一炊之夢
一炊之夢(いっすいのゆめ)とは人の世の栄華、人生のはかないことのたとえ。
「一炊之夢」とは、唐代の小説「枕中記」に登場する故事の一つで、主人公の盧生が道士呂翁から夢を叶えるという枕を借り、その枕を使ってみると、みるみる出世し嫁も貰い、時には冤罪で投獄され、名声を求めたことを後悔して自殺しようとしたり、運よく処罰を免れたり、冤罪が晴らされ信義を取り戻したりしながら栄旺栄華を極め、国王にも就き賢臣の誉れを恣にするに至るという物語です。
この物語から「人生の栄枯盛衰のはかないこと」という意味が派生し、日本でも「邯鄲の枕」という言葉が使われるようになりました。
「邯鄲の枕」と同様に、「一炊之夢」も人生の栄枯盛衰のはかないことを表す言葉です。
例:
ある人が一流大学を卒業して、優秀な職に就いたとします。しかし、その後、会社が倒産して失業し、家族との関係も悪化してしまったとします。このような場合も、「一炊之夢」という言葉が使われることがあります。