英単語flaw「欠陥]の便利な使い方
写真は10日付の日経夕刊に書かせていただいた拙稿です。毎月一回、英単語の用法などについて執筆していますが、今回はflawを取り上げました。以下のようにnote用に編集、加筆しました:
語源はflaga(石板)
flawは8世紀から15世紀にかけてスカンジナビア人らが用いていた古ノルド語のflaga(石板)が語源とされ、16世紀後半からはdefect(欠陥)、fault(欠点)の意味も表すようになったようです。mistake(ミス)、blemish(傷)などの意味もあり、「欠陥がある」「傷がある」などの形容詞はflawedです。
日本語の熟語にぴったりの英語の表現
面白いことにflaw、flawedには「致命的な欠陥」“fatal flaw”、「設計ミス」“design flaw”、「欠陥車」“flawed car”など、日本語の熟語の組み合わせに合致する表現があります。
“This network had design flaws.”(このネットワークには設計ミスがあった)などと表せます。
「欠陥人間」は英語で何と言う?
flawedは人間にも使え、米報道によれば、元米大統領首席補佐官のジョン・ケリー氏は"It's impossible to understand who he actually is, but when you work closely with him, you understand he's a very flawed human being,"(彼が実際どんな人か理解するのは不可能だが、身近で働くと非常に欠陥のある人間だと分かる)と語っています。いうまでもなく「彼」とはトランプ前大統領のことです。
「完璧な空」とは?
接尾語のlessが付いたflawlessは欠点のない、つまり「完璧な」の意味で、“She delivered a nearly flawless performance in her free skate program.”(彼女はアイススケーティングのフリー・プログラムでほぼ完ぺきな演技を見せた)となります。“flawless sky”は「完璧な空」ではなく、「雲一つない空」「一片の雲もない空」と訳したいですね。