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読書の記録「ハツカネズミと人間」ジョン・スタインベック著

お話は短いし、面白いから読書が苦手な人でも読みやすい本だと思います。

時代は世界大恐慌のころ。カリフォルニア州で、二人の出稼ぎ労働者ジョージとレニーの物語。
しっかり者のジョージと心優しいレニー。二人にはささやかな夢がありました。

レニーがいう。
「その土地のことを話してくれよ、ジョージ」
「話してやったばかりじゃねえか。ゆうべ話したばかりだろ」
「さあ―もういっぺん話してくれ、ジョージ」
「ええと、そこは十エーカー」
ジョージは話し出した。
「小さな風車がある。そこに小さな家がたち、ニワトリ小屋もある。炊事場も果樹園もある。サクランボ、リンゴ、モモ、アンズ、クルミ、それにイチゴも少しはとれる。ムラサキウマゴヤシの牧草地が広がって、水がゆたかにそれをうるおす。ブタ小屋もあれば―」
「ウサギもいる、ジョージ」

上記のくだりは読んでいるだけで癒されました。
「赤毛のアン」や「大草原の小さな家」のように自然への愛情がたっぷりと注がれています。

自分の農場を持つ夢を持った二人に出稼ぎ先の働き手たち…。
いろいろな事情を抱えた人が登場します。
レニーには「アルジャーノンに花束を」の主人公を彷彿させられました。

あっという間に読めてしまい、心に深く残る一冊です。

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