自粛生活は少しずつ緩やかになっていくけれど、
感染拡大を防ぐため、いつもの暮らしを新しくつくり出す
#STAYSAFE の日々 は続きます。
今回のSTAYHOMEライフを経験して、
私たちの暮らしは大きく変わりました。
その間に多くのことを学び、気づいたのではないでしょうか。
おうちごはんの楽しさ、大切さもそのひとつ。
これからも簡単にできておいしいことを広げたいと思います。
基本身近なものでささっと作れて間違いなくおいしいもの、
そして気持ちがふんわり和むものがいい。
究極の好物という話題になることがあります。
日本人であれば「やっぱり卵かけごはんだよね」というような。
さてイタリア人はどうなのでしょう?
おそらくそれはSugo di pomodoro、つまりトマトソースのパスタ
ではないでしょうか。
毎日食べても飽きない味、というか毎日でも食べたい味。
元々イタリア人に負けないくらいトマトのパスタが好きでしたが、
はじめてヴェネツィアのマンマが作ってくれたトマトのスパゲッティを
食べた時は、あまりの旨さに衝撃を受けました。
そしてその呆気にとられるほどのシンプルな作り方を知って、
もう一度驚いたものです。それまで料理の本をみたりしながら
あれこれ工夫していたのに、この究極ともいえるマンマのトマトソースには
まるで敵わなかったのです。
トマトがおいしい季節になってきたので、そのトマトソースの作り方を
紹介します。材料は100%生トマト、缶詰は使いません。
この頃は料理用としてサンマルツァーノ種などイタリア品種のトマトも
手に入りますが、ふつうのトマトで大丈夫。
ただし、できるだけ完熟の肉厚のものを選びましょう。
どんなトマトを使うかでほぼ味は決まってしまうので、材料選びは慎重に。
ひと鍋分を作りますが、使うトマトの個数は大きさによるので適宜。
ムーラン(イタリアではpassaverdura、野菜こし器)は、ソースやスープ、マッシュポテト作りに欠かせない道具。ひとつあると便利です。
我が家のは20センチ径のイタリア製。もう20年以上使っています。
〈ヴェネツィアの食卓、マンマのトマトソース〉
#究極のトマトソース
材料/完熟トマト、ニンニク1片、オリーブオイル、塩、胡椒
①トマトはざく切り。冷たい状態の鍋にトマト、つぶしたニンニクを
ひと片、オリーブオイルをざっとまわしかけて、中火にかけます。
そのまま10〜15分程、焦がさないよう様子をみながらトマトの形が
なくなるくらいまで煮ます。鍋に蓋はしません。
トマトの水分が足りず、焦げつきそうな場合は、少し水を加えます。
②ニンニクを取り除き、煮えたトマトをムーランで漉します。
漉した状態はまださらさらです。
③漉したトマトに濃度をつけるため、弱火で煮つめます。
トマトにもよりますが10~15分くらいを目安に、とろりとするまで。
仕上げにほんの少しの塩、胡椒。この時点での塩味はあくまで控えめに。
あとでその度に塩味を調整します。
作り方はたったこれだけ。
私はいいトマトを見つけたらまとめ買いし、トマトソースをたくさん作り、シール付き保存袋や保存容器に小分けにして冷凍保存しておきます。
冷凍庫にトマトソースのストックがあると思うと、ちょっとうれしい。
ほかほかと湯気の立つスパゲッティにトマトソース、
たっぷりパルミジャーノをかけて頬張りましょう。
バターをひとかけ、あるいはえんどう豆をのせたりするのも家庭風。
トマトソースはパスタにかけて混ぜながら食べても良いし、
あらかじめ茹で上がったパスタを鍋で混ぜ合わせてから皿に取り分けても
オッケーです。
世の中にこれほどシンプルで、しかも旨いものがあるでしょうか。
なんともやさしく、思わず体がぴょんぴょんはねてしまうくらい
幸せな味なのです。