環境基本計画 〜2024年夏 UIB@インドネシア・バタム島(準備編1)〜

2024年夏にインドネシア・バタム島にあるUIBで特別講義をしてきました。
タイトルは「International General Lecture on Human Rights and Environmental Policies: A Comparative Approach」です。

私の発表した内容は、環境分野の日本とイングランドの地方レベルでの法や政策に関する比較でした。この話は、BECC Japanでのポスター発表するために、調べていたことをまとめて英語で30分ほどで説明しました。元々は日本の環境省から地方レベルにどのように法律から環境政策がおりてきているのかを授業の中で話したことから始まりました。法律は空気のように当たり前にあるけど、ごみの分別方法が自治体によって異なるのかといったところが出発点でした。

日本では、「環境基本法」で「環境基本計画」を策定すること【1】と地方自治体【2】においても関連条例を制定するように法律の中で書かれています。大阪市や神戸市のような政令指定都市では、条例【3】を制定した上で、環境基本計画を作成しています。自治体によって書き方は少しづつ違いますが5年程度の期間の計画が策定されます。また、毎年環境報告書が作成されて、市のホームページで公開されています。

神戸市を例に取ると、神戸市環境マスタープランがあります。神戸市のホームページにも掲載されている通り、神戸市基本計画の下位計画として位置付けられています。また神戸市環境マスタープランの下には、①神戸市地球温暖化防止計画②神戸市一般廃棄物処理計画③生物多様性神戸プランがあります。大阪市や京都市などの政令指定都市では神戸市と同じような体系の計画を持っています。大きく異なることはありません。

京都市、大阪市、神戸市の3都市を比較すると温暖化(気候変動)、廃棄物、生物多様性の3つが出てきますが、大阪市の場合は市街地がほとんどのため、生物多様性については大きくふれられていないものの、基本的な政策は3都市と国のものとを比較しても大きな違いがないと考えられます。

参考として、第6次環境基本計画の中で6つの重点施策として以下のものが挙がっています。
・気候変動対策
・循環型社会の形成
・生物多様性の確保・自然共生
・水・大気・土壌の環境保全、環境リスクの管理
・基盤となる施策
・東日本大震災からの復興・創生及び今後の大規模災害発災時の対応

神戸市環境マスタープランでは、基本方針として
(1)二酸化炭素の排出が 少ないくらしと 社会を目指します。(気候変動)
(2)資源を有効利用し、 ごみができるだけ 発生しないくらしと 社会を目指します。(循環型社会)
(3)生物が多様で 自然のめぐみが 豊かなくらしと 社会を目指します。(生物多様性)
(4)安全・安心で 快適な生活環境 のあるくらしと 社会を目指します。(水・大気・土壌の環境保全)

【1】環境基本法第7条
【2】環境基本法第7条
【3】例えば、「神戸市民の環境をまもる条例」。



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